“TOKYO WAVES”をコンセプトとした東京・竹芝のラグジュアリーホテル「メズム東京、オートグラフ コレクション」。16Fには、芸術家のアトリエ(工房)をテーマに、絵画をモチーフにした五感をくすぐるコンセプチュアルなオリジナルミクソロジーカクテル、自家製スイーツや軽食を楽しめるバー&ラウンジ「ウィスク(Whisk)」があります。

特に、アート作品をテーマに展開するアフタヌーンティーメニュー「アフタヌーン・エキシビション」は毎回好評を博し、多くのゲストを魅了し続けています。

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「アフタヌーン・エキシビション チャプター11『睡蓮の池』」平日 ¥7,000~、土日祝 ¥8,000~(いずれも税・サービス料込み)

現在、2024年8月31日(土)までの期間限定で、「アフタヌーン・エキシビション チャプター11『睡蓮の池』」が販売されています。箱根にあるポーラ美術館とのコラボレーションで実現した本アフタヌーンティーは、ポーラ美術館の収蔵作品の中でも、特に人気の高いクロード・モネの作品『睡蓮の池』をテーマにして作られたアフタヌーンティーです。

今回Precious.jpライターが本アフタヌーンティーを実際に体験させていただきました。実食レポートを通し、その詳細をご紹介します。

メズム東京「アフタヌーン・エキシビション チャプター11『睡蓮の池』」実食レポート

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窓の外の新緑ともマッチしたアフタヌーンティー

ウィスクの大きな窓から眺めるのは、浜離宮恩賜庭園の緑。そんな窓の外の緑ともマッチしたアフタヌーンティーをいただきます。

アフタヌーンティーは、「旅の画家」とも称されるモネが過ごした地域や歴史を背景に作り上げた8種類のスイーツとセイボリー、そして『睡蓮の池』を再現したメインプレート、および2種類のペアリングモクテルで構成されています。

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ポーラ美術館特製ポストカード付

アフタヌーンティーでは、『睡蓮の池』がプリントされた、ポーラ美術館特製ポストカードを1枚いただけます。また、ポーラ美術館の協力のもと、クロード・モネの画集を借りてより没入感を高めることもできます。

実はモネは晩年、代表作『睡蓮の池』のほかにも、たくさんの「睡蓮」をモチーフにした作品を残しています。その数、実に約200点以上にも及ぶのだとか。画集にもいくつかの「睡蓮」の絵が掲載されているので、その違いを楽しむのも素敵なひとときです。ぜひ、アフタヌーンティーの前に、モネの描く絵画に親しみ、世界観に浸ってみてくださいね。

モネの軌跡をたどる8種類のスイーツとセイボリー

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サントノーレ

スイーツとセイボリーがのったプレートを左端から順にいただきます。

まず一番左端は「サントノーレ」です。1840年にパリで誕生したモネ。「サントノーレ」も、1840年頃にパリの菓子職人によって考案されたフランスの伝統菓子です。サクサクのパイシューとクリームの組み合わせは時代を超えたおいしさ。

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ピュイダムール

1845年頃、家族とともにノルマンディーへと移り住んだモネ。そんなノルマンディー産のカルヴァドス(りんごのお酒)を使ったお菓子が「ピュイダムール」です。

モネがノルマンディーで過ごした時代に、パリのオペラ=コミック座でヒットした演劇のタイトルを冠するお菓子で、日本語では「愛の井戸」や「愛の泉」と訳されています。

ウィスクではそんなピュイダムールを冷たいアイスクリームで表現。アイスクリームにはほんのりとりんごのお酒が香ります。冷たいスイーツは、暑くなってくる季節のアフタヌーンティーにはうれしいメニューですよね。キャラメリゼされたアーモンドが味わいのアクセントになっていました。

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サバラン

続くスイーツは「サバラン」。モネは1859年にパリへと戻っていますが、サバランはその頃フランスで人気を博していた伝統スイーツです。

ウィスクのサバランは、ベリー系のシロップを染み込ませた生地とクリーム、ベリーの果実を一緒にいただきます。甘さと酸味のバランスが絶妙です。見た目もとっても華やかですよね。

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スコーン

1870年、普仏戦争を避けてロンドンに滞在したモネ。アフタヌーンティーの本場、イギリスの定番スイーツと言えばスコーンです。今回のアフタヌーンティーのスコーンはベーコンが入っているため、塩気のあるセイボリーのひとつとして楽しめます。ザクザクとした食感と、甘みを抑えた生地、ベーコンの相性が抜群です。

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ビクトリアサンドケーキ

塩気のあるスコーンに続くのは、ふんわりとしたボリュームが印象的な「ビクトリアサンドケーキ」。

モネは1870年以降、たびたび渡英し、ロンドンで数多くの作品を制作、パリで発表しています。ビクトリアサンドケーキは、そんな19世紀イギリスを繁栄に導いた、ヴィクトリア女王の名を冠したイギリス生まれのケーキです。

ウィスクでは、自家製のベリージャムを挟んだビクトリアサンドケーキをいただきます。甘さを抑え、ほどよい酸味を感じられるジャムと、しっとりふわふわの生地がとても美味なひと品でした。

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フィナンシェサレ

1889年にパリ万国博覧会が開催された際、モネは日本の庭園や植物を目にしました。フィナンシェは、古くから修道院に伝わるベジタリアンのレシピをパリの菓子店が1890年にリニューアルして人気となったお菓子です。

