そろそろ閉経?のお年頃になったら、年に一度は「骨検診」へ

数年前に測ったきりという人も、一度も測ったことがないという人も、とにかく骨の検診を受けてみることが、自分の骨を知る始まりです。

今回は、骨粗鬆症専門外来を開設されている「藤沢駅前順リハビリ整形外科」の渡邉順哉先生に、自分の「骨」の現状を知る【骨検診】について教えていただきました。

渡邉順哉 先生
藤沢駅前順リハビリ整形外科
整形外科医・骨粗鬆症認定医。骨粗鬆症専門外来を開設し、骨粗鬆症の治療に力を入れている。春頃にクリニック名称変更の予定あり。神奈川県藤沢市のほか、今春以降に大阪に分院、2024年末に横浜院を開院予定。

骨の検診は、腰や脚の付け根の骨で測定する【DEXA(デキサ)法】一択です!

骨の検診といえば骨密度の測定が一般的です。最も精度が高いのは、腰の骨や脚の付け根の骨にX線を照射して、骨を透過できなかったX線の量から、1平方メートルあたりの骨の密度を測る、DEXA法と呼ばれる方法です。骨粗しょう症診断基準(ガイドライン)でもDEXA法が推奨されています。ちなみに、DEXA法でのX線の被爆量は一般的なレントゲンの6分の1程度といわれます。

◇これが【DEXA(デキサ)】です

骨密度測定法のDEXA法
横たわるだけでX線により骨密度を測定することができる

ほかに、手の骨にX線を照射して測定する方法や、かかとやすねの骨に超音波を当てて測定する、簡易的な方法もあります。健康診断のオプションでは簡易的な方法が採用されている場合が多数です。しかし、自己負担があるとしても、DEXA法をおすすめします。DEXA法での検査の料金は、病院やクリニックによりますが、自費で¥5000〜10000程度です。自治体によっては補助が出ている場合もあるので調べてみてもいいかもしれません。骨粗しょう症認定医のいる整形外科で検査を受けるのがおすすめです。

DEXA法では、20〜40代の女性の平均を100%とした場合、自分の骨密度がどの程度かで判定します。80%未満は危険域、70%未満は病気と診断され、骨粗しょう症の治療を開始することになります。この数値をYAM(ヤム)値と呼びます。

DEXA法と同時に、血液検査やX線写真撮影ができれば、診断の精度が上がります。血液検査では、骨から溶け出した成分から、骨を壊すスピードVS.つくるスピードを調べることができます。X線写真撮影では “いつの間にか骨折” がないか調べることができます。

渡邉先生のクリニックでは、血液検査とX線写真撮影をセットで行っています。さらに、骨密度だけでなく骨質を調べることも可能です。骨質の測定はまだ一部の病院やクリニックでしか実施されていません。骨に不安がある人は、骨密度だけではなく骨質の検査までしてみることをおすすめします。

【編集部 S&Kが検査してみました!】結果は衝撃! Kは69%で骨粗しょう症の判定!「いつの間にか骨折していた…」

骨密度測定結果
 

◇K(55歳)の結果

編集部Kは、一度も骨密度の測定をした記憶がない、検診デビュー。ホルモン補充療法(HRT)をしていることもあり自信満々で臨んだが、腰椎65%・大腿骨69%で、骨粗しょう症の判定に茫然自失! しかも、X線写真から腰の骨の圧迫骨折も判明!! 「今日から治療を始めて!」の先生の言葉に絶句…。

◇S(57歳)の結果

編集部Sは、50歳で測ったときは100%越えしていたので安心していたが、今回の検査では腰椎60%・大腿骨65%に急降下! まさに、閉経のせい。コロナ禍のステイホームによる運動不足も拍車をかけたかも…。「すぐに積極的な治療を!」と先生からアドバイスが…。

関連記事

PHOTO :
宗高聡子(静物)、GettyImages
EDIT&WRITING :
木更容子、佐藤友貴絵(Precious)