【目次】

【「端折る」とは?「読み方」「意味」「語源・由来」を解説】

■読み方

「端折る」で「はしょる」と読みます。

■意味

「端折る」には、主に次のふたつの意味があります。

1)衣服の裾を折り上げ、帯などに挟むこと
2)話や文章の一部を省き、短くすること

現在は、「詳しい説明を端折る」「話を端折る」のように、2の意味で使われるのが一般的です。

■由来

「はしょる」は、「はしおる」が音変化した言葉です。もともとは、衣服の裾を折り上げ、帯などに挟むことを意味しました。時代劇などで見られる、動きやすいように着物の裾をたくし上げた姿が、本来の「端折る」状態です。

裾の長い部分を折って短くすることから転じて、話や文章の一部を省き、短くすることも「端折る」と表現するようになりました。

■「おはしょり」とは?

着物になじみのある方なら、「端折る」という言葉を聞いて「おはしょり」との関連性を考えるかもしれません。おはしょりとは、女性が着物を着る際に、着丈に合わせて腰のあたりで折り返した部分のこと。現在の「話や文章を省略する」という意味は、衣服の裾を折って短くする動作から生じた比喩表現と捉えるとわかりやすいでしょう。


【「使い方」がわかる「例文」10選】

「端折る」は、説明や手順などの一部を省いて短くする際に使います。ややくだけた表現なので、主に気心の知れた社内の相手との会話で用いるのが適切です。

■1:「役員会では時間が限られているので、細かな経緯は端折って、結論から説明しましょう」

■2:「このプレゼン資料は情報量が多すぎるから、前半を少し端折ったほうが要点が伝わりやすいと思います」

■3:「企画の背景を端折って説明したため、先方に意図が十分伝わらなかったようです」

■4:「生成AIを導入するメリットだけでなく、情報管理上のリスクも端折らずに共有してください」

■5:「詳しい数値は資料に記載してあるので、今日の会議では説明を端折ってもよいでしょう」

■6:「海外拠点のメンバーにも伝わるよう、業界特有の前提を端折らずに説明する必要があります」

■7:「採用面接の時間が押していても、勤務条件に関する説明は端折るべきではありません」

■8:「経営陣への報告では、作業工程についての細かな説明は端折り、成果と今後の課題に焦点を絞りましょう」

■9:「プロジェクトの進捗報告を簡潔にしたつもりでしたが、大切な判断材料まで端折ってしまいました」

■10:「オンライン会議では資料を読み上げず、共有済みの部分は端折って、意見交換に時間を使いましょう」

「端折る」には、単に短くまとめるだけでなく、「途中の部分を省く」というニュアンスがあります。そのため、契約条件やリスク、判断に必要な情報など、省略すべきでない内容については、「端折らずに説明する」「端折るべきではない」のような否定表現でもよく使われます。


【ビジネスシーンで使える「類語」「言い換え」表現】

繰り返しになりますが、「端折る」はややくだけた表現。なので、社外の人や目上の人との会話、メールなどでは、状況に応じて次の言葉に置き換えるとスマートです。

■省略する

文章や説明などから、一部を省くこと。「端折る」の最も一般的な言い換えで、幅広いビジネスシーンに使えます。

【例文】

前回ご説明した内容ですので、詳細は省略いたします。

■割愛する

本来は必要なもの、あるいは惜しいと思うものを、時間や紙幅などの都合で省くことです。単に不要な部分を取り除く場合には適しません。

【例文】

時間の都合上、詳しい経緯については割愛いたします。

■簡略化する

内容や手順を整理し、より簡単な形にすること。一部を完全に省くというより、全体をわかりやすく簡単にするニュアンスがあります。

【例文】

業務効率を高めるため、申請手続きを簡略化しました。

■要約する

文章や話の重要な点を残し、短くまとめることです。

【例文】

会議の内容を要約して、関係者に共有してください。

■かいつまむ

話や説明から必要な部分だけを取り出し、簡潔に述べること。「端折る」よりも省略することへの否定的な印象が弱く、主に会話で使われます。

【例文】

これまでの経緯をかいつまんでご説明します。

■要点を絞る

重要な内容を選び、焦点を明確にする表現です。「省く」という印象を和らげられるため、プレゼンや会議にも適しています。

【例文】

時間が限られておりますので、要点を絞ってご説明します。

改まった場では「省略する」、惜しい内容を事情により省くなら「割愛する」、重要な部分を短くまとめるなら「要約する」や「要点を絞る」と、目的に合わせて使い分けましょう。


【英語で「端折る」は?】

英語で「端折る」と表現するときは、何をどのように省くのかによって単語を使い分けます。

  • omit:文章や説明から一部を省く、やや改まった表現
    ・Can I omit this item?
    (この項目は省略してもよいですか?)

  • leave out:情報や細かな部分を省く、日常的な表現
    ・I’ll leave out some of the details.
    (細かな部分は省きます)

  • skip/skip over:不要な箇所や話題を飛ばす
    ・You may skip the sections that are not relevant.
    (関係のない箇所は省いて構いません)

  • shorten:内容を削り、全体を短くする
    ・Could you shorten the explanation?
    (説明を短くしていただけますか?)

また、To make a long story short(手短に言えば)も、「話を端折る」に近い定番表現です。「端折る」をひとつの英単語にそのまま置き換えるのではなく、「一部を省く」「飛ばす」「短くまとめる」など、伝えたいニュアンスに応じて選びましょう。


【「端折る」は失礼? 使用する際の「注意点」】

「端折る」は間違った言葉ではありませんが、ややくだけた印象があります。また、使い方によっては、内容や相手を軽く扱っているように受け取られることも。社外の人や目上の人との会話、改まったメールでは、「省略する」「割愛する」「要点を絞る」などに言い換えるのが適切です。

例えば、「前回ご説明した内容ですので、今回は割愛いたします」のように、省く理由を添えると相手の理解を得やすくなります。また、「詳細は資料に記載しておりますので、お時間のあるときにご覧いただけましたら幸いです」など、省略した内容をどこで確認できるのかも伝えると親切です。

契約条件やリスク、意思決定に必要な情報を安易に端折るのは禁物。何を省き、何を伝えるべきかを見極めたうえで、相手を不安にさせないひと言を添えることが、大人にふさわしい配慮といえるでしょう。

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「端折る」は、もともと衣服の裾を折り上げ、帯などに挟むことを表した言葉です。現在は、話や文章の一部を省いて短くするという意味で広く使われています。便利な言葉ですが、やや会話的で、省かれる内容や相手を軽く扱っているように響くことも。改まったビジネスシーンでは、「省略いたします」「要点のみご説明します」「詳細は資料をご参照ください」など、目的に合わせた表現を選びたいものです。わずかな言葉選びにも相手への配慮を宿すことが、大人にふさわしいコミュニケーションにつながります。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/『日本国語大辞典』(小学館)/『角川類似新語辞典』(KADOKAWA)/『プログレッシブ和英中辞典』(小学館) :