冷え込みが激しくなるにつれて、恋しくなるものといえば温泉。温泉旅行は冬のレジャーの定番ですが、ただ湯に癒されるだけでなく、同時に雪景色を楽しむことができれば、旅の感動はよりいっそう大きくなるのではないでしょうか。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、雪見風呂を満喫できる名宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、宮城県蔵王町にある「ゆと森倶楽部」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の3000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

オールインクルーシブの宿で心ゆくまま“理想の日常”を実現

JR仙台駅より車で約60分。「ゆと森倶楽部」は蔵王国定公園内13万平米の広大な森に佇む大人の寛ぎリゾートです。宿のコンセプトは“理想の日常”。施設内での飲食やアクティビティなど多彩なサービスが宿泊料金に含まれるオールインクルーシブスタイルで、お財布を気にすることなくストレスフリーな滞在を叶えられます。

ゆと森倶楽部の暖炉ラウンジ
ゆったり寛げる「暖炉ラウンジ」。ここで提供されるスイーツやドリンクも、オールインクルーシブに含まれる。

「スキーヤーにはおなじみの蔵王ですが、お楽しみはウィンタースポーツだけではありません。『ゆと森倶楽部』は、温泉、美食に加えて、森の中でのヨガやスモアなどアクティビティも充実。思い思いの過ごし方ができる“大人の楽園”のような環境です」(植竹さん)

渓流露天風呂「川の湯」までのアプローチ。
森の小道を歩いて離れの露天風呂へ。

「温泉は6か所もあり、うち4つは貸切。なかでも人気なのは、離れにある渓流露天風呂『川の湯 しかく』と『川の湯 まる』です。本館から300歩ほど森の中を歩いた先にあり、道中の雪景色も風情があります。

温泉に着くまではかなり寒いですが、いざ到着して温泉に浸かれば、ぽかぽかと極楽気分に。木々に囲まれ、すぐ近くに川も流れる自然の中で湯浴みするという非日常感もあいまって、日々の蓄積された疲労やストレスをリセットすることができます」(植竹さん)

渓流露天風呂「川の湯 しかく」。
渓流露天風呂「川の湯 しかく」。
渓流露天風呂「川の湯 まる」。
渓流露天風呂「川の湯 まる」。

「本館の大浴場の地下にも、内湯と露天風呂をを備えた貸切風呂が2つ『林道の湯』と『かもしかの湯』があります。内湯でも窓越しに眺望を楽しめますが、やはり露天風呂の開放感は格別で、雪景色を眺めながらまったり寛ぐのは至福のひとときでした」(植竹さん)

「林道の湯」「かもしかの湯」の貸切露天風呂
本館の貸切露天風呂からの眺め。

「泉質は、ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。いわゆる三大美人の湯のうち、硫酸塩泉、炭酸水素塩泉の2つの条件を満たし、さらに塩化物泉の作用で体の芯までよく温まるという欲張りな湯です。さらに、温泉だけでなくサウナやヨガの設備もあり、とことん自分をケアしたい、美と健康を追求したい人にぴったりの湯宿だと思います」(植竹さん)

渓流露天風呂「川の湯 まる」併設の低温岩盤浴。
渓流露天風呂「川の湯 まる」併設の低温岩盤浴。

「ゆと森倶楽部」で気軽に参加できるアクティビティとしては、毎朝開催される“森の朝ヨガ”、夕食前に森の中や沢沿いを散策する“森の午後さんぽ”、マミー型のシュラフにミノムシのように包まれて星空観賞や月光浴を楽しむ“みのむしスターウオッチング”など、リフレッシュできるものが満載。これらは参加するもしないも自由です。蔵王の清々しい自然の中で、宿のコンセプト“理想の日常”を叶えてみてはいかがでしょうか。

朝ヨガの光景
マイナスイオンにも癒されそうな森の朝ヨガ。
テラスでのヨガ風景
ヨガは気候に応じてテラスで実施されることも。
森の中のハンモック
温かい季節には森の中のハンモックでのんびりうたた寝する過ごし方も…。

こだわりの厳選野菜が主役!自分好みに仕立てられる美食コースに舌鼓

「ZAO FOOD DINING けやき」の外観。
「ZAO FOOD DINING けやき」の外観。

お食事は日本初の4年連続、野菜ソムリエアワードを受賞し、殿堂入りしたレストラン「ZAO FOOD DINING けやき」で。手間暇惜しまず丁寧に作ったアミューズから、メイン、そしてデザートまで、自由に何度でも注文できるフリーオーダースタイルで、自分だけのコース仕立てのお料理を味わえます。

「ZAO FOOD DINING けやき」ディナーメニューの一例。
ディナーメニューの一例。 ※季節や仕入れ状況によってメニューは異なります。

「こちらの宿の料理は野菜が主役。野菜ソムリエのシェフたちが、高原野菜ならではの甘みとみずみずしさが際立つ素材を目の前で調理しサーブしてくれます。しかも、ほうれん草とあんこうのフリットやフォラグラ大根など、食材のコンビネーションも絶妙。さすが素材のよさを知り尽くした野菜のプロフェッショナル…と感動しきりです。しかもお酒の種類が豊富で、美食とのマリアージュで心もお腹もマックスに満たされました」(植竹さん)

「ZAO FOOD DINING けやき」の調理風景
野菜ソムリエたちがオーダーを受けてから目の前で調理。
「ZAO FOOD DINING けやき」のドリンクコーナー
ドリンクコーナーも充実。

「さらにうれしかったのは、食事時間以外にもラウンジでスイーツやドリンクのサービスがあること。ドリンクは挽きたてのコーヒー、オリジナルリーフの紅茶、生ビールなどがあり、これらももちろんオールインクルーシブに含まれます。

ラウンジのサービスでは、蔵王牛乳と地元農家のフルーツで造られたジェラートが人気。本場イタリアでシェアNo.1のジェラートマシーンを使用し、専属パティシエが手作りしているこだわりぶりです。旬の素材を使っているので、時期によりメニューは異なるようですが、私の一番のお気に入りはピスタチオ。濃厚でミルクの風味もよく、この宿ならではの味わいです」(植竹さん)

「ゆと森倶楽部」オリジナルのジェラート。
人気の手作りジェラート。

以上、「ゆと森倶楽部」をご紹介しました。雪国・蔵王の森の中に佇むオールインクルーシブの宿で、貸切露天風呂で雪見を楽しんだり、野菜が主役の美食コースを堪能したり、サウナやヨガで心地よい汗を流したり…。そんな自由気ままなステイを実現したい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • ゆと森倶楽部
  • 住所/宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉上ノ原128
    客室数/全51室
    料金/1名 ¥60,000~(税込)
  • TEL:050-1807-2268

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)