地下鉄大手町駅直結、現代に合わせて進化した“塔の日本旅館”である「星のや東京」。地下2階、地上17階の空間に広がるのは、畳敷きの玄関や伝統的な和室、お茶の間ラウンジ、温泉など。随所に日本らしさを感じる旅館です。
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「星のや東京」の特徴として、日本の歳時記に合わせた室礼や、日本文化を身近に感じられる体験、日本旅館らしいおもてなしなどが挙げられます。2023年9月には、第1回「The World‘s 50 Best Hotels 2023」にて世界のホテルTOP50に選出されるなど、国内外から注目されています。
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そんな「星のや東京」では、2024年6月30日(日)までの期間、宿泊者限定・1日1組(2名)限定で、新茶や旬の果物を堪能する「Nipponキュイジーヌ 新緑アフタヌーンティー」が提供されています。
幕府を⽀えた名⾨・酒井家の上屋敷跡に建つ「星のや東京」。アフタヌーンティーでは、武士のたしなみであった茶の湯の茶事に倣い、点⼼にあたる押し寿司や、主菓⼦と⼲菓⼦にあたるミニャルディーズが味わえます。
今回Precious.jpライターが実際に「Nipponキュイジーヌ 新緑アフタヌーンティー」を試食させていただきました。実食レポートを通し、内容を詳しくご紹介します。
「Nipponキュイジーヌ 新緑アフタヌーンティー」実食レポート
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「星のや東京」2Fにある畳敷きの特等席で、最初に目にするのは縁起のよい紅白の紐が結ばれた四角い木箱。この中に「Nipponキュイジーヌ 新緑アフタヌーンティー」が収められています。
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箱を紐解けば、きらきらと上品に光る玉虫細工が施されたオリジナルの重箱に、主菓子と干菓子にあたる10種類のミニャルディーズと、4種類の点心が並びます。
茶の湯における茶事とは、日本酒と点心(または懐石)、濃茶と主菓子、薄茶と干菓子の順でもてなす茶会のこと。今回のアフタヌーンティーでも茶事の順に倣ってお菓子や点心をいただきます。アフタヌーンティーでは専属のスタッフがお茶を淹れてくれるので、特別感のある時間を過ごせますよ。
「日本酒と点心」4種類の押し寿司を堪能
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まずは点心からいただきます。点心で並ぶのは、4種類の押し寿司。ひとつひとつの見た目がとても美しく、続くお食事への期待感が高まります。
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点心と一緒にいただくのは、新茶とスパークリング日本酒のカクテルです。この時期ならではの新茶の上から泡状にした日本酒を注いで作るカクテルで、最後にほんのりとすだちを加えて爽やかさを演出しています。
ひと口目は混ぜずに日本酒のおいしさを、ふた口目以降はスワリングしてお茶と混ぜていただきます。サラッとした飲み口の日本酒は、大変飲みやすい一杯でした。お茶の風味もしっかりと感じられます。普段あまり日本酒を嗜まない方でも楽しめそうです。
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こちらは「締め鯵の押し寿司」。脂ののった肉厚の締め鯖の食感が最高です。まろやかな酸味はペアリングのお茶との相性も抜群です。
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「鯛の煎り酒漬けと梅⾁の押し寿司」は、梅の風味にごまの味わいがアクセントになっています。
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「⾞海⽼と醤油粕の押し寿司」は、ぷりぷりとした車海老の食感がたまらないひと品。醤油粕の塩気とほのかな甘みがお寿司とマッチします。
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「漬けまぐろと新茶の押し寿司」は、口の中でとろけるまぐろに舌鼓。しっかりと味がついているので、満足感もあります。ほんのりと新茶の味わいを楽しめる酢飯は、本アフタヌーンティーならではと言えそうです。
ひとつひとつの点心がどれも絶品で、「もっと食べたい!」と思ってしまうほど。アフタヌーンティーはこのあと主菓子へと続きます。
「主菓子とコーヒー」猿田彦珈琲が選定したコーヒーとともに
主菓子に合わせるのは、茶事のメイン・濃茶と同じように分け合って楽しめる、フレンチプレスで淹れたオリジナルコーヒーです。コーヒーはスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」が豆や焙煎具合をセレクト。アフタヌーンティーに合うものを特別に選んだコーヒーをいただけます。
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エチオピア産の豆を浅煎りしたものを使ったコーヒーはすっきりとした味わい。その飲みやすい口当たりはまるで紅茶のようだな、と筆者は感じました。
