500年以上にわたって愛され続けてきた名旅館が満を持してリニューアル|日本屈指の名旅館・修善寺「あさば」7つの秘密

一度訪れたら忘れることのできない体験。目で、耳で、舌で、肌で、そして心で。五感のすべてを使って、滞在中のあらゆる「とき」を味わい尽くす。

日本が誇る名旅館「あさば」は、そんな旅がかなう唯一無二の場所といえます。東京から2時間ほど車を走らせると、伊豆最古の温泉地・修善寺に到着。神社から移築された重厚な門をくぐると一転、軽やかな藍と白ののれんが、吹き抜ける風と共に出迎えてくれます。

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さかのぼること534年。浅羽弥九郎幸忠が門前に宿坊を開いたことから「あさば」の歴史は始まりました。館内に入るとまず目に飛び込んでくるのは、象徴ともいえる能舞台「月桂殿(げっけいでん)」。能や謡に親しんだ加賀大聖寺(だいしょうじ)藩主・前田利鬯(としか)子爵より寄進され、明治後期に七代目浅羽保右衛門がこちらに移築。今も現役の能舞台として使用されています。

長い歴史と伝統を受け継ぎ、共に歩みながら、少しずつ少しずつ、時代に合わせて変化する「あさば」。2023年春、客室とサロンの大リニューアルを終え、より心地よく、より快適な空間へとさらに進化しました。変わらないものと変わり続けるもの。世界中の旅人に愛される「あさば」の魅力を徹底解剖します。

【あさばの秘密:1】時代が変わっても、決して変わらないもの|もてなしの心

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今回のリニューアルでより広くなったサロン。真っ白な空間がまるで額縁のように、池越しの能舞台を切り取る。

到着すると、まず案内されるのがサロンです。今回のリニューアルで以前の倍以上の広さになりました。木製のテラスも増設され、約600坪の池にまるで浮かんでいるかのような能舞台が、周囲の自然と溶け合って身近に感じられるように。

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ウェルカム・シャンパーニュも、サロンにて。目の前の能舞台を眺めながら、風を感じ、心静かに旅のスタートを。

名作椅子「ダイヤモンドチェア」に腰かけてひと息ついた瞬間、そっと差し出されるウェルカム・シャンパーニュ。「コーヒーでも、紅茶でも、お煎茶でも。まずはサロンでゆったりと、この景色を眺めながらくつろいでいただきたくて」と、女将の浅羽魅咲(みさ)さん。

今回の改装のように広さやインテリアなどが変わったとしても、決して変わらないのは「心地よく過ごしていただきたい」というおもてなしの心。時代と共に変化するゲストのニーズを的確に汲み取り、静かに寄り添うように変化する…。そんな「あさば」のおもてなし精神こそが、多くの人の心をとらえて離さない第一の理由といえます。

【あさばの秘密:2】広々と、より快適にリニューアル!「羽衣」でお籠りステイ

2023年春の改装で、サロンと共に大きく変わったのは客室の広さです。全16室あった客室のうち、8室を4室に。さらに現代のライフスタイルに合わせ、ベッドや内風呂を備えるなど、プライベート空間の充実を図ったとか。

なかでもスイートルームともいうべき客室「羽衣(はごろも)」は、広々としたリビングに縁側とテラスが新設され、能舞台を独り占め! 縁側やテラスの新設はもちろん、和室ながらさりげなくしつらえられたデイベッドも景色を楽しむ特等席。

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朝、昼、夕、夜。刻々と変化する能舞台の美しさを独り占め。お籠りしながら堪能できる贅沢。よりプライベート感が増した「羽衣」。時代に合わせて、Wi-Fiを強化したり、ベッドの高さや布団の軽さ、コンセントの位置など、海外のゲストも心地よく過ごせるよう、細かい改良を重ねたとか。また、この日の床の間は、中村芳中(なかむらほうちゅう)の紅椿のお軸。「扇面屏風を軸にして表装したもので、ゲストが琳派好きゆえ、季節も考慮して選びました」と女将。連泊の際は、毎日ゲストに合わせてしつらえを変えている。究極のもてなしがそこにある。

