年が明けて最初に神社やお寺にお参りすることを「初詣」と言いますね。おせち料理やテレビの正月番組に飽きたころに「さて、近所の神社へお参りするか」という人、帰省先でお参りする人、明治神宮や成田山新勝寺、伊勢神宮などの人気神社へお参りする人…さまざまでしょう。今回は効果的な「初詣の時間」について。何時に行くのがベストか、早朝や夜もお参りできるのかなど、さくっと解説していきます。

【目次】

「初詣」に効果的なのは人の少ない時間帯?
「初詣」に効果的なのは人の少ない時間帯?

「初詣」はいつ行くのがベスト?最適な「時間」 】

■「初詣」の時間に決まりはある?

初詣は、伺う時間について、特に決まりはありません。大晦日から元日夜通し参拝ができるという神社がある一方で、3が日は16時に門が閉まる、という神社もあります。よく「8時から17時ごろまでに…」と言われれますが、これはお守りや護符、お札などをいただく授与所などが開いているうちに、ということなのでしょう。御朱印をいただいたり、お祓いや祈祷をお願いしたい場合は、行きたい寺社のそれらの時間を公式サイトなどで事前に調べておくのがいいでしょう。

■「初詣」はいつまでに行くもの?

初詣とは、その年最初の参詣のことを言うので、いつまでという期限はありません。とはいえ、「新年を迎えられたことを寿ぎ、昨年の諸々に感謝する」ことが初詣の第一目的なので、年が明けてあまり長い日にちが経たないうちに行きたいものです。それを踏まえると、松の内、あるいは1月中や節分までならよい、という考え方が一般的でしょうか。

松の内とは、正月飾りのひとつ「門松」が立っている期間を言います。門松は神様の依代(よりしろ)なので、年神様が我が家に滞在しているうちにお参りするのがよい、ということですね。門松を取り払うのは、七草粥を食べる1月7日か8日が多いものの、京都や大阪は15日と地域で異なります。1月中や節分までが良いというのは、旧暦では2月初旬が正月にあたるためでしょう。神社によっては、旧正月まで正月行事を行っていることもあります。


【「初詣」に行ってはいけない時間、行くべき時間】  

思いのほか自由度が高い「初詣」――行ってはいけない時間はないのでしょうか? あるいは、ご利益が高い時間帯はないのでしょうか? 

■比較的すいている時間帯は?

正月三が日、人気寺社はどこを選んでも大行列。近所の小さな神社でさえ、お参りするのにも、おみくじ引いたりお守りを選んだりするにも行列ができている…ということはよくあることです。

一般的に、三が日で比較的すいているのは、授与所などの受け付けが始まるころのよう。8時や9時という時間帯は自宅でのんびり過ごしている人が多いからでしょう。授与所などの時間外でいいなら、ご近所の場合は、朝食前の早朝に出かけるのもおすすめです。開閉時間が決まっている門などがない神社が多く、基本的に境内には24時間立ち入り可能。早朝であれば、人気(ひとけ)が少なく空気もいっそう澄んでいて、すがすがしい新年を迎える気持ちも高まるはずです

■もっとも混む時間帯は?

一方、もっとも混雑が予想される時間は、お昼前後。日程で言えば、三が日や松の内の土曜日と日曜日。また、成人の日を含む三連休も混雑が予想されます。2024年で言うと、1月1日(月)~3日(水)、6日(土)、7日(日)、13日(土)~15日(月)となります。

■「初詣」にベストな時間帯、NGな時間帯は?

参拝時間に決まりはないというものの、「運勢的には?」と気になりますよね。

風水によると、神社への参拝は基本的に早朝から午後2時までがいいとされているようです。この時間帯は「陽の気」が強く、特に午前中は「気が生まれる時間帯」でハッピーな運気を吸収しやすいのだとか。また、鳥居は午後4時までにくぐるのがよいとされています。また、4時以降は「陰の気」が強くなり運気の吸収力も落ちてしまうので、夜のお参りは避けたほうがいいという説も。「大晦日から元日にかけてやお祭りときなど、夜通し参拝を準備している場合はその限りではない」とのことなので初詣は例外になりそうですが、気になる場合は、4時までにお参りなどを済ませ、鳥居をくぐって退散するのがよさそうです。


【「初詣」のあれこれ豆知識

■ショートカットはNG!

車を停めた駐車場から境内に向かう際に、参道や鳥居をショートカットして本殿へお参り…ということもあるかと思います。敷地のレイアウトでそのような位置関係の寺社もありますが、鳥居や参道を設置しているのであれば遠回りでもそれらを経てお参りしたいもの。神様・仏様へのお参りは正面から正式に、を心がけて。

■参道や鳥居でのマナー

参道は神様の通り道とされている中央を避けて歩きましょう。鳥居の下では脱帽して一礼、帰りも忘れずに!

■手水が使えなかったら?

手や口をすすいで身を清めるために設置されているのが手水(ちょうず)です。しかし、コロナ過が解消されても手水の使用を停止したままだったり、そもそも手水舎のない寺社もあります。そんな場合は、ハンカチなどで手をぬぐうだけでも。神様の領域に入る前に清めて…ということなので、気持ちだけでも倣いたいものですね。

■神社とお寺、両方に行ってもOK?

稀にほかの宗派にお参りするのを良しとしない団体もありますが、基本的に日本の神さま・仏さまはとっても寛大。神社・お寺のどちらに行っても、両方に行っても、何度お参りしてもよいのです。「初詣」はその年一度きりのことですが、お参り自体に回数制限はありません。

■お守りは複数持つと運気が下がる?

お守りは災難を逃れるために身に着けるもの。交通安全から学業・安産・合格・心願祈願、勝守りなど、種類もさまざまです。交通安全のお守りと心願祈願のお守りと…というように、複数持っても特に問題はないようです。また効力に期限はないとされていますが、特別な思い入れがあるお守り以外の古いものは、初詣のタイミングでお炊き上げしていただき、新しいものに替えてみては? 気持ちもよく、運気もアップしそうです。

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初詣の時間を気にするよりも大掃除が…という人もいそうですね。2023年にうまくいかないことがあっても、やり残したことがあっても、「初詣」で気持ちを切り替え、2024年スタートのきっかけにしてみてください。

この記事の執筆者
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館) :