「本物の家具」が持つ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する新連載。身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。第1回はハーマンミラーのイームズラウンジチェア&オットマンです。

ミッドセンチュリーの豊かなアメリカンデザインを象徴する、ラグジュアリーな名作

【ブランド】ハーマンミラー 【商品名】イームズラウンジチェア&オットマン 【写真の仕様の価格】ラウンジチェア&オットマンのセット価格:¥815,400(税込)※別々に購入の場合は、ラウンジチェア¥716,040(税込)、オットマン¥268,920(税込)【サイズ】ラウンジチェア:幅832×奥行き832×高さ813×座面高381mm/オットマン:幅660×奥行き546×高さ438mm【材質】木部:サントスパリサンダー/張り地:革/脚:アルミ磨き ※料金は張地、木部の仕様によって異なります。

イギリスのクラブソファーをモダンにアレンジ

こちらのソファー、みなさんも雑誌や映画で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか? フカフカの革張りクッションを、やわらかなカーブを描いた木部が支えるユニークな形状のデザインは、1956年に発表された後すぐにアメリカンデザインの象徴になりました。

アメリカのデザイナー・イームズ、正確には「チャールズ&レイ」のイームズ夫妻が設計したもので、チャールズは、イギリスのクラブチェアにインスピレーションを得てモダンな暮らしに合うよう設計しました。

【チャールズ&レイ・イームズの商品一覧はこちら】

成形合板(蒸気で圧着しながら薄い板を曲げている技術)で、たっぷりとしたクッションを包み込んだ姿を「使い込まれた一塁手のミットのよう」と好んで表現し、その快適性はあらゆる場所にスタイルを届け続けています。

仕様を変えて、軽やかなインテリアにも

黒革張りとダークな色合いの木部に、冷たいシルバーの質感の取り合わせですと、男性の書斎にある家具のようなイメージが強いかもしれません。ですが、下の写真の「ホワイトバージョン」は、北欧スタイルやシャビーシックなインテリアにも合わせやすい軽やかさと、名作特有の存在感があります。

写真等でイメージしているよりもコンパクトなつくり、というのが第一印象。座ると、ほどよいやわらかさのクッションが、沈み込みすぎることなく、腰と肩甲骨を優しくホールドしてくれます。小柄な私でも、無理なく首を預けることができ、肘掛も自然な角度・幅でした。ちなみに、身長180センチのPrecious.jp担当編集が座ってもしっくりとくるサイズ感。背の高さに関係なく、誰でもくつろげるような秀逸な寸法体系で構成されています。私の大好きな映画のひとつ『わたしはロランス』の印象的なシーンでも使用されています。
【写真の仕様の価格】 ラウンジチェア&オットマンのセット価格:¥868,320(税込)【サイズ】ラウンジチェア:幅832×奥行き×832×高さ813×座面高381mm/オットマン:幅660×奥行き546×高さ438mm【材質】木部:ホワイトアッシュ/張り地:革/脚:アルミ磨き(側面白塗装)

ハーマンミラー は、時代の革新をもたらし続けるブランド

Herman Miller(ハーマンミラー) は、1905年にアメリカで創業されました。「デザインとは人びとのために問題を解決するための方法」という考えの下、ジョージ・ネルソンやチャールズ&レイ・イームズという伝説的なデザイナー達と共に、のちにインダストリアルデザインのクラシックとなる製品群を世に送り出し続けているブランドです。現在では、クラシック製品と暮らしのための新しいデザインに加え、働く環境、ヘルスケア施設の環境、それらの関連するテクノロジーやサービスにおいても、革新をもたらすイノベーターとして評価されています。

「ラウンジチェア」も当時の最先端技術が叶えたデザイン

当時は革新的な技術だった「成形合板(蒸気で薄い板を圧着しながら板を曲げる製法)」で、互いに置き換え可能なクッションを包み込んでいるパーツを、アルミダイキャスト製の背もたれが支えています。

傾斜した座面が脊椎下部にかかる圧力を背もたれに分散させ、腰部もクッションで支えられています。胸部を支える背もたれの角度は、座ったままの状態で快適に身体を動かせるように設計され、チェアの脚部には回転機構が付いています。

張り地には「MCLレザー」という最高品質の天然皮革を使用。ドイツでなめしたセミアニリンの「フルグレインレザー」(革の一番外側の部分で体毛を取り除いただけの天然皮革)で、天然革本来の美しくやわらかな質感が特徴です。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM
EDIT&WRITING :
土橋陽子