「コロナ禍を経て、滞在中はお部屋にお籠りしたいというニーズが一層高まったように思います。朝、昼、夜、刻々と変化する景色や風の香り、鳥の声、滝の音…、それらを感じながら、思い思いにお部屋で過ごしていただけたらと思っています」と女将。何もしない贅沢を五感で味わう、真のラグジュアリーステイがかないます。

【あさばの秘密:3】内風呂から、ベッドルームから能舞台を望む贅沢

客室「羽衣」のさらなる進化は、ベッドルームとお風呂。リビングとは別に寝室が設けられ、縁側とテラスが備わりました。今回のリニューアルにより、ベッドが備わった部屋が増えたのも時代のニーズに沿った変化のひとつです。

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ふわりと軽い寝具や柔らかな肌触りのリネン類など、女将が使用感をチェックし、すべて特注でつくられている。あまりの寝心地のよさに、寝具一式が欲しいというリクエストもあるのだとか。最上級の寝心地を追求した特注の寝具です!

また、内風呂も圧巻! 湯船からはもちろん、テラスでビール片手に、いずれも能舞台を望む開放的な空間にため息。

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自然に囲まれた美しい能舞台を望む、広々とした内風呂。館内には野趣豊かな野天風呂もあり、気分によって行き来しても。

源泉掛け流しの修善寺の湯はさらりとなめらかで、心も体もゆっくりとほぐれていきます。ベッドにごろりと寝転びながら、お湯に浸かりながら…、ライトアップされた姿、朝の光に包まれた姿など、能舞台をこれだけ真近に拝めるのは、「羽衣」でのお籠りステイの特権といえます。

【あさばの秘密:4】これぞ、あさばの真骨頂!伊豆の旬の美味

常連客も初めて訪れたゲストも、誰もが虜になる「あさば」の料理。

「その時期にいちばんおいしい『地』のものを、奇をてらわず、丁寧に実直に料理するだけです」と料理長は笑いますが、その言葉どおり、どの料理もすべてしみじみおいしく、記憶に残るものばかり。

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幸せの朝食! しいたけをじっくりと焼いている間に、小鉢やだし巻き卵、炊きたてごはんに干物と、テンポよくできたてが運ばれてくる。写真右上の、0.01ミリに削られたおかかは、おかか、わさび、醤油の順でのせて食べるのが修善寺流。その左隣(写真中央上)の、地元産の肉厚しいたけは炭火でじっくり焼いて塩とすだちでさっぱりと! 写真中央下にある、ふるっふるで、すぐ食べないと萎んでしまうほど繊細なだし巻き卵は、できたてをぜひ。

とりわけ朝ごはんは、あさばの料理哲学がすべて詰め込まれているといっていいでしょう。ふわふわのだし巻き卵に、駿河湾産の脂がのった干物、肉厚しいたけの炭火焼、削りたてのおかかは朝食の定番。時間に合わせて炊き上げられた伊豆の桂流コシヒカリはふっくらと甘く、旬の味を閉じ込めた小鉢やお漬物と共に、箸が進みます。

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その日、いちばんおいしい旬の味を奇をてらうことなく、丁寧に調理するだけ。夜のコースより「あさば」のスペシャリテ、伊勢海老の唐揚げ。ぷりっぷりに素揚げされたレアな伊勢海老に、3時間以上かけてとった伊勢海老のだしをかけていただく。濃厚なだしは、まさに極上のブイヤベース。最後の一滴まで飲み干してしまうほど美味! 皿は天啓赤絵、箸置きは北大路魯山人。

