日本で「暑い地域」というと、沖縄を思い浮かべる人は多いのですが、実は沖縄が35度以上の猛暑日になることは珍しいのです。では「日本最高気温の日」は「いつ」「どこで」記録されているのでしょうか。

【目次】

2024年は7月に40℃を記録してしまいました…。暑い!
2024年は7月に40度を記録してしまいました…。暑い!

【2024年現在の「日本最高気温の日」は?何度?】

■2024年(6月10日)現在、いちばん暑かった日は「いつ」「どこ」で「何度」?

「日本でいちばん暑い日」が観測されたのは、2020年8月17日の静岡県浜松市と、2018年7月23日に観測された埼玉県熊谷市が、「41.1度」で同率1位です。


【最高気温「歴代全国ランキング」】

気象庁では、観測地点における観測史上1位の値を使い、「歴代全国ランキング」を作成しています。

同率1位の静岡県浜松市埼玉県熊谷市に続く3位には、岐阜県美濃市の「41.0度」(2018年8月8日観測)がランクイン。気象庁HPに記載されているトップ20までのすべてが40度越え! 人によっては体温を5度以上も上回る、すさまじい暑さとなっています。

順位    都道府県    地点    観測値    日にち
1    静岡県    浜松 *    41.1    2020年8月17日    
1    埼玉県    熊谷 *    41.1    2018年7月23日    
3    岐阜県    美濃    41.0    2018年8月8日   
3    岐阜県    金山    41.0    2018年8月6日   
3    高知県    江川崎    41.0    2013年8月12日   
6    静岡県    天竜    40.9    2020年8月16日   
6    岐阜県    多治見    40.9    2007年8月16日  
8    新潟県    中条    40.8    2018年8月23日    
8    東京都    青梅    40.8    2018年7月23日    
8    山形県    山形 *    40.8    1933年7月25日    
11    山梨県    甲府 *    40.7    2013年8月10日    
12    新潟県    寺泊    40.6    2019年8月15日    
12    和歌山県    かつらぎ    40.6    1994年8月8日    
14    群馬県    桐生    40.5    2020年8月11日    
14   群馬県    伊勢崎    40.5    2020年8月11日    
14    山梨県    勝沼    40.5    2013年8月10日    
17    新潟県    三条    40.4    2020年9月3日    
17    山形県    鼠ケ関    40.4    2019年8月15日    
17    埼玉県    越谷    40.4    2007年8月16日    
20    新潟県    高田 *    40.3    2019年8月14日    
20    愛知県    名古屋 *    40.3    2018年8月3日    
20    群馬県    館林    40.3    2007年8月16日    
20    群馬県    上里見    40.3    1998年7月4日    
20    愛知県    愛西    40.3    1994年8月5日    

注)観測所には、気象台や気象台と同様の観測装置を使う測候所、気象観測所、特別地域気象観測所(以下「気象台等」)とアメダスの2種類があります。*印の地点は気象台等です。


【「最高気温」にまつわる雑学7選】

「猛暑日、真夏日、真冬日」は何度のこと?

最高気温が35度以上の日を猛暑日、30度以上の日を真夏日、25度以上の日を夏日、0度未満の日を真冬日といいます。ここ数年では、「7月8月に真夏日なのは普通」といった感覚になりつつありますね。ちなみに、最低気温が0度未満の日を冬日といいます。

■2023年までの「最も暑い夏」はいつ?

