今や女性のライフスタイルに不可欠な腕時計。日々を彩る装飾具以外の面でも注目が集まる昨今、好奇心は高まる一方。そこで、雑誌『Precious』9月号では、特集「今さら聞けない『ラグジュアリーウォッチの美学』」を展開。静的な芸術として独自の時計観をもつ、ウォッチジャーナリストで大学教授の並木浩一先生にその魅力をうかがいました!
なぜ人々は美しい時計に魅了されるのか? 専門家の視点から、わかりやすくひもときます!
今回は、「ラグジュアリーウォッチとは?」についてお届けします。
Q:ラグジュアリーウォッチとはそもそも、どういったもの?
腕時計は、本質的にラグジュアリーな存在です。誕生時は、いわゆる王侯貴族といった一部のセレブリティしか所有できなかったのですから。
その価値が一変したのが、1970年代に起こったクオーツショック。スイス時計界は一度地に落ちますが、約20年かけて機械式時計を高級品とするパラダイムシフトを達成します。その後、職人の手仕事が生む工芸品として価値の向上に努めたのです。
また、誰がつけるかにも着目。例えば「エリザベス女王がつけていた時計」なら、誰もがそのラグジュアリー性に得心するわけです。つまり、価値ある人が愛用する価値ある時計。いわば「推しの推し」(笑)。これを応用したアンバサダー戦略も時計のラグジュアリー性を高めました。
そして、なにより腕時計で時刻を知る必要性が少ない現代では、身につけることで自身を強くしてくれる存在ともいえます。こうした価値観を共有し、人生を豊かにしてくれる時計は、総じてラグジュアリーウォッチと呼べるのではないでしょうか。(並木さん)
往時の『キャリバー101』に着想を得て、現代に蘇った2018年発表のモデル。シルバーのオパーリン仕上げを施した小さなダイヤルと2本のバトン針が、ダイヤモンドがセッティングされた豪奢なブレスレットに可憐さを添える。
※文中の表記は、PG=ピンクゴールド、DIA=ダイヤモンドを表します。
※掲載商品の価格は、税込みです。
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- PHOTO :
- 池田 敦(CASK)、Getty Images
- STYLIST :
- 関口真実
- WRITING :
- 高村将司
- EDIT&WRITING :
- 安部 毅、岡村佳代、安村 徹(Precious)