「椿堂」ってなんと読む?「つばきどう」ではありません!
明日は6月の第3日曜日、『父の日』ですので、本日は「父」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。
【問題1】「乃父」ってなんと読む?
「乃父」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「他人の父。また、一般に、父」「父が子に対して自分を言う語」です。
<使用例>
「明日は彼女はご実家に帰られるそうで、乃父もさぞや楽しみにしていらっしゃるでしょうね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 乃父(だいふ) です。
「乃父(だいふ)」は、「お父さん」のフォーマルな表現のひとつです。「乃」は、二人称の人代名詞「汝(なんじ)」を意味する字で、「あなたの父」というような構成の言葉です。「ご尊父(そんぷ)」ほどかしこまらず、しかし丁寧なイメージのする言い回しですので、大人の語彙として覚えておくとよさそうですね。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「椿堂」ってなんと読む?
「椿堂」という日本語の、一般名詞としての正しい読み方をお答えください。
ヒント:一般名詞としては「父の部屋。また、父のこと」です。
<使用例>
「この掛け軸は、実家の椿堂で大切に飾られていたものを、譲り受けたのです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 椿堂(ちんどう) です。
古来、椿は「長寿の木」といわれ、歴史上「椿堂(ちんどう)」「椿庭(ちんてい)」と言えば「父」や「父の部屋」を意味するのです。対語は「萱堂(けんどう)」で、こちらは「母上。母を敬って言う語」です。その昔、主婦の居室を「北堂(ほくどう)」と言い、その庭に萱草(かんぞう)を植えたことに由来します。
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本日は『父の日』にちなんで、「父」に関連した言葉から、
・乃父(だいふ)
・椿堂(ちんどう)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