【目次】

瀬田ってどこにあるの?「場所」「最寄り駅」

「場所」、渋谷までの距離は?

写真手前に見える商業施設が二子玉川駅にある「二子玉川ライズ」。写真手前は崖線下でマンションなどが建ち並ぶ。そこから写真上に向かって緑が増えるが、その辺りが国分寺崖線上の住宅街だ。
写真手前に見える商業施設が二子玉川駅にある「二子玉川ライズ」。写真手前は崖線下でマンションなどが建ち並ぶ。そこから写真上に向かって緑が増えるが、その辺りが低層住宅が並ぶ国分寺崖線上の住宅街だ。

東京23区の西南端にある世田谷区の中でも南西側にある「瀬田(せた)」。東京に詳しい人でもあまり聞き慣れない地名かもしれませんが、神奈川県との境に流れている多摩川に近い位置にあります。そのため、瀬田住みの方々は、「多摩川の近く」「ニコタマのそば」といった説明をすることが多いよう。ただし、実際に多摩川に接している街は「瀬田」のお隣にある「玉川」です。

川沿いから崖上に向かって坂道が多いエリアだ。写真右手は「玉川高島屋S・C ガーデンアイランド」。都内最大級の園芸店が入っている。
瀬田は川沿いから崖上に向かって坂道が多いエリア。写真右手は「玉川高島屋S・C ガーデンアイランド」。都内最大級の園芸店が入っている。

長い時間を経て多摩川が武蔵野台地を削り取ってできた「国分寺崖線(がいせん)」上にある瀬田は、瀬田1丁目から5丁目まであり、かなり広域。エリア北側には東西に「環八通り」、中央には南北に「玉川通り」が通っています。全体的に坂道が多いのが特徴ですが、場所によって街の雰囲気も少し異なります。

瀬田には田畑が多い。写真は「瀬田農業公園」で、野菜の種まきや収穫などの農業体験イベントを行う。
用賀駅周辺には田畑が多い。写真は「瀬田農業公園」で、野菜の種まきや収穫などの農業体験イベントが行われる。

瀬田の中でも「用賀駅」に近いエリアの崖上側は田畑が多く、環八通りや玉川通りなどの幹線道路から1本小道に入ると、のどかな住宅街でゆったりとした一戸建てが並んでいます。用賀駅は渋谷駅から電車で12分程度と近いですが、ここは喧噪とは無縁の、ホッとリラックスできる雰囲気があります。一方、「二子玉川駅」に近い崖下側は「二子玉川ライズ」や「玉川高島屋S・C」に近く、高級感ある華やかな賑わいがあり、ショッピングがとても楽しい場所です。ちなみに二子玉川駅から渋谷駅までも近く、電車で15分程度です。

瀬田の「最寄り駅」

用賀駅前のランドマークといえば高層ビルの「世田谷ビジネススクエア」。地下にはスーパーマーケットが入っている。
用賀駅前のランドマークといえば、高層ビルを含む8つの建物からなる「世田谷ビジネススクエア」。地下にはスーパーマーケット「東急ストア」が入っている。

上でもふれましたが、瀬田は広域のため、住む場所により最寄り駅や使える路線が異なります。国分寺崖線の崖上側にあるのが、東急田園都市線の「用賀駅」や東急大井町線の通る「上野毛駅」。崖下側にあるのが田園都市線と大井町線が交差している「二子玉川駅」です。ですので、崖上にある3丁目や5丁目にお住まいなら、用賀駅などの利用が便利です。傾斜地にある1丁目や2丁目、4丁目などの一部は坂を下っていった先にある二子玉川駅の利用が便利です。ちなみに用賀駅から二子玉川駅までは徒歩で20分程度。歩けない距離ではありません。

用賀駅近くには、ディスカウントスーパーマーケットの「オーケーマート」があって人気だ。
用賀駅近くには、ディスカウントスーパーマーケットの「オーケー 新用賀店」があって人気が高い。

東急田園都市線は、渋谷駅から東京メトロ半蔵門線に直通していて表参道や大手町へ乗り換えなしで移動できます。用賀駅から大手町駅までは30分程度。そして、東急大井町線は自由が丘駅で東急東横線に乗り換えが可能です。二子玉川駅から自由が丘駅までは10分程度です。また、東横線は、東京メトロ副都心線や横浜高速鉄道みなとみらい線などに直通しています。どの路線もとても便利です。

二子玉川駅周辺には二子玉川ライズや玉川高島屋S.Cなどショッピングセンターやデパートが充実。
二子玉川駅周辺には二子玉川ライズや玉川高島屋S・Cなどのショッピングセンターやデパートが充実している。