一方、夜は夜で、伊豆ならではの海の幸を中心に、土地の美味をいただく至福のコース。魯山人(ろさんじん)や尾形乾山(おがたけんざん)の古いものから、現代作家の器まで、口福に加えて、眼福のひととき。心地よく酔いしれながら、ゆっくりと夜が更けていきます。

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夜のコースより。「あさば」の定番、甘鯛のみぞれ椀。ふっくらと蒸した甘鯛に、昆布とかつおのだしに大根おろしを加え、細かく刻んだ三つ葉とゆずを散らした優しい一品。
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この日の焼き物は、地金目の炭火焼き。たっぷりと脂ののった大きな金目鯛は、少し塩をふっただけで甘さが引き立つとか。鮮やかな赤い鱗が乾山の織部に映える。

◇せっかく訪れたなら、「あさば」オリジナルのお土産をぜひ

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「あさば温泉万頭」(8個入り¥1,620)は、前日の20時までに注文を。夜に蒸した饅頭が翌朝7時頃部屋に届く。「あさば」の焼印がキュート!
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黒豆をきなこ味のチョコレートでコーティングした「あさば黒豆チョコレート」(2箱入り¥2,160)。季節ごとに箱の絵柄が替わります。

【あさばの秘密:5】まるで美術館を訪れたかのよう!現代アートにひたる

幾度かの改装を経て、今回、広々とした真っ白い空間へと変わったサロン。到着時はもちろん、夕暮れどきやお風呂上がり、出発前など、目の前に広がる自然と、美しい能舞台を眺めながらお茶やお酒を楽しめます。

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真っ白かつミニマルな空間にこだわったというサロン。「静かで心地よく、心豊かな時間を過ごしていただきたい」との女将の想いから。この日は、ピカソの作品がアクセント。ライブラリには、美しいアートブックほか、骨董や建築、絵画などに関連する書籍がずらり。思い思いの読書を楽しむことができる。

また、サロンには、宿の常連でもある李禹煥(リーウーファン)氏ほか、宮島達男(みやじまたつお)やダミアン・ハーストなど、アート好きな「あさば」夫妻の美意識が宿る作品が随所に。サロン以外にも、ロビーや客室など、館内には現代アートやお軸、骨董品や絵画が配され、美術館のような雰囲気が漂います。

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ロビーでは李禹煥(リーウーファン)氏の作品がお出迎え!
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サロンの壁の一部には、広角ガラスが埋め込まれ、外の風景を覗くことができる。この、小さな窓のような作品は李禹煥作。ロビーの大きな作品(上の画像)と共に、李氏が各空間のために制作。
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客室の床の間にも李氏の作品「点」がお軸に。連泊中のアート好きなゲストのために「お忙しい方なので少しほっとできるよう、余白が心地よい作品を」と女将。

鑑賞時間に制限はなく、ここに滞在するからこそできる贅沢。歴史ある能舞台や建築、豊かな自然と調和する、優れたアートの数々は、ゲストに癒しをもたらし、知的好奇心を刺激してくれます。

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別の客室のベッドサイドに飾られていたのは、ダミアン・ハーストの作品。
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鮮やかな赤が目を引く、ピカソのセラミックの作品。できるだけ近くで鑑賞できるようにとセラミック製にこだわったとか。サロンや館内のアート作品は、季節やゲストに合わせて随時、入れ替えられている。
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サロンの入り口には宮島達男の作品が。
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壁にはダニエル・ビュランのイエローストライプの作品が並ぶ。
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サロンのテラスにはレギーネ・シューマンのネオンの作品。夜には明かりが灯される。

【あさばの秘密:6】1日1組限定!庭も滝も独り占め|離れ「天鼓」の絶景

能舞台を望む池のほとりに位置する客室やサロンのほかに、「あさば」には、海外のヴィラのような特別な離れ「天鼓(てんこ)」があります。220平方メートルの贅沢な広さを誇る平屋の日本家屋は、天井に吉野杉、床には名栗などを使い、伝統的な建築技術を取り入れた造り。

