冷え込みが激しくなるにつれて、恋しくなるものといえば温泉。温泉旅行は冬のレジャーの定番ですが、ただ湯に癒されるだけでなく、同時に雪景色を楽しむことができれば、旅の感動はよりいっそう大きくなるのではないでしょうか。そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんに、雪見風呂を満喫できる名宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、北海道ニセコにある「楽 水山(らく すいさん)」です。
公式サイト
雪化粧した羊蹄山が眼前に!ニセコの地で自家源泉の名湯に癒される
世界的にパウダースノーの聖地として知られ、豊かな自然が残る北海道ニセコ。夏は避暑地、冬はスキー場として、国内外の観光客を魅了するリゾート地に悠々と佇むラグジュアリーな温泉宿が「楽 水山」です。
「『楽 水山』を語るうえで、はずせないキーワードは羊蹄山。羊蹄山は、どの角度から見ても端正な円錐形で、富士山に似ていることから別名“蝦夷富士”とも呼ばれる山です。北海道民にとってシンボリックな羊蹄山の雪景色を『楽 水山』では館内の至るところから鑑賞できます。まず、チェックインを行うラウンジから羊蹄山を一望。到着早々から北の大地ならではの雄大なパノラマビューに圧倒されます」(植竹さん)
「客室はラウンジなど共用部と渡り廊下で結ばれた離れの造り。木造平屋の戸建てで、プライベートな空間で寛ぎ時間を過ごしたい人にぴったりです。チェックインを終えたら、回廊を通って客室に向かいますが、その動線にさりげなく飾られたアートも素敵で旅の気分を盛り上げてくれます」(植竹さん)
「客室は木材と漆喰の壁が落ち着きを感じさせる空間で、全室がマウントビュー。眺望を遮らないように穏やかな傾斜地に工夫して建てられているそうで、客室でも羊蹄山と真正面から向き合うことができます。絵画のような白銀の世界は眼福で、時間が経つのを忘れて眺めていたくなるほどです」(植竹さん)
「『楽 水山』には大浴場がなく、全ての客室に源泉かけ流しの温泉を完備。雪化粧した羊蹄山を眺めながらの湯浴みは格別で、ダイナミックな自然美に心身の疲れが一掃される思いがします。
泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。敷地内の自家源泉から湧いた茶褐色の湯はコンディションもよく、塩化物の作用で体がポカポカと温まります。また、炭酸水素塩泉はいわゆる“美人の湯”のひとつ。皮脂や角質を優しく落としてくれて、湯上りにはむき卵のようにツルツルすべすべになれたのを実感できました」(植竹さん)
創作フレンチor日本料理or鉄板焼き?北海道の味覚を日替わりで堪能
「楽 水山」では、ニセコ、後志(しりべし)を中心にした北海道の食材にこだわり、お品書きがない一期一会の料理も自慢。料理人が、当日の食材コンディションや、気温、湿度を見極め、インスピレーションにより創り上げます。
「食事処は3か所あり、そのなかで私がチョイスしたのは、創作フレンチ料理の『ゆきあい亭』。ご当地食材のタラバガニなどが、メイン料理として派手にふるまわれるのではなく、さりげなく創作メニューとしてアレンジされていたのが印象的です。
また、北海道産のじゃがいもや玉ねぎは、普段食べた慣れているものとは別物のように、甘みや旨味がしっかり感じられます。そうした素材のよさを最大限に生かした見た目も美しい本格フレンチは、さながら都心の一流レストランですが、ふと窓を外を眺めると、そこに広がるのはニセコの大自然。そんな非日常的な食体験を叶えられるのも、『楽 水山』ならではです」(植竹さん)
創作フレンチ「ゆきあい亭」のほか、日本料理「入舟」、鉄板焼き「海王」でのお食事も可能です。日本料理「入舟」は4席だけのカウンター席。個室で料理人との会話も弾み、眼前で仕上がる料理が楽しめます。
鉄板焼き「海王」もわずか8席。シェフが目の前の鉄板で調理する臨場感も醍醐味で、北海道の食材の真価をシンプルに味わうことができます。客室数18の規模で食事処が3つもあるのは珍しく、連泊して趣の異なる料理を美食三昧したい人も大満足すること間違いなし!
以上、「楽 水山」をご紹介しました。雄大な羊蹄山を目の前に、雪見風呂も美食も存分に味わいたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 楽 水山
- 住所/北海道虻田郡倶知安町字樺山119-1
客室数/全18室
料金/¥66,000~(税込) ※1室2名宿泊時の1名料金 宿泊税、入湯税別 - TEL:0136-22-0520
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- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)