一般財団法人日本気象協会では、熱中症にかかる方を減らし、亡くなってしまう方をゼロにすることを目指して、「熱中症ゼロへ」プロジェクトを推進しています。このプロジェクトで発表した2023年の「熱中症にまつわる3大ニュース」では、北日本を中心に記録的な暑さに見舞われた2023年は1946年の統計開始以降、「最も暑い夏」になったと伝えています。年間の猛暑日日数は、群馬県桐生市で46日と国内の歴代最多記録を更新し、埼玉県熊谷市で45日、京都府京都市で43日など、各地で過去最多を記録。また、年間の真夏日日数も、岐阜県多治見市で101日など、過去最多となった地点が多くなりました。東京でも記録的な暑さとなり、年間の猛暑日日数22日、真夏日日数90日は共に過去最多です。64日連続の真夏日(7月6日から9月7日まで)は過去最長。9月も厳しい残暑が続き、中旬から下旬にかけて、これまでで最も遅い猛暑日となった地点もありました。

記録に目を通しているだけで、うんざりしますね…。

■「沖縄の過去最高気温」は?

沖縄の新聞『琉球新報』によれば、2024年7月5日、那覇市では最高気温35度を記録し、猛暑日となりました。那覇市が猛暑日となるのは2017年7月31日以来、実に7年ぶりだそう。また、気象庁のデータでは、沖縄県(那覇市)で記録されたもっとも高い気温は、2001年8月9日の35.6度です。低っ!! さらに2023年、最高気温が最も低かった都道府県は、なんと沖縄県です! しかも、西表島で記録した35.2度が最高。「一年を通して温かいけれど、暑すぎる日がないのが沖縄」と言えるのでは?

■日本でいちばん涼しい場所は?

「いちばん涼しい」の定義を「夏の最高気温が低い」と考えた場合、いちばん涼しい場所は、静岡県の富士山です。1972年8月23日の富士山は、最高気温0.6度。1991年から2020年の間、8月の最高気温平均は9.5度ですから、かなり涼しいというか肌寒いですね。富士山に続いては、北海道の釧路地方、青森県、北海道の網走や北見、紋別地方、根室地方と、北海道の各地が続きます。

■新聞掲載の最高・最低気温と、気象庁発表の最高・最低気温が異なるのはなぜ?

気象状況によっては、1日の最高気温が夜間に観測されたり、最低気温が日中に観測されたりする場合もあります。しかし新聞では、例えば最高気温は15時まで、最低気温は9時までに観測された値を掲載するなど、各社で基準が異なり、気象庁が発表する「1日を通しての値」とは異なる場合があります。このため、新聞と気象庁発表の最高・最低気温が異なることもあるのです。

■熱帯夜って何?

「熱帯夜」の定義は、「夕方から翌日の朝までの最低気温が25度以上になる夜」です。

■よく聞く「フェーン現象」って、何?簡単に解説!

湿潤な空気が山を越えて反対側に吹き下りたときに、風下側で吹く乾燥した高温の風のことを「フェーン」と言い、 そのために付近の気温が上昇することを「フェーン現象」と呼びます。沖縄が意外に涼しいことは先に述べましたが、猛暑日となることはごくまれ(平年値では那覇での年間日数は0.2日)。その理由として、四方を海に囲まれているため、海風によって熱がたまりにくいこと、また高い山がないため、フェーン現象の影響を受けにくいこと、「ヒートアイランド現象」の影響を受けにくいことなどが挙げられています。

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2024年の6月と7月上旬は、いわゆる空梅雨といわれる気象となっています。7月7日には東北南部から九州の広範囲で35度以上の猛暑日となり、静岡市では今年全国で初めての40度を観測してしまいました…。夏休みの旅行プランはもうお決まりですか? 以前は「暑い夏には北海道へ」といった話もありましたが、それも過去の話。暑い夏こそ、避暑地気分を味わえる沖縄へGO!が正解かもしれません。

この記事の執筆者
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参考資料:気象庁「歴代全国ランキング」https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/rankall.php 気象庁「観測開始からの毎月の値」https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662 気象庁「よくある質問集」https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq3.html#:~:text=最高気温が35℃,を冬日といいます%E3%80%82 「熱中症ゼロへ」https://www.netsuzero.jp/news/20231122-13560.html#:~:text=【2023年の熱中症にまつわる振り返り】&text=また、年間の真夏日,は過去最長でした%E3%80%82 :