数々の伝説に彩られ、銀座に数あるオーセンティック・バーの中でも代表的な名店のひとつとなっているスタア・バー銀座。ワールド・ベスト・バー(英国の種類業界誌によるランキング)にランクインするその名は、国内のみならず広く知られ、来日のたびに足を運ぶという海外からの常連客も少なくない。

 そんなスタア・バーの旗艦店が、3月29日にグランドオープンを迎える新名所「東京ミッドタウン日比谷」に誕生する。そのニュースを耳にして、ひと足早く駆けつけ、その扉を開いてもらった。

東京ミッドタウン日比谷の話題のスポット

スタア・バー

ひょっとして会員制? と思わせるような、高級感漂う秘密めいた入り口。しかし、気軽に迎え入れてくれるのでご安心を!
ひょっとして会員制? と思わせるような、高級感漂う秘密めいた入り口。しかし、気軽に迎え入れてくれるのでご安心を!

 個性あふれるレストランやライフ・スタイル・ショップが60店舗ラインナップされている「東京ミッドタウン日比谷」。中でも、とくに上質な店が軒を並べるのが3階のフロア。新たなる名店となるであろう「スタア・バー」は、そこにオープンする。

店内カウンター

長さ12mのカウンターは全20席。黒革の肘置きが付きカウンターで、ゆったりと寛いでグラスを重ねることができる。
長さ12mのカウンターは全20席。黒革の肘置きが付きカウンターで、ゆったりと寛いでグラスを重ねることができる。

 高級感の漂う秘密めいた扉を開けると、奥まで延びる12メートルのカウンターが目の前に現れ、圧倒される。と同時に、奥へ向かうカウンターの長さとは逆に、店の幅は3.5mと狭い。京都の町家を思わせるような、その細長いつくりが親密さを醸し出し、なんとも言えない心安らぐ空間になっている。

 長く延びたカウンターの向かい側の壁の全面に設えられたバックバーにずらりと並ぶ酒の種類が充実しているのは、いわずもがなだ。

 席に着き、「おすすめを」と一杯目をオーダーする。「では、ここ日比谷のスタア・バー限定のカクテル、パーク・ライフはいかがでしょう」とカウンターの向こうでにこやかに薦めてくれるのは、知る人ぞ知るスタア・バーのオーナー、岸 久さん。2008年にバーテンダーとして初めて、厚生労働省の「現代の名工」卓越技能賞を受賞した、まさに名バーテンダー。そのシェイクの美技を目の当たりにできるのだから、それだけで胸がわくわくする。

スタア・バー限定のカクテル

スタア・バー・ギンザでも飲むことができない、ここだけのオリジナルカクテル「パーク・ライフ」。ウォッカをベースに、グリーンティの粉末、メロンリキュール、エルダーフラワーシロップ、レモンジュースを少々。仕上げに、フランスの薬草系のリキュール、シャルトリューズをダッシュ(ひと振り)する。ウォッカベースのカクテルならではの切れと深みのある味わい、ほのかに甘く爽やかな香りがする。
スタア・バー・ギンザでも飲むことができない、ここだけのオリジナルカクテル「パーク・ライフ」。ウォッカをベースに、グリーンティの粉末、メロンリキュール、エルダーフラワーシロップ、レモンジュースを少々。仕上げに、フランスの薬草系のリキュール、シャルトリューズをダッシュ(ひと振り)する。ウォッカベースのカクテルならではの切れと深みのある味わい、ほのかに甘く爽やかな香りがする。

 目の前に出されたパーク・ライフは、グリーンが目に美しいカクテル。その色は、日比谷公園の木々の緑を思わせ、その名は、岸氏と懇意の作家・吉田修一氏の、日比谷公園を舞台にした芥川賞受賞作「パーク・ライフ」に因んでいる。

 ウォッカベースの限定カクテル、パーク・ライフを飲み干したら、2杯目からはバックバーに並べられたウイスキーから好みの銘柄を選ぶのもいい。

 ラストオーダーは24時30分で、25時閉店。食事や映画の後に、連れがいても、ひとりでも、ゆっくりとグラスを傾けられる。その時間が愉しい。日比谷の名店を馴染みにする。そんな贅沢も、またいいものだ。

右から、オーナーの岸久さん、バーテンダーの大谷みゆさん、店長の山口久仁彦さん。敷居の高さを感じがちだが、気安く話しを交わすことができるため、リラックスしてグラスを重ねることができる。
右から、オーナーの岸久さん、バーテンダーの大谷みゆさん、店長の山口久仁彦さん。敷居の高さを感じがちだが、気安く話しを交わすことができるため、リラックスしてグラスを重ねることができる。

東京ミッドタウン日比谷 3F
STAR BAR スタア・バー
TEL:03-6206-1560
営業時間:平日 17:00~25:00 L.O.24時30分
土日・祝日:16:00~25:00 L.O. 24時30分
月曜日休み

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この記事の執筆者
音楽情報誌や新聞の記事・編集を手がけるプロダクションを経てフリーに。アウトドア雑誌、週刊誌、婦人雑誌、ライフスタイル誌などの記者・インタビュアー・ライター、単行本の編集サポートなどにたずさわる。近年ではレストラン取材やエンターテイメントの情報発信の記事なども担当し、ジャンルを問わないマルチなライターを実践する。
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