瀬田の「地図」

瀬田の「歴史」と「由来」

瀬田の「歴史」

二子玉川駅から坂上にある行善寺に向かう「行火(あんか)坂」は急坂だ。ですが、二子玉川駅にも近く、南向き傾斜地で日当たりがとてもいい場所。人気が高い住宅地だ。
二子玉川駅から坂上にある行善寺に向かう急こう配の「行火(あんか)坂」。歩くのは少し苦労するが、二子玉川駅にも近く、南向き傾斜地で日当たりがとてもいい。人気が高い住宅地だ。

高台にある瀬田1丁目に今も行善寺。江戸時代、ここからの絶景は、「玉川八景」と称えられてとても人気があったそう。豊かな自然や優美な多摩川の流れ、富士山を望むことができたので、徳川歴代将軍もたびたび行善寺を訪れて休息をとったといわれています。今ではマンションや商業ビルなどが建っていて見える景色は大きく変わっているものの、この辺りの住宅には日の光が燦々と降り注いでいて、とても心地のよい空気が流れています。

瀬田玉川神社はこの辺りの氏神様。
瀬田玉川神社はこの辺りの氏神様。

行善寺前を通る「行火(あんか)坂」は、古道の「大山道(おおやまみち)」の一部。この道は大山(現在の相模原)へ「大山詣(まい)り」をするための通り道で、赤坂御門から三軒茶屋などを通り、二子玉川で多摩川を渡って大山へ向かっていたそう。大山道は玉川台2丁目にある「延命地蔵」のところでふた手に分かれ、もうひとつの大山道は瀬田4丁目にある「瀬田玉川神社」の横を通っていました。昔の多摩川は大雨になると川の流れが変わってしまうのでふた通りのルートがあったのです。

多摩川沿いにある「二子玉川ライズ」には楽天オフィスやホテル、マンション、ショッピングセンターなどが集まってひとつの街を形成している。
多摩川沿いにある「二子玉川ライズ」には楽天のオフィスやホテル、マンション、ショッピングセンターなどが集まってひとつの街を形成している。

明治40(1907)年、渋谷から玉川(現在の二子玉川)間に玉川電気鉄道が開通すると、二子玉川の川沿いには料亭や旅館が建ち並び、郊外の行楽地としてより一層賑わうようになりました。実は現在でも二子玉川で秋に行われている花火大会が始まったのもこのころだそう。そして玉川電気鉄道は、さらなる旅客誘致のため瀬田玉川神社のある丘の下の土地を地主から借り受けて、明治42年に「玉川遊園地」を造ります。ここに自然を基調とした庭園をつくり、子ども用の遊具を備え、動物の飼育なども行っていました。

二子玉川ライズは歩道上に車の通らない平坦な道が続き、とても歩きやすい。
二子玉川ライズ内の歩道はとても広くて歩きやすい。車が通らないので安心だ。

さらに玉川電気鉄道は、大正11年に、現在の二子玉川駅の「二子玉川ライズ」がある場所に「玉川第二遊園地」を開園させます。これらの遊園地は戦時中に休園となりましたが、戦後の昭和29(1954)年には今度は東急不動産が玉川第二遊園地のあった場所に「二子玉川園」という遊園地を開園させると、人気のスポットに。路面電車だった玉川電気鉄道は昭和44年に廃線となり、昭和52年に渋谷から二子玉川園(現在の二子玉川)間に新玉川線(現在の田園都市線)が開業しました。

現在、「二子玉川ライズ」はとても人気のショッピングスポットですが、これまでの歴史を振り返っても、郊外のレクリエーション拠点としてたくさんの人を魅了してきた場所だったことがわかります。

瀬田はなぜ高級住宅街になった?

瀬田4丁目にある財団法人日産厚生会玉川病院は、国分寺崖線上の高台にある。大きな病院が近くにあるのは安心だ。
瀬田4丁目にある日産厚生会玉川病院は、国分寺崖線上の高台にある。大きな病院が近くにあるのは安心だ。