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2〜6名で滞在できる離れ「天鼓」。竹林を揺らす風の音、池へと流れ落ちる滝の音…。春はしだれ桜にソメイヨシノ、夏は蓮、秋は紅葉と、四季折々の自然が楽しめる。書斎も完備されているので、ひとりで数週間、仕事をしながら滞在する外国人のリピーターも多いとか。

本間には広縁があり、主寝室や内風呂、野天風呂と、どこからでも優美な竹林の庭を眺めることができます。とりわけ、ヒノキが香る、源泉掛け流しの野天風呂からの眺めは最高! 料理も「天鼓」だけのメニューが供されるとのこと、通常の客室とはひと味違う、お籠りステイを楽しめます。

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源泉掛け流しの野天風呂。
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愛嬌のある「守り狸」は譲り受けたもの。

【あさばの秘密:7】能楽、狂言、文楽… 幽玄の世界を堪能|能舞台公演

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「あさば」のシンボル、能舞台「月桂殿」は、能や謡に親しんだ加賀大聖寺最後の藩主・前田利鬯子爵が寄進したものを、明治後期、七代目浅羽保右衛門が「あさば」へと移築したもの。今も現役の能舞台として使われており、40年前から始まった「修善寺藝術紀行」では、能楽や狂言などが上演されています。

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廊下には年間演目スケジュールが。年に11回開催される「修善寺藝術紀行」。上演日の宿泊予約は、毎年1月初めに、電話でのみ受け付ける。すべての部屋が即完売する、まさにプラチナチケット。

2023年は、人間国宝の野村万作をはじめ、野村萬斎の狂言や尾上菊之助や松本幸四郎の舞踊、井上八千代の京舞など、古典芸能の第一人者による演目を、闇夜の厳かな雰囲気のなか、歴史ある能舞台で堪能できるとあって大人気。宿泊者はもちろん、自室から鑑賞。唯一無二の体験をぜひ。


『Precious』読者に1組2名様の宿泊をプレゼント! supported by OMAKASE

人気飲食店・レストランに特化してお店とお客様をつなぐサービスを展開している予約サイトOMAKASE byGMOより、今回ご紹介しているお部屋「羽衣」の、1組2名様(1泊2食付き2名1室)の宿泊をプレゼントします。

「あさば旅館」のリニューアルをいち早く会員に伝えたOMAKASE byGMOが、本企画を記念して提供。こちらのリンクよりぜひご応募ください!

応募はこちらから

●応募締め切り:2024年1月5日(金)23時59分
●宿泊対象期間:2024年2月1日~7月31日
※客室の空き状況によります(GW及び夏休み期間、その他対象外の日がございます)。
●厳正な抽選のうえ、当選者を決定します。当選発表は当選者への通知をもって代えさせていただきます。当選者へのご連絡は1月下旬を予定しています。
●対象のお部屋は「羽衣」となります。
●このプレゼント企画に関するお問い合わせにはいっさい応じられません。「あさば」旅館へのお問い合わせもご遠慮ください。

※応募の際にご記入いただきましたお名前、ご住所、ご連絡先などの個人情報は、プレゼントに必要な情報の確認のみに使用し、その他の目的で使用しません。応募データは抽選にもれた方のものも含め、抽選・告知後すみやかに削除し、6か月を超えて保有することはありません。
※この企画は現時点での予定で、予告なく終了する場合がありますのでご了承ください。

DATA

  • あさば 
  • 住所/静岡県伊豆市修善寺3450-1
  • TEL:0558-72-7000
  • 1泊2食付き2名1室の1名料金¥82,650~︎ 客室「羽衣」の場合、同¥192,650~(共にサ込)
  • ※はなれ「天鼓」はすべての年齢のお子さま可能、ほかの客室は7歳から利用が可能。

 

PHOTO :
長谷川 潤
EDIT&WRITING :
田中美保