旅情も高まる秋。露天風呂で紅葉を愛でながら温泉に浸かったり、季節の食材に舌鼓を打ったり…。この時期ならではの旅時間で心身をリフレッシュさせたい人は多いのではないでしょうか。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、秋に行くべき温泉宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、兵庫県神戸市にある「有馬温泉 月光園 鴻朧館(こうろうかん)」です。
公式サイト
目の前に紅葉が迫る!絶景スポットで2つの温泉を入り比べ
日本三名湯に数えられる神戸の奥座敷・有馬温泉。大阪から約1時間。神戸の市街地から約30分とアクセス至便ながら、周囲を山に囲まれていることから、都会の喧騒から離れて心安らぐひとときを過ごすことができます。その自然豊かな有馬温泉のなかでも随一の眺望を誇るのが、今回ご紹介する「有馬温泉 月光園 鴻朧館」です。
「月光園は、鴻朧館と游月山荘の2館からなる温泉旅館。游月山荘は純和風の数寄屋造りであるのに対し、鴻朧館はドイツの名城をモチーフにしたといわれており、建物の外観もフォトジェニックです。両館は渡り廊下でつながっており、滞在中はどちらの温泉施設も利用できます」(植竹さん)
「鴻朧館の館内では、まずロビーからの眺めが圧巻。天井が高く開放感のあるロビーでは、大きな窓ガラス越しに有馬三山のひとつ落葉山のパノラマビューが広がり、室内にいるのにまるで自然と対峙しているような臨場感があります。色彩豊かな秋景色は息を呑む美しさで、そのインパクトにしばし釘付けになってしまいました」(植竹さん)
「大浴場では露天風呂はもちろんのこと、大きなガラス窓のある内風呂も眺望抜群。露天風呂でも内風呂でも、目の前に木々が迫り、手を伸ばせば紅葉に届くのではとの錯覚に陥ってしまうほどです。遠目に眺めるのではなく、鮮やかに色付いた有馬の山と間近に向き合いながらの湯浴みは非日常感たっぷりで秋の風情に身も心も癒されます」(植竹さん)
「有馬は金泉・ラドン泉という2種類の性質の異なる湯が湧く地で、月光園でも両者の入り比べができます。金泉は鉄分と塩分を豊富に含んだ濃厚な湯。もともとは無色透明ですが、鉄分が空気に触れることでみかん色のにごり湯になり、別名“赤湯”ともいわれます。金泉ではお肌にミネラルをたっぷり補給することでトーンアップを実感できました」(植竹さん)
「一方、ラドン泉は無色透明で柔らかな肌触り。パワフルな金泉とは対照的に、ラドン泉はほっと一息つける癒しの湯です。見た目的にも成分的にも個性がはっきりと分かれる2つの湯を享受できるのはかなり恵まれた環境で、金泉とラドン泉を行ったり来たり湯巡り気分を満喫できました。しかも月光園は有馬では数少ない自家源泉を所有しており湯の質も申し分なし。絶景と名湯のコンビネーションで至福の時間を叶えたい人にもってこいです」(植竹さん)
秋の味覚とご当地グルメが融合した和食会席に舌鼓!
「月光園 鴻朧館」のお料理は、明石の海の幸、丹後の山の幸など、自然溢れる兵庫県の食材を中心に厳選された素材をふんだんに使用。温かいものは温かいうちに、一品ずつ丁寧に提供されるおもてなしにお腹も心も満たされます。
「旬の味覚と地元の食材をバランスよく取り入れた和食会席は、奇をてらわない王道のおいしさです。特に季節感があったのは土瓶蒸し。関西ならではの優しい出汁とキノコの芳醇な香りのハーモニーが絶妙で、そこにすだちをしぼると一段と風味が豊かになります。また、とろけるような食感の神戸牛や歯ごたえのいい明石のタコなどご当地グルメも満載で、湯旅の満足度がよりいっそう高まりました」(植竹さん)
以上、「有馬温泉 月光園 鴻朧館」をご紹介しました。絵画のような紅葉と向き合いながら、金泉・ラドン泉2つの名湯を心行くまで堪能したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 有馬温泉 月光園 鴻臚館
- 住所/兵庫県神戸市北区有馬町318
客室数/全33室
料金/1名 ¥37,400~(税込) - TEL:078-903-2255
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生