今回ご紹介している瀬田や、瀬田の西側にある世田谷区岡本など、美しい自然の景色を望める国分寺崖線沿いのエリアは明治後期から昭和初期にかけて政治家や実業家などにとても人気のある別荘地でした。例えば、高台の瀬田4丁目にある日産厚生会玉川病院の場所にあったお屋敷は、清水組(現在の清水建設)副社長だった清水揚之助氏が明治期に建てたものです。清水家のお屋敷は戦後に売却されて玉川病院の一部となりますが、幸いにもこの屋敷内にあった「書院」などの一部は受け継がれて保存されていました。時を経て平成25(2013)年、瀬田のお隣の上野毛1丁目にある区立「二子玉川公園」内に完成した回遊式日本庭園「帰真園」に、この書院は「旧清水住宅書院」として移設復元されました。明治期の美しい建具が使われている床構えやふすまを備えた書院を今でも見学することが可能です。

瀬田4丁目にある「旧小坂家住宅」。2階建てで洋風の寝室棟・和風の主屋棟(座敷)、山小屋風の書斎棟で構成される。
瀬田4丁目にある「旧小坂家住宅」。2階建てで洋風の寝室棟と和風の主屋棟(座敷)、山小屋風の書斎棟で構成される。

また、衆議院議員や貴族院議員を歴任した小坂順造氏の別邸として昭和12(1937)年に建てられた邸宅や庭園も瀬田4丁目に保存されています。この建物も台地上にあり、 各棟から国分寺崖線の緑を見渡せる配置になっているそう。爽やかな風が流れるとても気持ちのよい庭園です。

江戸時代に建てられた元岡山藩城代家老・伊木家の下屋敷にあったと伝えられる長屋門形式の表門が鮎川邸で使われていた。現在は岡本1丁目にあるマンションの敷地内に保存されている。
江戸時代に建てられた元岡山藩城代家老・伊木家の下屋敷にあったと伝えられる長屋門形式の表門が鮎川邸で使われていた。現在は岡本1丁目にあるマンションの敷地内に保存されている。

そのほか、「旧小坂家住宅」に近い、すぐお隣の岡本1丁目には日産自動車創業の立役者でもある実業家の鮎川義介氏の邸宅が、瀬田4丁目辺りには水戸徳川13代当主の徳川圀順氏の邸宅などもありました。小坂邸や鮎川邸の門など一部残されているものもあり、ゆったりと流れる瀬田の高級住宅街としての歴史を肌で感じることができるのも魅力です。

瀬田の「由来」

瀬田アートトンネルは玉川通り(国道246)の下を通るトンネル。低地の二子玉川駅近くにある。
「瀬田アートトンネル」は玉川通り(国道246号線)の下を通るトンネル。低地の二子玉川駅近くにある。

その昔、多摩川沿岸から台地へ続く谷の広い範囲は「瀬戸(セト)」と呼ばれていました。それがいつしかなまって 「瀬田(セタ)」と呼ばれるようになったいわれています。「瀬戸」は、狭小な海峡を意味する言葉。ですがいつからか、海のあるなしにかかわらず、狭い谷地も「瀬戸」と言うようになったそう。ちなみに、多摩川を挟んで神奈川県川崎市側にも高津区瀬田町という住所があります。

瀬田の住宅街は急な坂道が多いが、坂道沿いに建つ家は見晴らしが良さそうだ。
瀬田の住宅街は急な坂道が多いが、坂道沿いに建つ家々はとても見晴らしがよさそうだ。

瀬田は明治22年には、付近にある7つの村と合併して玉川村の大字となりました。昭和7年に世田谷区が成立した際には「玉川瀬田町」と呼ばれるようになります。さらにその後も町名変更を重ね、昭和46年の住居表示により「瀬田」という町名になりました。

住みやすさは?瀬田の「魅力」

■1:車移動がとても便利な位置にあります

頭上を東名高速道路が通る。写真左右に通る道が環八通りだ。右手前方に見える緑が「砧公園」。
写真は用賀駅近くにある「環八東名入り口交差点」。頭上を東名高速道路が通る。写真左右に通る道が環八通りだ。右手前方に見える緑が「砧公園」。

瀬田4丁目には、渋谷に行くのに便利な玉川通り(国道246号線)、高井戸方面に向かう環八通りが交差している「瀬田交差点」という大きな交差点です。 玉川通りは瀬田交差点の先で新二子橋と二子橋の分岐があり、新二子橋の先で厚木街道に接して横浜へと向かいます。瀬田5丁目にある「環八東名入り口交差点」には、首都高速3号渋谷線「用賀出入口」と、東名高速道路「東京IC」があり、海や温泉などへの旅行にもアクセスがよい環境です。渋谷までは車で15分程度、羽田空港までは30分程度、箱根までは1時間半程度で到着できます。