フィナンシェサレは、お野菜をベースとした塩気のあるグリーンカラーのフィナンシェに、彩りよくドライトマトを飾ったひと品。スイーツのようで、味わいはしっかりとセイボリー。そんなユニークなお味がやみつきになりそうでした。

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ガレット

1890年、モネはフランス・ジヴェルニーに邸宅を購入し、庭の改造に着手しました。晩年の一連の『睡蓮』の絵画は、この邸宅の庭に作られた睡蓮の池を描いたものです。ガレットは、フランス・ブルターニュ地方発祥のそば粉のクレープです。

ウィスクのガレットは、チーズを使ったガレット生地に、玉ねぎやほうれん草、ベーコンなどの具材を添えて。生地のパリッとした食感や、チーズの風味、お野菜の食感がマッチしたひと品でした。

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ミルリトン

そして最後はフランス・ルーアンの家庭的なタルトレット「ミルリトン」が登場。1892~93年にかけてモネは代表作のひとつ、「ルーアン大聖堂」の連作を描いています。

ミルリトンは、アーモンドクリームをパイ生地に詰めて焼いた素朴なお菓子で、ウィスクではほんのりレモンを効かせて爽やかなお菓子に仕立て上げています。パリパリ、ザクザクとした食感が楽しく、飾られたレモンのコンフィの風味が口いっぱいに広がります。

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サングリア風アールグレイティー

一連のスイーツとセイボリーにはペアリングモクテル「サングリア風アールグレイティー」を一緒にいただきました。レモンの香りや味わいが楽しめるさっぱりとしたモクテルで、スイーツの甘みやセイボリーの塩気、素材のおいしさを引き立てます。

食べる順番にもこだわったというウィスクのアフタヌーンティー。甘いスイーツのあとに塩気のあるセイボリー、そしてまた甘いスイーツへと……計算し尽くされた味の順序へのこだわりは、流石の一言です。

メインプレートは『睡蓮の池』を再現したデザート

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『睡蓮の池』を再現したメインプレート

スイーツ、セイボリーのあとは、お待ちかね『睡蓮の池』を再現したメインプレートが登場します。日本の太鼓橋をイメージしたホワイトチョコレートと蓮の葉が飾り付けられた透明感あるデザートで、層の美しさにも注目。

透き通った水面や柳の木々を連想させる上段は柚子ゼリー、続いて抹茶と小豆のムース、やさしい甘みのチョコレートムース、一番底にはほろ苦い味わいのサブレショコラが重ねられています。

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ゼリーの上にのせられた蓮の葉

さっぱりとした柚子の味わいから、甘みのあるチョコレートまで、さまざまな食感、味わいを楽しめるメインプレート。ゼリーの上にのせられた蓮の葉や、お皿に描かれたアートのような装飾も美しく、目にも楽しめます。

また、果肉を漉して作られた透明感のある柚子のゼリーは、日本のお水ではなく、フランスの硬水を使用して作られているそう。メニューなどには書かれていない細やかなこだわりも、“メズム東京らしさ”を感じられるポイントでした。さらに、透明感はあるものの、“透明すぎない”ようにしたのも『睡蓮の池』を再現する上でのこだわりだったそうですよ。

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玉露とりんごのモクテル

メインプレートに合わせていただくのは「玉露とりんごのモクテル」。『睡蓮の池』の色鮮やかな緑色をイメージした玉露にりんごジュースとカモミールシロップを加えたスッキリとした味わいのモクテルです。

モクテルに添えられているのはセルフィーユというハーブ。絵画の茂みをイメージしてのせられているそうですよ。

アフタヌーンティーはどれもとてもおいしく、また唯一無二の美しさに感動を覚えました。ウィスクから眺める浜離宮の素晴らしい景色や、美しい自然の光もまた、素晴らしい体験の一部となりました。

2024年5月27日(月)からは、平日限定で、ヨーロッパで高い人気を誇る定番カクテル「スプリッツ」の世界に「自然」を取り入れたユニークなスパークリングワイン、「CHANDON GARDEN SPRITZ(シャンドン ガーデン スプリッツ)」のフリーフロープラン付きプラン(¥10,000/税・サービス料込み)も開始されます。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。


1874年、当時無名だったモネや、ピエール=オーギュスト・ルノワール、エドガー・ドガ、アルフレッド・シスレーなど約30名の画家がフランスのパリで初めてグループ展を開催したのが印象派の始まりと言われています。2024年は、印象派の誕生から150周年を迎える特別な年となり、フランスはもちろんのこと日本各地でも印象派にまつわる企画展やイベントが数多く開催されています。

「心をゆさぶる美術館」をビジョンに掲げて、美術館の枠を超えた新しい挑戦を続けるポーラ美術館でも、箱根の森の中で寛いだ雰囲気の中、さまざまな印象派の作品を鑑賞することができます。

メズム東京での特別なコラボレーションアフタヌーンティーを楽しんだあとは、ちょっとした小旅行として箱根の森へ足を運び、より深く美術を楽しんでみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • ポーラ美術館
  • 開館時間/9:00~17:00(入館は16:30まで)
  • TEL:0460-84-2111
  • 住所/神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285

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この記事の執筆者
フリーランスの編集者・ライター。グルメやスイーツ、ライフスタイル系の記事執筆・編集を中心として活動中。元システムエンジニア、プログラマの経験を持つ。二児の母。趣味は料理、SNS、写真を撮ること、美味しいものを食べること。麺類と辛いもの、自分のために買うご褒美スイーツが特に好き。
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EDIT :
小林麻美