4月26日は「よい風呂の日」です。日本人は世界でも無類のお風呂好き! 体を清潔に保つだけでなく、入浴はリラックス効果が高く、健康や美容にも効果が期待できることは、皆さんもよくご存じですよね。今回は「よい風呂の日」の解説に加え、よく似た「いい風呂の日」に関する解説や「お風呂」にまつわる雑学をご紹介します。

【目次】

よ(4)い風呂(23)の日です。
日にちはよ(4)い風呂(26)の語呂合わせで決まりました。

【4月26日は「よい風呂の日」。いつから?「由来」は?】

■「よい風呂の日」は「いつ」?「誰が」が決めた?

「よい風呂の日」は4月26日です。これは日本入浴協会が、正式名称「日本入浴協会・よい風呂の日」として日本記念日協会に申請、2022年4月、正式に認定・登録されました。比較的新しい記念日なんです。ちなみに日本入浴協会はお風呂に特化した専門団体。日本初で唯一のお風呂の検定「入浴検定」を開催しており、健康、美容、ダイエットに関する知識はもちろん、泉質や歴史、予防医学や伝統医療の知識を学び、生活に役立つ知識を取得することができます。

■「目的」は?「由来」も知りたい!

「よい風呂の日」の目的は、健康・美容効果が高い「日本人の宝の習慣」とも言える入浴の素晴らしさを意識してもらうと供に、より多くの人に楽しいお風呂時間を過ごしてもらうことです。由来はお察しの通り語呂合わせ。「よ(4)い風呂(26)」からきていますよ。覚えやすいですね!


【11月26日の「いい風呂の日」との違いは?】

実は「お風呂」にまつわる記念日としては、11月26日の「いい風呂の日」もあります。

■「いい風呂の日」は「誰が」が決めた?

「いい風呂の日」は、日本浴用剤工業会が制定した記念日です。こちらも日本記念日協会により認定・登録されています。

■「目的」は?「由来」も知りたい!

「いい風呂の日」の目的は、入浴剤の効用をPRし、広く浸透させること。11月下旬になると、お風呂でゆっくり温まって疲れを取りたいという人が増えることと、11と26で「いい風呂」と読む語呂合わせを由来としています。


【「お風呂」にまつわる「雑学」7選】

「風呂」の語源は?

「ふろ」の語源は「室 (むろ)」 から転じたものといわれ、「窟 (いわや)」 または「岩室」という意味をもっています。実は「お風呂」という言葉は、本来「蒸し風呂」を意味していました。蒸し風呂は、蒸気を浴びて身体の汚れをふやかし、こすりだしたあと、湯で流すという仕組み。そのため蒸気を逃がさない狭い部屋(室)に籠ります。その室(むろ)から派生して風呂(ふろ)の語源が生まれた…というわけなのです。そして現在のような入浴スタイルが確立されたのは、約270年前、江戸時代中期以降。こちらは「(蒸し)風呂」に対し、「湯」と呼ばれていました。「湯」とは、本来、身体にかけるもの(=行水という行為)でしたが、これが次第に全身で湯に浸かるものに変化していったのです。温湯浴の設備を示す「湯屋(ゆや)」や「湯殿(ゆどの)」という言葉を聞いたことがありますよね。この普及によって、時代を経るに従って、もともとの蒸し風呂は日常生活で見られなくなっていきました。その結果、「風呂」と「湯」は混同して用いられるようになったのです。

■「風呂」はいつからあったの?

奈良時代以前にさかのぼる、天皇が即位後に初めて行う新嘗祭(にいなめさい)である大嘗祭(だいじょうさい)で行われる廻立殿(かいりゅうでん)儀式では、温湯浴による禊(みそぎ)が行われています。これは廻立殿の湯槽に別の釜屋で沸かしたお湯を汲んで入れる取湯(とりゆ)式。当時の豪族や貴族の間では、今と似た入浴が行われ、そのための設備もつくられていたことがわかります。一方、蒸気浴の起源も古く、天武天皇が壬申の乱の際に矢瘡(やきず)を治したという伝説がある、京都八瀬の竈(かま)風呂は近世まで都名所のひとつに数えられていました。竈風呂とは、荒壁でつくった、人の入れる穴蔵のような竈の中で青松葉や青木を焚き、その灰をかき出してから、塩俵や塩水をかけて湿らせた荒筵(あらむしろ)の上に横たわって蒸気に浴するというもの。医効があるとされていました。蒸気浴は、竈をつくらずとも、天然の洞窟などでも簡単に可能でしたので、庶民の間でも古くから行われていたと考えられているそうです。

■「銭湯」はいつからあったの?

有料の入浴場がいつからあったのかについては、定かではありません。ただ、鎌倉時代末には京都・八坂神社社内に銭湯があったという記録があります。江戸と大阪では、大阪のほうが1年早く、1590 (天正18)年に銭湯ができたようです。江戸の銭湯の始まりは、徳川家康入府の翌年、1591(天正19)年に、伊勢の人、与市という者が常盤橋と呉服橋の間にあった銭瓶橋のほとりに銭湯風呂をつくり、永楽一銭で入浴させたのが最初といわれています。

■「お風呂」に浸かると身体が小さくなるってほんと?

本当です。それは水圧作用によるもの。具体的には浴槽の中で、胴回りが「3〜6cm」、胸回りは「1〜3cm」小さくなるそうですよ。

■「スーパー銭湯」を英語で言うと?

そもそも「銭湯」という設備の存在自体が、日本独特のもの。[Japanese spa and bath]あるいは[Public spa and bath]で表現できます。最近では、日本の文化に興味がある外国人の人たちの間では、「銭湯」は[Sento]で通じるそうですよ。

■「いいお湯でした」を英語で言うと?

さまざまな表現が考えられます。
・I had a nice bath!
・That was a nice hot bath.
・That was a refereshing bath.

■「お風呂」に関連する記念日はほかにもある?

ずばり「お風呂の日」があります。日付は2と6で「風呂」と読む語呂合わせから、2月6日です。「日本のお風呂文化をユネスコの世界無形文化遺産に!」と活動する「一般社団法人HOT JAPAN」が温泉や銭湯、家庭風呂など、日本独自のお風呂文化の魅力をさらに多くの人に知らせることを目的として制定し、日本記念日協会によって認定・登録されました。また、9月10日は「給湯の日」。こちらは大阪府大阪市に本社を置く関西電力株式会社が制定しました。家庭で最もエネルギーを使う「給湯」を見直し、省エネ電気給湯器の「エコキュート」を多くの人に知ってもらうのが目的だそうです。

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ヤマザキマリさんによる漫画『テルマエ・ロマエ』の続編の連載が、2024年2月から『少年ジャンプ+』(集英社)で始まりました。日本入浴協会によれば、200国近くある世界の国々のなかで、毎日のように温かいお湯が入った浴槽に浸かる習慣をもっている国は日本だけ。そのため、日本人としての生き方や文化的な側面にも、お風呂は密接に関係しているといわれています。「毎日お風呂に入る人」は「毎日お風呂に入らない人」に比べて「幸福度が高い人」が10%多いという結果も出ているそうですよ。「よいお風呂の日」には、いつもより時間をかけて、ゆったりとお風呂を堪能してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者
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参考資料:『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /日本入浴協会「よい風呂の日」https://nyuyoku-kyoukai.com/event/0426-yoi-furo-day/ /日本浴用剤工業会https://www.jbia.org/index.html /一般社団法人日本記念日協会https://www.kinenbi.gr.jp :