「虹の日」は、2008年、デザイナーとして活動する山内康弘さんによって制定された記念日です。個人が発起人となった記念日は珍しいですね。日付は7月16日。人と自然、人と人、また世代と世代が、虹のように結びつくことを目指してつくられました。ということで、今回は「虹の日」の由来や目的に加え、虹にまつわる雑学をご紹介します。
【目次】
【「虹の日」とは?意味と由来など「基礎知識」】
■「虹の日」は「いつ」「誰が」決めたの?
「虹の日」は2008年にデザイナーである山内康弘が制定し、一般社団法人 記念日協会により認定・登録された記念日です。
■どうして7月16日?
7と16で「ナナイロ=七色」と読む語呂合わせと、例年では梅雨明けすることが多いこの時期には、空に虹が架かることが多いことから、7月16日を「虹の日」に制定しました。
■「虹の日」の「目的」は?
「虹の日」には、次世代のために、自然を大切に思う心を継承し、人と人の心が虹のように結びつきあえるようにという願いが込められています。虹を賛同者共通のアイコンとし、自然がつくり出す虹を純粋に楽しむのはもちろん、さまざまなアプローチを通じて協力し合いながら、人と人を繋ぐ虹を多角的なシーンでつくりあげていくことが主な目的です。
主催者である山内康弘さんは、「虹の日」公式サイトでこう述べています。
「小さな一粒一粒の滴ですが、それらが集まり、ナナイロに光り輝き出す。 それはやがて人々に感動、夢を与える大きく美しい希望の虹になります。 一人一人ではできない事でもこの虹のように皆が集まり、 次代への架け橋となる様、一緒に皆で力を合わせ、世界へと希望の虹を架けてみませんか?
この取り組みに純粋に賛同して頂ける方々の様々な応援等を、心よりお待ちしています」(原文ママ)
■「虹の日」には何をする?
「虹の日」の主宰者、山内康弘さんは、豊かな自然環境を次世代へと継承することを大切に考え、同じ思いをもつ仲間の方々と、共に知恵を出し合い自然環境保護などへのアクションを起こしたり、記念日の「キックオフ音楽イベント」などを開催。クリエイティブな活動を中心に、さまざまなプロジェクトを実施しています。
【ビジネス雑談に役立つ「虹の日」と「虹」にまつわる雑学7選】
■そもそも「虹」はどうして現れる?
虹が現れるのは、雨が降ったあとなど、空気中にたくさんの水の粒が漂っているときです。空気中に漂う水の粒に太陽の光が当たり、屈折や反射をすることで、カラフルな虹ができます。光の色は、それぞれの色で持っている波長が違い、その波長ごとに曲がりやすさも違います。例えば、赤は大きく曲がり、紫は小さく曲がります。そして、光の曲がる角度が違うと、それぞれの色がバラバラに届くため、私たちはキレイな7色の虹を見ることができるのです。
■虹を見つけるコツってあるの?
前述の通り、虹の正体は、空気中に漂う水の粒に反射した太陽の光。従って、水の粒と太陽の光がないところには、虹は現れません。つまり、虹が現れるには、「雨が降る→雨があがって空気中に水の粒が漂う→晴れて太陽の光が粒に当たる」という条件が必要なのです。雨が上がっても、空がどんよりとして日が差し込まなければ、虹は現れません。そして、虹が現れるのは、太陽とは反対の方向の空です。思い出してみてください。夕方、スコールのような激しい雨がさっと通り過ぎた後、虹を見ることが多くありませんか? 雨上がりに晴れ間が見えたら、太陽を背にして、空を見上げてみてください。きれいな虹が見られるかもしれません!
■虹の7色の順番は?
虹の色は一般的に、外側から「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の七色とされていますよ。
■世界では「虹は7色」とは限らない?
「虹」という自然現象自体は、国によって大きく変わることはありませんが、実は「虹は7色」とするのが一般的なのは、日本を含め少数派。例えば、アメリカでは6色、ドイツや中国では5色、ロシアでは4色、南アジアではなんと2色と捉えているそうです。これ程、大きな違いが生じる理由は、「色」を表す言葉の有無が、国や文化によって異なるため。中国やドイツでは、虹の色は「青・緑・黄色・橙・赤」という認識であり、南アジアのバイガ族にとっては、「赤と黒」なのです。
そもそも虹が多色に見えるのは、太陽の光が屈折率の差で何層かに分かれて見えるためです。「5色」とか「7色」と限定されているわけではなく、本来は赤から紫までの連続した色の連なりで、境界は非常に曖昧です。日本人はその中から、7つの代表的な色を認めて「7色」と呼んでいるだけなのです。
■「虹は7色」説の起源は物理学者のニュートンだった?
「万有引力の法則」など、力学の研究で有名な物理学者「ニュートン」ですが、実は光学の研究でも素晴らしい成果をあげています。ニュートンが20代前半でケンブリッジ大学に在籍していたとき、ロンドンではペストが猛威を振るっていました。故郷に疎開したニュートンは、そのころ、太陽光をプリズムに通すと赤から紫色まで、連続して変化する光の色の帯が現れる現象を観察していたといわれています。彼は、この光の帯をスペクトルと名付け、「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色に分類し、虹の色が太陽光に由来することを明らかにしたのです。イギリスではそれまで「赤・黄・緑・青・紫」の5色と捉えられることが一般的だった光の帯を、ニュートンはなぜ、7色に分類したのでしょう。理由については諸説ありますが、ひとつは、当時「7」が神聖な数字であったこと、また、可視光の色を音階に準なずら(えて)7色に決めたとする説が有名です。ニュートンが活躍していた時代のヨーロッパでは、音楽は学問のひとつであり、音楽と自然現象を結び付けることは大切なことと考えられていたのです。この結果、イギリスでは現在でも一般的に、「虹は7色」とされています。実は、日本で「虹は7色」になったのは、明治以降、学校教育を通じて普及したニュートンの7色説に基づくものといわれているのです!
■「ダブルレインボー」はなぜできる?
虹の外側にもう1本、虹が二重にかかっているのを見たことがありますか。これは「ダブルレインボー」という現象で、くっきりとした内側の虹を「主虹(しゅにじ・しゅこう)」、外側にぼんやりかかっているのを「副虹(ふくにじ・ふくこう)」と呼びます。通常、虹ができるのは、空気中の水の滴に太陽の光が当たり、屈折や反射をするため、でしたね。この際、雨粒に対して、上から入って下から出た光が、よく目にする虹(主虹)。逆に、下から入った光が雨粒の内側で2回反射して見える虹が、副虹です。副虹は2回反射しているので、色の並びが主虹とは反対で、光も弱くなっています。「ダブルレインボー」を見つけると幸運が訪れるという言い伝えもあるようですよ。
■虹の数え方を知ってる?
「虹」には定まった数え方はありませんが、細長い光の集まりに見えるため、「本」「筋(すじ)」を用いるのが一般的です。詩的に数える場合は、「橋 (きょう) 」も用います。
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激しいスコールに襲われることが増えてきた日本列島。ゲリラ豪雨などとも呼ばれる急な雨に遭遇すると、本当にうんざりしてしまいますね。でも、強い雨が止んだ後、さーっと晴れ間が見えてきたときの爽快さは格別。美しい虹の橋を探してみてはいかがでしょうか。そのときには、太陽を背にして立つことをお忘れなく!
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:/『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『デジタル大辞泉プラス』(小学館) /「虹の日」公式サイト(http://www.716nijinohi.com) 一般社団法人日本記念日協会HP(https://www.kinenbi.gr.jp) :