なりたい自分は、どんな人ですか? もし周囲から尊敬され、一目置かれる存在になりたいという方は、ハイクラスの人をお手本にしてみてはいかがでしょうか。

「ハイクラスの人には、自然と周囲をファンにしてしまう力がある」と語るのは、20年にわたり首相や大臣など800人を超えるVIPをアテンドした経験を持つ、コミュニケーション・コンシェルジュの吉田正美さん。

ハイクラスの人の共通点は、専門分野に特化した豊富な知識はさることながら、自然と人の心に残る気配りができるといいます。また行動だけでなく、使う言葉によっても、人の心に大きな存在感を残すことができます。

そこで吉田さんから、ハイクラスの人がよく使う言葉やフレーズを4つ、教えていただきました。ぜひ日常に取り入れて、周囲から好感を持たれる女性を目指しましょう。

■1:「手伝えることはない?」

「手伝えることはない?」
「手伝えることはない?」

出世したり地位が確立されればされるほど、高圧的な態度を取るようになってしまう残念な人、あなたの周りにもいませんか? しかしハイクラスの人と一目置かれる方こそ、誰に対してもフラットに接し、目の前にいる人の困りごとをお手伝いすることを、習慣にしているといいます。そのときに使うフレーズが、「手伝えることはない?」です。

「ハイクラスな人の定義は、人の夢を叶える力がある人。人脈を紹介したり、情報を提供したりと、自然と人のサポートをしている人のことを指します。自身の生涯でどれだけ人に知識や知恵を与えられるか?という発想が頭にあるため、『私に何か手伝えることはない?』と口に出される方が多いですね。

特に手伝えることはなくても、言われた相手は自分を気にかけてくれることがうれしいわけです。いつも気にかけているよ、あなたが大事だよ、という目配りができる女性は、周囲からの人気度も上がります」(吉田正美さん)

まずは職場や身近な人に対し、笑顔で「手伝えることはない?」と声かけをしてみましょう。そのときに相手がわかっていない部分があれば、さりげなく教えてあげることもポイントです。例えば職場の飲み会の準備する若手社員に対して、「アレルギーの確認をしたり、ひざ掛けの用意をしたりするのも大事だよね」とアドバイスし、それから「何か私に手伝えることはない?」と聞けば、相手の気づきにもつながっていきます。

困っている人に対して、常に「私に何か手伝えることはない?」と言える人の周りには、自然とファンが増えていくでしょう。

■2:「恐れ入ります」

お礼を言うときも、謝るときも、つい「すみません」を使っていませんか?

「すみません」は、とても便利な言葉です。しかし丁寧な気持ちを相手に伝えたいときには、「恐れ入ります」や「お願いします」に変換できるといいます。

ハイクラスの人は、プロに敬意を払い、伝えることを習慣にしているとのこと。「恐れ入ります」は「あなたにはかないません」という意味になるため、ホテルやレストランで使う場合には「プロにお任せします」と言っているのと同じこと。

「ホテルマンに対して『すみません』ではなく、『恐れ入ります』と声かけをすると、『この方、慣れていらっしゃる。もっとサービスをしなくては』と思われることが多いです。もてなされたいと思うなら、先に相手を敬うことが大切。会社でも『すみません』よりも、『恐れ入ります』を使うことで、品格が上がるでしょう」(吉田さん)

ホテルや高級レストランだけでなく、カフェやカジュアルなレストランでも「すみません」はNG。「お願いします」を使うことで、ワンランク上の印象を与えることができるでしょう。

■3:「だったらこうしてみたら?」

「だったらこうしてみたら?」
「だったらこうしてみたら?」

後輩や部下からアドバイスを求められたとき、あなたはポジティブな言葉で返せていますか?

経験値が高いハイクラスの人は、「こんなことをしたい」と夢を語る相手に対し、「あなたならできるよ。だったらこうしてみたら?」と具体的にアドバイスし、後押しをしてくれるといいます。

吉田さんは「ハイクラスの人は『でも・だって・どうせ』という魔のDフレーズを絶対に言いません。代わりに『大丈夫だよ、君なら』、『だったらこうしてみたら?こんな人紹介するよ』といったプラスなワードを使います」と断言。ハイクラスの人は、相手の言葉を決して否定せず、人の夢を全力で応援してくれるのです。

もし「だったらこうしてみたら?」という言葉が出ない場合は、「今日は赤いお洋服なんですね」「ハートのネックレスなんですね」と目についたものを言葉に出すだけでも、相手は「よく見てもらっている」「大事に思われている」と、好意を持つようになるとのこと。これは職場でも、プライベートでも使えるテクニックですよね。

「誰に対しても、認める、労う、励ますことが大事です。これを習慣にすることで、自分の知らないところでも、自分の評価が上がっていきます」(吉田さん)

プラスの言葉を使うことを意識することは、相手にだけでなく、自分にもプラスの影響を与えることができるでしょう。

■4:「想像してみてください、もし●●を手に入れたらこんな未来ができます」

「ハイクラスの人は、未来を見せることが得意」と、吉田さん。過去を振り返らず、常に未来志向でチャレンジしているため、「もしこれができたら、こんな未来ができるよ」という、「Magic If (マジック・イフ)」のアドバイスで、相手のモチベーションを上げるといいます。

例えば車の営業をする女性が、お客様に大きめの車を勧めたい場合には、「こちらよりも、あちらの車の方が広いですよね。想像してみてください。4人家族で出かけた時に、空間ってとても大切ですよね」と、わくわくする未来を相手にイメージさせるのです。

デート中も「でもね」「私ってどうせ」とマイナスな発言をする女性より、例えば「こうなったらわくわくするよね」「今通っているビジネススクールを卒業したら、私の未来はこうなると思うんだけど、どう思うかな?」と未来の提案のできる女性の方が、男性は大切にしてくれるでしょう。周りにも自分にも、未来をイメージできる言葉を投げかけるようにしたいですね。

最後に吉田さんからは、「結局自分の心に余裕を持たなければ、他人のことを考えられません。自分に余裕があることで、相手にも寛大になれたり、人の成長が自分の喜びに感じられたりします。自分のご機嫌を取ることも大事にしたいですね」と、アドバイスをいただきました。

以上、ハイクラスな人がよく使う4つの言葉をご紹介しました。ハイクラスの人になると、周囲の人が自然と従ってくれるようになったり、ビジネスでもプライベートでも存在感を発揮できたりと、人生が好転していくそうです。

もちろん1日真似しただけでは、ハイクラスの人に近づくことはできません。大切なのは、習慣化することです。言葉は、人の心をつかむための大きな武器となります。周りから一目置かれる女性になるためにも、まずは言葉から変えていきましょう。

吉田正美さん
コミュニケーション・コンシェルジュ
(よしだ まさみ)20年にわたって展示会ナレーターコンパニオン、式典のMCのみならず大臣、総督など800名以上のVIPアテンドを経験。MCでは、式典、ブライダル、政経セミナーなど1000件の実績。第一印象を劇的にアップする面接指導600名以上。また各種研修にて「話す・伝える・表現する」の育成指導にあたりのべ1500件の登壇実績。好感の持てる話し方、接遇、マナーなど各種講座を現場のニーズに応じて展開。「すぐに使える」実践型の研修には定評がある
『「ぜひとも、あなたに」とお願いされる ハイクラスな人の気配りの習慣』吉田正美・著 ベストセラーズ刊
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
椎名恵麻
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