【目次】

【「日本最高気温の日」とは? 意味・いつなのかを解説】

■「日本最高気温の日」とは?

7月23日は、2018年に埼玉県熊谷市で当時の国内観測史上最高となる41.1℃を記録したことから、「日本最高気温の日」として紹介されることがあります。ただし、国や気象庁が制定した公式の記念日ではありません。その後、国内最高気温の記録は更新され、2026年7月22日現在の最高記録は、2025年8月5日に群馬県伊勢崎市で観測された41.8℃です。熊谷市の41.1℃は現在、全国歴代6位タイの記録となっています。

■90年以上前の元祖「日本最高気温の日」

日本の観測史上40℃を初めて超えたのは、なんと90年以上前の1933(昭和8)7月25日のこと。しかも高温で知られている北関東ではなく、山形県山形市で40.8℃を記録しました。「なぜ雪国イメージの山形で?」と疑問に思うかもしれませんね。これは台風に伴うフェーン現象に加え、盆地特有の地形など、複数の条件が重なったためとされています。

■国内最高気温の記録はどう変わった?

長らく「日本最高気温の日」といえば山形だったわけですが、2007年8月16日、岐阜県多治見市で40.9℃を観測し、74年ぶりに国内最高記録を更新しました。以降、2013年8月12日には高知県四万十市の江川崎で41.0℃、2018年7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃を観測。「日本最高気温の日」としてよく知られているのは、7月23日の熊谷の記録かもしれませんね。

ちなみに…日本の最低気温は、1902年1月25日に記録した北海道旭川市の-41℃。最低気温から最高気温まで、80℃以上の差があるのです!


日本の最高気温は何℃? 歴代最高気温ランキングと記録の変遷】

気象庁では、観測地点における観測史上1位の値を使って「歴代全国ランキング」を発表しています。最新のデータをご紹介します。2025年は記憶にも記録にも残る暑さだったことがよくわかりますね。※順位/都道府県/地点/観測値(気温)/日付

1    群馬県 伊勢崎 41.8℃ 2025年8月5日

2    静岡県 静岡* 41.4℃ 2025年8月6日

2    埼玉県 鳩山 41.4℃ 2025年8月5日

4    群馬県 桐生 41.2℃ 2025年8月5日

4    兵庫県 柏原 41.2℃ 2025年7月30日

6    静岡県   浜松*  41.1℃ 2020年8月17日

6    埼玉県   熊谷* 41.1℃ 2018年7月23日

8    群馬県 前橋* 41.0℃ 2025年8月5日

8    栃木県   佐野  41.0℃ 2024年7月29日

8    岐阜県   美濃  41.0℃ 2018年8月8日

8    岐阜県   金山  41.0℃ 2018年8月6日

8    高知県   江川崎  41.0℃ 2013年8月12日

13   静岡県   天竜 40.9℃ 2020年8月16日

13   岐阜県   多治見 40.9℃ 2007年8月16日

15   新潟県   中条  40.8℃ 2018年8月23日

15   東京都   青梅  40.8℃ 2018年7月23日

15   山形県   山形* 40.8℃ 1933年7月25日

18   山梨県   甲府*  40.7℃ 2013年8月10日

19   新潟県   寺泊 40.6℃ 2019年8月15日

19   和歌山県  かつらぎ 40.6℃ 1994年8月8日

19   京都府 福知山 40.6℃ 2025年7月30日

19 茨城県 古河 40.6℃ 2025年8月5日

注)*印は気象台等の観測地点です。無印はアメダスの観測地点です。


「猛暑日」「酷暑日」「真夏日」「熱帯夜」の違いとは?】

会話でも文章でも日常的となった暑さ関連の気象用語ですが、正しく使いこなせているでしょうか? 高温になると熱中症などのリスクが高まるため、気象庁やマスコミは注意・警戒を呼びかけるために使い分けています。

■酷暑日/40℃以上の日

日最高気温が40℃以上の日のこと。以前は「猛暑日」が最高気温を表す用語でしたが、40℃以上の気温が毎年のように観測される状況を受けて一段上の警戒を呼びかける必要が出てきたため、2026年4月に気象庁が定めた用語です。
2月27日から3月29日にかけて気象庁のホームページで呼称に関するアンケートを実施、その結果と有識者の意見を踏まえ、40℃以上の日を「酷暑日」と定めました。以前から“マスコミ用語”として使われていたので、違和感は少ないでしょう。