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主菓子は5品。「メロンのタルトレット」は、まさに初夏を感じるみずみずしいメロンをたっぷりと使ったタルトレット。メロンの爽やかな味わいに、タルトレットの甘みがよく合います。
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「無花果の⽺羹」はその名の通り、無花果を使った羊羹で、こし餡の層とお茶の層の2層からなる美しいひと品です。ぷちぷちとした無花果の食感がたまりません。つるんとした口あたりの羊羹に、果実感ある無花果が加わって、暑い時期でも食べやすいひと品に仕上げられていました。
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フランスの古典的なお菓子であるルリジューズをアレンジした「抹茶のルリジューズ」です。フランス語で“修道女”を意味するルリジューズ。黄色いバタークリームで、修道女の着るドレスのフリルを表現しているそうです。
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爽やかな夏文旦のムースと、なめらかなチョコレートを掛け合わせたひと品。チョコレートの甘みと、夏文旦の爽やかさ、果肉の酸味、ピールの苦みが一体となり、ハーモニーを奏でています。
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薄くて柔らかいサブレの上にのせられた新茶のムースです。軽くてふわっとしており、お皿に運ぶときに崩れてしまいそうになるハプニングも。繊細な抹茶の風味を楽しめるムースは、大変おいしかったです。
「干菓子と新茶」食材の甘みやうま味を引き立てるペアリング
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最後の干菓子には新茶を合わせていただきます。今年摘んだばかりの新茶で、若々しい香りとすっきりとした味わいは新茶ならでは。食材の甘みやうま味を引き立てるペアリングなのだそう。
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グリーンの彩りのお菓子が並ぶ中で、鮮やかな赤が目を惹く「さくらんぼチーズケーキ」。シュワッとしたやわらかなくちどけのチーズケーキに、さくらんぼの酸味が映えるひと品です。
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新茶で作られたロールケーキ。軽いくちどけのクリームには甘酒が使用されているそう。やわらかな新茶の生地もたまらなく美味。主菓子・干菓子すべてどれもおいしかったのですが、特に筆者はこのロールケーキが好みでした。新茶とのペアリングの相性も抜群です。
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和風の味わいがユニークな「味噌マカロン」もラインナップ。甘みのあるクリームにほんのりと味噌の風味を感じられます。マカロンコックにも味噌が使われているんですよ。
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とても濃厚な抹茶のテリーヌは、サクサクとしたビスケットや軽やかな生クリームとの相性が◎。口の中でふわっと消えてなくなるくらいやわらかなテリーヌで、後味に濃厚な新茶のうま味を楽しめます。
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最後は「小夏みかんのフィナンシェ」。爽やかな柑橘を使ったフィナンシェで、爽やかなみかんの風味が夏らしいひと品。バターのコクとしっとりとした生地の口あたりを、爽やかな果肉でまとめています。
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アフタヌーンティーの最後には、抹茶の落雁が登場。香り豊かなアマゾンカカオが使われた落雁で、お茶の風味やおいしさを余すことなく楽しむことができました。
畳敷きのスペースの障子を開ければ、青々とした緑が目に飛び込みます。都心に居ながらも緑あふれる初夏のひとときを感じられるアフタヌーンティーでした。
ひと口に「新茶」といっても、その味わいや深み、風味は異なり、またペアリングや合わせる食材によっても印象が変わります。多種多様な新茶のおいしさを楽しめるメニューは、流石の一言。茶事に倣っていただくひとときも、特別なものとなりました。
「Nipponキュイジーヌ 新緑アフタヌーンティー」は、星のや東京宿泊者限定のメニューで、3日前までに公式サイトより要予約です。非日常を感じられる“塔の日本旅館”で、ぜひ極上のくつろぎのひとときをお過ごしください。
問い合わせ先
- 星のや東京「Nipponキュイジーヌ 新緑アフタヌーンティー」
- 開始時間/13:00~14:00
- TEL:050-3134-8091(星のや総合予約)
- 住所/東京都千代⽥区⼤⼿町1-9-1
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- TEXT :
- 伊東ししゃも 編集者・ライター
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- EDIT :
- 小林麻美