■2:風致地区に指定されていて高い建物がありません

瀬田の住宅街は広々とした一戸建てが多く、建物の敷地内に緑も多い。
瀬田の住宅街は広々とした一戸建てが多く、建物の敷地内に緑も多い。

大通り沿いなどを除く瀬田エリアの多くは、高さ制限のある第一種低層住居専用地域に指定されているため、住宅地内には高い建物がなく、一戸建て住宅や低層のマンションが並んでいます。さらに、瀬田1丁目や4丁目の一部は風致地区にも指定されています。風致地区では、建物の高さ以外に、隣地境界線と建物の距離が1.5メートルと決められているため、お隣の家との距離は3メートル以上は空くのが基準。ですので、風致地区条例で守られている地域は、ゆとりのある家が建てられるのが魅力でもあります。瀬田エリアでは、周囲に高い建物が建つ心配もなく、お隣の家との距離も程よく空いていて、さらに国分寺崖線上は南向きの傾斜地のため、日当たりも良好な一戸建てを建てることができるのです。

坂道は急だが、南向きの傾斜地はとても日当たりが良さそうだ。
坂道は急だが、南向きの傾斜地はとても日当たりがよさそうだ。

■3:豊かな自然に恵まれた場所です

砧公園は用賀駅から徒歩20分程度の距離にある。用賀駅や成城学園前駅などからもバスが出ている。
砧公園は用賀駅から徒歩20分程度の距離にある。用賀駅や成城学園前駅などからもバスが出ている。

国分寺崖線上の高台に位置する瀬田5丁目の近くには、広大な芝生広場があり、世田美術館があり、巨大な遊具広場があり、桜の名所でもある「砧公園」があります。園内では四季折々の花々を楽しむことができ、散策が楽しい公園です。

瀬田5丁目にあるフラワーランド(瀬田農業公園)
瀬田5丁目にあるフラワーランド(区立瀬田農業公園)。

瀬田5丁目には「フラワーランド(区立瀬田農業公園)」があります。コンセプトは「花づくりのできる公園」。日々手厚く手入れがされていて、園内には季節ごとにさまざまな美しい花が咲き乱れています。子供用の遊具もあり、園芸相談なども行っているそう。近所にこんな公園があったら毎日お散歩したくなりそうです。

■4:ショッピングが楽しい二子玉川駅に近いです

写真左手の蔦に覆われた建物は「玉川高島屋S.C.」にあるアパレルショップ「ロンハーマン」。広々としたカフェスペースも人気だ。
写真左手のツタに覆われた建物は「玉川高島屋S.C.」の新館「アイビープレイス」で、人気ブランド「ロンハーマン」が入っている。広々としたカフェスペースも人気だ。

瀬田エリアは二子玉川駅も最寄り駅です。二子玉川駅には商業施設の「二子玉川ライズS.C.」や「玉川高島屋S・C」があり、おしゃれなカフェやレストランでの食事、ハイブランドショップでのショッピングを存分に楽しむことができます。同じく人気の「自由が丘駅」までも電車で10分程度。この2駅は、子供の習い事も充実しているのでファミリーも安心です。二子玉川駅と自由が丘駅を上手に使えば、普段の買い物や、やりたいことの多くが都心まで行かずとも叶えられてしまうのが魅力です。

■5:旧石器時代から人々の暮らしがあります

瀬田1丁目
二子玉川駅にも近い瀬田1丁目周辺には、今では一戸建て住宅や低層の高級マンションが並んでいる。

国分寺崖線に沿った高台にある瀬田1丁目・2丁目からは旧石器時代から古代、中近世までの複合遺跡「瀬田遺跡」が見つかっています。傾斜地にあるこの場所は明治期から昭和初期にかけても、多摩川や富士山が見下ろせる絶景スポットとして人気の高い別荘エリアでした。強固な地盤があり、緑豊かな美しい景色があり、昔から人々がこの土地を好んで生活を営んでいたという歴史も魅力的です。

***

世田谷区瀬田は、二子玉川駅や用賀駅など、スーパーマーケットや百貨店などが数多くそろう便利な駅に近い場所にありながら、住宅地内には田畑もあり、とても自然豊かでのどかな場所でした。明治から昭和にかけて、別荘地として人気があったことも納得。ホッとできる場所で、職住を分けてゆったり暮らしたいという人にもおすすめのエリアです。

参考:世田谷区ホームページ
   二子玉川ライズ
   東急グループ
   清水建設
   瀬田玉川神社
   『世田谷の土地ー絵図と図面を読み解く』(世田谷区立郷土資料館)
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
AC,柳堀栄子
WRITING :
柳堀栄子