■猛暑日/35℃以上の日

日最高気温が35℃以上の日。地球温暖化やヒートアイランド現象に伴って35℃以上の日が増加したため、2007年に気象庁が正式に新設しました。

■真夏日/30℃以上の日

日最高気温が30℃以上の日。屋外での作業や運動時に、熱中症への注意が必要になります。暑さ指数を確認し、こまめな休憩や水分・塩分補給を心がけて。

■夏日/25℃以上の日

日最高気温が25℃以上の日。本来、25℃前後で湿度が低ければ比較的快適に過ごせるのですが、寒さが去ったとたん、あっという間に夏日以上になることが多くなっていますね。

■熱帯夜/夕方から翌朝までの最低気温が25℃以上

夜間の最低気温が25℃以上の日を指します。「熱帯地域のように暑く寝苦しい夜」という意味ですが、気象統計では最低気温が夜明け前に観測されることが多いこと、夜間が何時から何時までと定義されていないため、多くの場合、1日の最低気温が25℃以上の日を熱帯夜として扱っています。

熱帯夜は北海道で少なく、西日本と沖縄で多い傾向に。寝苦しくて睡眠不足になる人も多いと思いますが、睡眠不足は体力低下を引き起こし、注意散漫による事故を引き起こしたり、暑さへの対応力を低下させたりすることがあります。睡眠中は気温を感じにくいこともあるので、熱帯夜だと予想される日はエアコンを使うなどして、質のよい睡眠をとる工夫が必要です。


【日本で特に暑い地域はどこ? 2025年の記録とその理由】

地域区分別の気温データから、2025年の日本の暑さを振り返ってみましょう。「南にある地域ほど暑い」と思いがちですが、日本の夏の最高気温は、関東や東海などの内陸部で特に高くなることがあります。海から離れた盆地では熱がこもりやすいうえ、山を越えた風が高温になるフェーン現象や、都市部のヒートアイランド現象など、複数の要因が重なるためです。

2025年は、日本の夏の平均気温が1898年の統計開始以降で最も高くなりました。地域別に見ても、北日本、東日本、西日本では、いずれも1946年の統計開始以降、夏として最も高い平均気温を記録しています。2026年はそれを上回るという予想もあります。

■北日本

北海道と東北を指す「北日本」では、夏の平均気温平年差が+3.4℃という歴史的高温を記録。これは1946年の統計開始以来、歴代1位でもありました。冷涼なイメージの地域ですが、偏西風が北に蛇行して暖かい高気圧に覆われ続けたため高温となりました。

■東日本・西日本

記録的な酷暑となった2025年ですが、6〜8月の平均気温は東日本で+2.3℃、西日本で+1.7℃、ともに統計開始以来トップ(歴代1位)の暑さでした。2025年7月30日には、兵庫県丹波市の柏原で当時の国内最高気温となる41.2℃を観測しました。24時間の平均気温も上がっていますが、特にピーク時の暑さが非常に強い傾向にありました

■沖縄・奄美

2025年夏の沖縄・奄美の平均気温は平年並でしたが、9〜11月は平年差が+1.5℃を記録。1946年の統計開始以降で最も暑い秋でした。大きな要因としては、太平洋高気圧の勢力が例年より遅くまで残ったことが挙げられています。


【「日本最高気温の日」に知っておきたい熱中症対策と豆知識】

■熱中症を引き起こす「要因」

熱中症を引き起こす条件は、大きく「環境」「からだ」「行動」の3つに分けられます。それぞれまとめると…。

・環境の要因:気温が高い/湿度が高い/風が弱い/日差しが強い/閉め切った室内/エアコンがない(運転していない)/急に暑くなった、など。

・からだの要因:高齢者や乳幼児、肥満/持病がある/服薬している/低栄養状態/下痢やインフルエンザなどによる脱水状態/二日酔いや寝不足などによる体調不良、など。

・行動による要因:激しい筋肉運動や慣れない運動/長時間の屋外作業/水分補給できない状況/過重な労働、など。

■こんな症状があったら熱中症かも!

