【目次】
代田ってどこにあるの?「場所」
高級住宅街の代田があるのは下北沢のお隣、世田谷区の北東部です。新宿駅から約13分、渋谷駅から約15分というアクセス抜群の立地が魅力で、都会に近いながらもひっそりと暮らしたい人には最適な高級住宅街です。エリアの北側を東西に京王井の頭線が、そしてエリア中央には東西に小田急小田原線が通っています。南側は世田谷区若林。エリア中央を南北に環状7号線が通っています。
地区南部を西から東に「北沢川」が流れていますが、現在は暗渠化されて散歩に最適な遊歩道になっています。
代田の「最寄り駅」は人気ドラマ『silent』のロケ地
代田の最寄り駅は京王井の頭線の「新代田駅」と小田急小田原線の「世田谷代田駅」。どちらも下北沢駅から1駅の距離にあって、各駅停車しか停まりません。ですが、世田谷代田駅から新宿駅までは約12分、新代田駅から渋谷駅までは約7分。下北沢駅で京王井の頭線と小田急小田原線の乗り換えが可能です。世田谷代田駅駅の改札口や駅前広場、地下ホームは、大人気ドラマ『silent』(フジテレビ系)のロケ地に使われ、今は記念撮影のメッカにもなっています。
ちなみに、小田急小田原線の世田谷代田駅から急行などが止まる下北沢駅までは徒歩で10分程度。世田谷代田駅から下北沢駅を通って東北沢駅までの1.7キロメートルの線路跡地には「下北線路街」ができ、楽しく散策できるようになりました。また、1時間のうちに40分も遮断機が下りていたという「開かずの踏切」と呼ばれる踏切はすべてなくなったので、この辺りでよく発生していた車の渋滞も解消されています。ますます利便性が高まりました。
代田の「地図」
代田の「歴史」と「由来」
環状7号線沿い、代田3丁目にある「代田八幡神社」は、この辺りが代田村だった江戸時代から伝わる「代田餅搗(もちつ)き」が行われることでも有名です。この「代田餅搗き」とは、大寒のころに農家が7俵(約420キログラム)ほどもある餅を共同でつくという風習。当時、餅は農家の農閑期の保存食で、大量に必要となります。そこで、6〜8人のつき手が臼を取り囲んで威勢のよい掛け声と共に一気に餅をつくのが習わしとなったそうです。この行事は、世田谷区指定無形民俗文化財となり、現在でも1月ごろに代田八幡神社で行われています。
代田村が高級住宅街として発展していくにあたって中心人物となったのが、安土桃山時代に世田谷城主吉良氏の家臣だった「代田七人衆」。この7人は天正18(1590)年の吉良氏没落後に土着・帰農した人たちです。そのうちのひとり、齋田家は江戸時代後期から代田村の名主となり、明治になると広大な茶園を造営して製茶業で栄えました。明治時代には、代田には茶畑が広がっていたそうです。
昭和2(1927)年に小田急小田原線が昭和8〜9年に帝都電鉄(現・京王井の頭線)が施設され、昭和39年の東京オリンピックに合わせて環状7号線が整備されます。そして、周辺の宅地化が進みました。
代田の「由来」
このエリアが「代田」と呼ばれていた歴史は古く、北条氏康の家臣、垪和又太郎が永禄12(1569)年に領主になったときには、既に「代田屯」と呼ばれていたようです。
「新代田駅」の北側、駅から5分くらいの距離には2016年まで「守山小学校」がありました。民俗学者の柳田国男によると、この守山小学校があった付近にかつて、巨人伝説で言い伝えられている大男ダイダラボッチの右片足の跡のような窪地があったそうです。そのことから、代田はダイダラボッチの「ダイダ」に由来しているといわれています。ちなみに、守山小学校があった場所は現在「もりやまテラス」となり、校庭や体育館などは広場や多目的室として利用され、地域交流の拠点となっています。
代田の3つの「魅力」
■1:下北沢駅がとても近いです
劇場やライブハウスも多く、サブカルチャーの聖地として知られている下北沢がすぐお隣に。下北沢駅前には立派な商店街があり、買い物や外食に便利です。さらに、下北沢駅は2013年に地下駅となり、これまで線路のあった場所には新しく「下北線路街」ができました。下北沢駅周辺独特のごちゃごちゃとした印象は刷新され、駅周辺の移動のしやすさも抜群にアップ。駅の上にはまさに「シモキタエキウエ」という下北沢らしいおしゃれなカフェやレストランが入る商業施設ができ、そこからミニシアターやシェアオフィス、コーヒースタンドなどが入った2022年開業の5階建ての複合施設「tefuラウンジ」にも行くことができます。
■2:下北沢駅から世田谷代田駅までが開発されてきれいになりました
下北沢駅から世田谷代田駅方面の小田急線の線路も地下化され、線路跡が遊歩道になりました。下北沢駅から歩いて10分程度で世田谷代田駅に到着しますが、この遊歩道には2020年に認可保育園ができたほか、注目のお店がたくさん集結しています。
この遊歩道で注目を集めているのが、住宅併設の飲食店や商業店舗が並ぶ新しい商店街「BONUS TRACK(ボーナストラック)」です。このボーナストラックには下北沢で人気の書店「B&B」が入っています。ほかにも、発酵食品専門店の「発酵デパートメント」や、コールドプレスジュース専門店「Why _?下北沢店」など、フラッと立ち寄りたいおいしいお店が多数集まり、毎日歩いても飽きません。
世田谷代田駅近くの遊歩道には隠れ家のような温泉旅館「温泉旅館由縁別邸 代田」があります。箱根・芦ノ湖温泉の「小田急山のホテル」の源泉を運んでいるそうで日帰り入浴も可能。都会にいることをつい忘れてしまいような贅沢な空間です。
そのほか、世田谷代田駅前には、輸入食品の「KALDI」を展開するキャメル珈琲の関連会社が運営するカフェスタンド「カフェ カルディーノ」や、東京農業大学のオープンカレッジやレストラン、アンテナショップが集まった「世田谷代田キャンパス」も「下北線路街」の開発により完成しています。
■3:羽根木公園は都内屈指の梅の名所です
小田急小田原線「梅ヶ丘駅」北側、代田4丁目には「羽根木公園」があります。北沢地区で一番広い公園として有名で、春になると約650本の梅の花が咲き誇ります。ここは子供の遊び場「プレイパーク」や野球グラウンド、テニスコート、プールなどのスポーツ施設が揃っていて、周辺住民の憩いの場となっています。
そのほか、世田谷代田駅前にある「代田富士見橋」からは晴れた日には富士山がきれいに見えるそう。代田は都心に近いながらもゆったりとした時間の流れるエリアです。
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高級住宅街「代田」は、人気ドラマ『silen』のロケ地として登場し話題を呼んでいるエリアです。下北沢の再開発により「世田谷代田駅」周辺はきれいになり、話題のお店も集まってきて注目度は高まっています。都心に近い環境ながらも落ち着いた雰囲気があり、地域交流も盛んです。ゆったりと暮らしながら新しい挑戦ができる街だと感じました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- AC,柳堀栄子
- WRITING :
- 柳堀栄子