2020年東京五輪で新しく採用された競技のうちのひとつである「スポーツクライミング」。3つの種目「リード」「ボルダリング」「スピード」の複合種目です。このうち、ロープを使わないボルダリングは、一般の人でもトライしやすいもの。すでに各所にボルダリングジムが多く存在し、近ごろはブームにもなっています。
ボルダリングは、スポーツクライミングがオリンピック競技に選ばれたことから、今後、ますます盛り上がっていくと同時に、チャレンジする人も増えていくと予想されます。これまで興味があった方は、今が始めどきかもしれません。
そこで今回は、40代女性がボルダリングを始めるときの素朴な疑問やメリット、上達のコツなどを、自身も40代でボルダリングを始めたという、新宿にあるボルダリングジム「BETA/ベータクライミングジム」のスタッフ安保文子さんに伺いました。
体力がなくてもボルダリングはできる?
ボルダリングに興味はあるけれど、40代となると、それほど体力に自信がなく、不安に思うかもしれません。
「どんなジムでも最初は簡単な『課題』から始めるので、体力がなくても大丈夫です。ボルダリングのいいところは、自分に合ったレベルの課題を自分のペースで進められるところ。体力がない方はひとつの課題を一手一手、少しずつ進めればいいですし、そのうち必要な筋肉は自然についてきます。休憩するのも、登るのも、すべて自分のペースでOK。腕力のない女性は、足の使い方が上手くなり、無駄な力を使わずに登ることを覚えられるので、長い目で見ると、腕力だけで登ってしまう人より、強くなれる可能性もあるんですよ」
ちなみにボルダリングの「課題」とは、「登るコース」のことだそう。
「ボルダリングでは、基本的にスタートからゴールまでのホールドが指定されたコースを登ります。そのコースのことを『課題』と呼んでいます。課題の難易度は、使用するホールドの形や向き、位置などにより変わってきます」
40代女性がボルダリングを始める3つのメリット
ボルダリングは、多くの方にとって気軽にトライできる新しいスポーツといえそうです。このボルダリングを40代から始めるメリットを、安保さんは次のように話します。
■1:必死に登るからリフレッシュ!達成感も十分!
「これまで経験したことがないくらい、思いきり手足を伸ばして必死になれるのが面白いです。登っているときは必死すぎて他のことが考えられなくなるので、肉体的にも精神的にもリフレッシュできます。醍醐味は、取り組んでいる課題が一手進んだときや完登したときの達成感と爽快感。大人になった今、感動するような成功体験はなかなかできないので、とても新鮮ですよ」
■2:年齢・性別関係なく、みんなと一緒に楽しめる!
「壁に向かっているときは年齢・性別関係なく楽しめるのがボルダリングの魅力。10~30代の若い世代と一緒に楽しめるのもメリットです」
■3:山登りにも役立つ!将来の元気にもいい影響
「ボルダリングをやっていれば山登りにも役立ちますし、ロープを使った『リードクライミング』に進んでいく方もいます。リードクライミングを生涯スポーツとしてとらえて、60~70代でも現役で楽しんでいる方も大勢いらっしゃいます。40代の今のうちにボルダリングを始めておけば、体を動かすことに慣れることができるので、50~60代の元気な自分像を描けるのもメリットです」
40代女性がボルダリングを始めるときに注意したいこと
早速始めたくなってきた方も多いのでは? そこで40代の女性がボルダリングを始めるとき、注意すべき点を安保さんに教えていただきました。
「いきなり頑張りすぎると怪我をしてしまうので、ストレッチなどをきちんとやって、無理はしないでください。ただ、年齢のことを気にしすぎないということも大事です。先にもお話した通り、年齢関係なく楽しめるのがいいところでもあるので、無茶しなければOKです!」
ボルダリングの上達のコツは?
ボルダリングを始めたら、ぜひ上達を目指したいもの。コツはあるのでしょうか?
「コツは、人の登りをよく見て、自分で考えて登ること。ただ、それより何より、続けることが一番大事です。また、仲間を見つけて楽しく登るということも大事ですよ。できれば週3回、定期的に3か月でも通えば必ず上達しますし、仲間も見つかるはずです。同じくらいのレベルの仲間がいれば、励みにもなりますし、一緒に『ムーブ』を考えることもできます。ムーブとは、課題を進めていくためのホールドを取る手順や体の動かし方のことです」
まずは週1~3回からでも始めてみて、仲間と一緒に楽しく登ることを心がけることが続けるポイントといえそうですね。
http://beta-climbing.com/
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利