旅情も高まる秋。露天風呂で紅葉を愛でながら温泉に浸かったり、季節の食材に舌鼓を打ったり…。この時期ならではの旅時間で心身をリフレッシュさせたい人は多いのではないでしょうか。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、秋に行くべき温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、神奈川県にある「奥湯河原 結唯(ゆい)」です。
公式サイト
全6部屋の離れの客室でプライベートな紅葉風呂を堪能
文豪等に愛された秘湯として知られる、奥湯河原温泉郷。湯河原駅から温泉街にかけての通りには木々が多く植えられ、例年11月中旬から12月初旬にかけて、色鮮やかな紅葉が人々の目を和ませます。その湯河原にて、大人女性のリゾートにおすすめなのが「奥湯河原 結唯」だと植竹さん。
「結唯は春先から紅葉シーズンのプランの販売が始まり、予約が埋まり始まるほどの人気宿。20歳未満は宿泊不可という完全大人仕様の隠れ家で、おこもりステイを叶えたい人にぴったりです。
敷地内は、本館和室、離れ秀邑(ほむら)、離れ紫葉の3つのゾーンに分かれており、私が宿泊したのは本館。滝を見下ろせる露天風呂でも客室でも赤や黄に染まった紅葉が眼福だったのが印象的です。また、館内の通路からも、窓越しに見える日本庭園が見事。食事処に向かう途中などに、ふと足を止めてしばし秋の風情に見惚れるなど、日常を忘れて心豊かな時間を過ごすことができました」(植竹さん)
「温泉の泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉。源泉かけ流しで肌なじみのよい適温の湯が優しく体を包み込み、いつまでもで浸かっていたくなるような心地よさです。湯のコンディションもよく、湯上りにはしっとり肌がうるおった感があります。
本館でさえ、他の宿泊客とあまり顔を合わせることがなく、かなりおしのび気分を味わえましたので、離れであればよりいっそうラグジュアリーでプライベート感のある旅を満喫できるのではないでしょうか」(植竹さん)
2023年10月現在、本館は全面リニューアル工事中につき、一棟貸しタイプの離れ「紫葉」の4室(桃花・紫夕・朝葱・翠嶺)、および離れ「秀邑」の2室(淙・椛)のみが予約可能です。離れの6室のうち2室は70平米、3室は100平米、そして1室は155平米といずれも広々。チェックインからチェックアウトまで全て客室で手続き可能で、別荘感覚で寛ぐことができます。
それぞれデザインやコンセプトの異なる離れの客室では、専用の露天風呂を完備。「紫葉」の4室では、川にせり出すような造りで清流と紅葉のコラボが息を呑むような美しさです。他方、「秀邑」の2室では浴槽が客室専用の中庭にあり、こちらも風情満点。凛とした空気の中で秋色に染まる景色を眺めつつ、人目を気にせず湯浴み三昧…。そんな優雅なひとときで、心も体もほぐされる感覚を得ることができるでしょう。
食通も唸る!アートのような創作会席コースをしみじみと味わう
「奥湯河原 結唯」のお食事は、料理長の目利きによる旬の食材を、目にも舌にも美しく、心を込めて仕上げたオリジナル和会席。
「実は、私が結唯を知ったきっかけは、飲食業界で活躍している知人から『ここの料理は記憶に残るほどおいしい!』との評判を耳にしたことです。そんな手放しで褒めるなんて…と興味をそそられて訪問してみたら、プロが絶賛するのも納得。素材がよく、味がおいしいのはもちろんのこと、見た目の美しさにも感動しました。
器ひとつひとつも、料理人が全国の窯元に出向き、陶芸家たちとの信頼関係を築きながら優れた逸品を仕入れているというこだわりぶり。そこに稲穂や栗のイガなど、秋を連想させる飾りが添えられて、コース料理にストーリーが感じられます。また、紙の包を開いた瞬間、松茸の芳醇な香りが広がるなど、五感で楽しめる演出もあり、ただの食事というよりアートを味わった気分になりました」(植竹さん)
以上、「奥湯河原 結唯」をご紹介しました。離れの客室の露天風呂から紅葉の絶景を独り占めするワンランク上の秋旅を実現したい人は、次の行き先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 奥湯河原 結唯
- 住所/神奈川県足柄下郡湯河原町宮上683-25
客室数/全6室
料金/1名 ¥89,850~(税込) - TEL:0465-63-6643
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生