華やかなエリアの一角にオープンした、本格紳士靴の名店

東京ミッドタウン日比谷の吹き抜け部分。この吹き抜けを囲むように店舗が配置されている。
東京ミッドタウン日比谷の吹き抜け部分。この吹き抜けを囲むように店舗が配置されている。

3月29日のグランドオープンを前に、多くの招待客を招いて賑やかにプレオープニングイベントを行なった「東京ミッドタウン日比谷」。道を挟んで日比谷公園があり、近隣には高級ホテルが林立し、そして日本でも有数のシアターディストリクトを擁する日比谷エリア。そうした土地の持つ雰囲気が、「東京ミッドタウン日比谷」にも色濃く反映されているように感じられる。エントランスを入ると広がる巨大な吹き抜け空間は、さながらこのエリアのホワイエのようだ。ちょうどこの日は、そこで声楽家の歌声が披露されていた。

三陽山長東京ミッドタウン日比谷店の店内。既製靴のほかにも、オーダメイドも受け付けている。
三陽山長東京ミッドタウン日比谷店の店内。既製靴のほかにも、オーダメイドも受け付けている。

 この吹き抜けを囲むように配されたショップゾーン。その2階の一角に、日本発の高級紳士靴を標榜する「三陽山長」の店舗「三陽山長 東京ミッドタウン日比谷店」がある。店内には三陽山長の紳士靴・婦人靴とともに、「サンヨー・エッセンシャルズ」のウェアや雑貨、そして「百年コート」として知られる「サンヨーコート」も扱われている。

店舗中央に設えられた円形のテーブルでポリッシュ作業を行うスタッフ。
店舗中央に設えられた円形のテーブルでポリッシュ作業を行うスタッフ。
シューケアコーナーの価格表。三陽山長以外の靴に関しても受け付けてくれるところがうれしい。
シューケアコーナーの価格表。三陽山長以外の靴に関しても受け付けてくれるところがうれしい。

 三陽山長の靴に関しては、スニーカーからグッドイヤーウェルテッド製法のドレスシューズまで幅広く展開。レディメイドのほかにオーダーメイドなども随時受注している。また、店内中央には円形のシューケアコーナーが設けられて、本格的な修理のほか、シューシャインなども随時受け付けている。三陽山長以外の靴の修理やポリッシュなども相談することができるという。

ウィメンズのシューズも展開している。メンズと同様にしっかりとしたつくりが特徴。
ウィメンズのシューズも展開している。メンズと同様にしっかりとしたつくりが特徴。

 そして、今回のショップオープンの目玉といえるのが、オープニング記念として展開される、シューズデザイナー坪内浩さんのブランド『HIROSHI TSUBOUCHI」とのコラボレーションモデル。坪内さんは自身のブランドのほか、干場義雅さんと共同でシューズブランド「WH」を展開するなど、現在の日本の靴業界でもっとも影響力あるクリエイターのひとり。いわばライバルを招いてつくられた靴は一見クラシックなフルブローグ(ウィングチップ)、しかし細部に目を凝らせば、ブローギングの穴がハート型になっているという何ともチャーミングな仕様。坪内さんの遊び心と、三陽山長のクラフツマンシップが見事にマリアージュした一足といえるだろう。最強の「勝負靴」として、いかがだろうか。

三陽山長と坪内浩さんとのコラボレーションモデル『和一郎」。このショップのコンセプトである和と、二者の融合=和をかけたネーミング。¥86,000(三陽山長 東京ミッドタウン日比谷店)
三陽山長と坪内浩さんとのコラボレーションモデル『和一郎」。このショップのコンセプトである和と、二者の融合=和をかけたネーミング。¥86,000(三陽山長 東京ミッドタウン日比谷店)
ご覧のとおり、ブローグの穴はハート型。ブラックのカーフを選べば、一見気づかれにくく、ちょっとした洒落心の表現といえるかもしれない。
ご覧のとおり、ブローグの穴はハート型。ブラックのカーフを選べば、一見気づかれにくく、ちょっとした洒落心の表現といえるかもしれない。
レース部(紐の付近)に注目。外側は通常のフルブローグの仕様、内側はアデレイド型と、一足の左右でディテールを変えている。これもまたデザイナーの遊び心の表れ。トリコロールはこの東京ミッドタウン日比谷店限定色。
レース部(紐の付近)に注目。外側は通常のフルブローグの仕様、内側はアデレイド型と、一足の左右でディテールを変えている。これもまたデザイナーの遊び心の表れ。トリコロールはこの東京ミッドタウン日比谷店限定色。
坪内浩さん。トリコロールカラーの「和一郎」に、同じくトリコロールカラーのネクタイを合わせて、華やかで上品な着こなし。爽やかな色合いの生地を使った「SUN/kakke(サンカッケー)」のスーツと靴の相性も抜群。
坪内浩さん。トリコロールカラーの「和一郎」に、同じくトリコロールカラーのネクタイを合わせて、華やかで上品な着こなし。爽やかな色合いの生地を使った「SUN/kakke(サンカッケー)」のスーツと靴の相性も抜群。

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この記事の執筆者
『エスクァイア日本版』に約15年在籍し、現在は『男の靴雑誌LAST』編集の傍ら、『MEN'S Precious』他で編集者として活動。『エスクァイア日本版』では音楽担当を長年務め、現在もポップスからクラシック音楽まで幅広く渉猟する日々を送っている。