めまい、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛、こむら返り、頭痛、不快感、吐き気、倦怠感、虚脱感などは、熱中症が疑われる症状です。筋肉痛や足がつる症状も、熱中症の初期に現れることがあります。

さらに、意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない、けいれんがある、まっすぐ歩けない、体が熱いといった症状が見られる場合は、重症の可能性があります。直ちに救急車を呼び、到着を待つ間も体を冷やしてください。

■熱中症の「対処法」

熱中症が疑われる症状が現れたら、まずエアコンの効いた室内や風通しのよい日陰など、涼しい場所へ移動します。衣服をゆるめ、首の周りや脇の下、足の付け根などを冷やしましょう。

意識がはっきりしていて、自力で飲める場合は、経口補水液などで水分と塩分を補給します。その後も十分に休み、症状を注意深く見守ってください。処置をしても改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。

呼びかけに対する反応がおかしい、意識がない、自力で水分を飲めないといった場合は、直ちに救急車を呼びます。救急車を待つ間も、涼しい場所で体を冷やし続けてください。氷や保冷剤がなければ、冷たい飲料のペットボトルなども利用できます。

■熱中症の「予防法」

涼しい服装、帽子や日傘・日陰の利用、こまめな水分の補給、十分な睡眠など、特別なことではありません。日ごろから意識して実行すること、体調がすぐれないときは無理をしないこと、常に室内の温度と湿度を把握することも大切です。汗を多くかいたときは、適度な塩分も補いましょう。

■熱中症予防のための室温管理

環境省は、エアコンを使用する際には、室温28℃をひとつの目安として、適切な温度に保つよう呼びかけています。ただし、28℃は絶対的な基準ではありません。外気温や湿度、日当たり、建物の構造、在室者の体調などに応じて、無理のない室温に調整することが大切です。

また、「室温28℃」はエアコンの設定温度ではありません。設定温度を28℃にしても、室内が28℃になるとは限らないため、温湿度計で実際の室温を確認しましょう。室内でも暑いと感じる場合や体調に不安がある場合は、設定温度を下げるなどして、涼しい環境を保ってください。

■正しく知っておきたい「熱中症警戒アラート」

「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、予防行動を促すために発表される情報です。2020年に関東甲信地方で試行されたのち、2021年4月から全国で運用されています。

暑さ指数(WBGT)は、気温だけでなく、湿度や日射・輻射など周辺の熱環境を取り入れた指標です。全国を58に分けた府県予報区等のうち、いずれかの情報提供地点で、翌日または当日の日最高暑さ指数が33以上になると予測される場合に、前日の17時と当日の5時に熱中症警戒アラートが発表されます。

さらに、2024年からは「熱中症特別警戒アラート」の運用も始まりました。2026年度は、都道府県内の対象となるすべての情報提供地点で、翌日の日最高暑さ指数が35以上になると予測される場合に、前日の14時に発表されます。これは、広い範囲で過去に例のない危険な暑さとなり、重大な健康被害が生じるおそれがあることを知らせる情報です。

2026年度の運用期間は、4月22日から10月21日まで。環境省の熱中症予防情報サイトのほか、メール配信サービスや環境省のLINE公式アカウントでも情報を受け取れます。半年にわたり、日常的に熱中症への注意が必要なのです。

■「気候変動」について簡単に解説!

最後に、世界的に大きなトピックである「気候変動」についておさらいしましょう。「気候変動」とは、海洋の変動や火山の噴火によるエーロゾル(大気中の微粒子)の増加、太陽活動の変化といった自然要因のほか、人間活動による二酸化炭素などの温室効果ガスの増加や森林破壊などの人為的要因によって、さまざまな規模で気候が変動することです。

近年は人間の活動による温室効果ガスの増加などによって、地球全体の気温は上昇し続けています。現在、さまざまな対策が進められていますが、ある程度の気温の上昇は避けられないと予想されています。

気温の上昇によって、自然の生態系や私たちの社会に大きな影響が生じます。身近なところでは、大雨や短時間強雨が頻繁に発生したり、海面水位が上昇したり、日本付近の台風がより強い勢力になる可能性がある…などが挙げられます。温室効果ガスの排出を減らす「緩和」と、避けられない影響に備える「適応」の両方を進めることが重要です。

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「日本最高気温」は毎年更新される勢いですが、国や行政だけでなく、各々が工夫して対応することが求められています。生活環境や体調の管理はもちろん、ときには涼を求めて…というお楽しみもいかが?

東京上野の不忍池周辺では、今年も「江戸趣味納涼大会・うえの夏まつり」が開催されています(2026年は7月10日から8月11日まで)。不忍池畔の蓮見デッキに4000個の風鈴が並ぶ「りんりん回廊」は圧巻。池畔では、期間中毎日15時から21時まで「上野之縁日」も開かれていますよ。いずれも荒天時には中止となる場合があるため、お出かけ前に公式サイトで最新情報をご確認ください。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
参考資料:『デジタル大辞泉』(小学館)/気象庁( https://www.jma.go.jp/jma/index.html )/ 熱中症予防情報サイト( https://www.wbgt.env.go.jp/ )/環境省熱中症ゼロへ ( https://www.netsuzero.jp/ ) :