みなさんはこれまでの人生で何回カフェに行ったのか、覚えていますか? 仕事の打ち合わせや、友人とのおしゃべり、待ち合わせ、暇つぶし……。きっと誰しも、数えきれないくらい利用していますよね。

慣れ親しんだ場所だからこそ、心がけておきたいのが「カフェでの正しいマナー」。品格のある大人の女性を心がけるならば、カフェでそつなく華麗に振る舞いたいのはもちろん、紅茶やコーヒーの飲み方ひとつにもやはり、こだわりたいものです。

そこで今回は、日本ホスピタリティー・マナー研究所の代表・松澤萬紀さんに、カフェにまつわるさまざまなマナーをご教示いただきました。まずは、カフェで気をつけたい「人と一緒にいるときのNGマナー」から見ていきましょう。

■1:すぐ「ソファー席」に座る

座る場所選びから注意しよう!

相手を立てるべき場面で、そそくさといい席へ座ってしまうのはNG。パッと見で、見晴らしのよい席や座りやすい席は、相手に譲るのがマナーです。また、一般的にソファー席は格上の方が座る場所とされているので、2人掛けのソファと1人用の椅子がある、といったシチュエーションの場合には、迷わずお相手にソファー席をすすめましょう。

■2:「机の上でバッグ」からモノを取り出す

意外とやりがちなのが、何かをバッグから取り出す際に、机の上に置いた状態で取り出すということ。実は、これもNGマナーです。本来は飲食物を置くべき場所に、底が汚れているかもしれないものを置くのは失礼にあたるので、ひざの上などにさりげなく置いたまま、ものを取り出すようにしましょう。なお、ハンドバッグなどは一般的に、背中と背もたれの間に置くのがマナーです。

■3:携帯電話をテーブルの上に置いておく

誰かと一緒のときは要注意!

最近よくみかける光景でもありますが、談笑中に携帯電話をテーブルの上に置いておくというのもNG。会話中に着信があった場合には、相手との会話の流れを切ることにもなってしまい、相手との時間を大切にしていないと思われてしまいます。せっかくのひとときなので、会話に集中できるようマナーモードにして、バッグの中などに閉まっておきましょう。

■4:急な電話で会話の流れを切る

話に華が咲いているところで、急に「ごめんなさい、電話が来たので……」などとさっそうと席を離れてしまうのもマナー違反。できる限り会話の流れを意識して、内容がひと段落したところを見極めるのも、肝心です。どうしても対応しなければならない場合には、お詫びの言葉と共に「緊急でかけなければならないので」などと理由をはっきりと伝え、長く席を離すことのないようにしましょう。


続いては、紅茶やコーヒーをたしなむ際のNGマナーを。

■5:「音を立てて」砂糖やクリームをかき混ぜる

かき混ぜ方にも気を付けよう!

カチャカチャと音を立てながら、砂糖やクリームをかき混ぜるのは、相手に対して不快感を与えかねません。本来は、カップを利き手とは反対の手で持ち、砂糖やクリームを利き手で入れたあとに、スプーンに持ち替えて音を立てないように混ぜるのがマナーで、角砂糖の場合には、スプーンの上に置き、液体にひたすようにして溶かします。使い終わったスプーンは、自分から見てカップの裏側の受け皿の上に、そっと置きましょう。

■6:カップの取っ手に「指を入れる」

持ちやすいからといって、やりがちなのがカップの取っ手に指を入れてしまう、という飲み方。実はこれもNGマナーで、取っ手を指でそっと持つのが正しい持ち方です。カップが重いなど、どうしても持ち上げるのが難しいという場合には、人差し指を軽く穴の中に添える程度であれば、オッケー。また、日本茶を飲むときのようにカップ底に手を添えるというのも、本来は「中身がぬるい」というサインになってしまうので、NGです。

■7:勢いよく飲む

飲み物が届いた瞬間から、かきこむように一気飲みしてしまうのはNG。とりわけ夏場は、アイスコーヒーやアイスティーなどで、どうしても喉を潤したくなってしまいますが、勢いよく飲むのは、相手に「早く帰りたいのかな?」と不安を与える原因にもなりかねません。思いがけずやってしまった場合には「ごめんなさい。どうぞゆっくりお飲みください」などフォローも大切で、おかわりする場合には「まだお時間は大丈夫ですか?」など、一言添えるようにしましょう。

■8:コーヒーが届いて「すぐ」砂糖やクリームを入れる

コーヒーの香りが台無し!

コーヒーが到着した直後から、砂糖やクリームを入れてしまうのも、なるべくなら避けたほうがよいマナーのひとつ。ひと口目はブラックのままいただき、コーヒーの持つ本来の香りや味をたしなむのが、通な飲み方です。ただ、紅茶の場合には、初めから砂糖やクリームを入れるのはよしとされています。

■9:受け皿を持ったまま「コーヒー」を飲む

テーブルがやや離れている場合など、ついついコーヒーの受け皿とカップを一緒に手にして飲んでしまうときもあります。実はこれもNGマナーで、立食パーティーなどやむをえない場合をのぞくと、カップのみを手にして飲むのが正しい方法です。

ただし、紅茶の場合はOK。その由来は、コーヒーが「テーブルに座って」コース料理をいただいた後に出されていたからで、紅茶はもともと、貴族が庭園などで人々をおもてなしするために、飲んでいたところから。昔は「立食形式」の食事のときに受け皿を持って飲んでいたために、OKとなっています。また、コーヒーは飲み終えたら、相手を焦らせないためにも、自分に近い場所へそっと置いておきましょう。

松澤さんは、マナーとは「相手に対する思いやり、気遣い、心配りを表すもの」と言います。誰かと一緒にカフェに行くとき、相手を思いやれていますか? 利用する機会が多く、どうしても気がゆるみがちなのが、カフェのいいところ。身近であるがゆえに、正しいマナーを意識するきっかけも見つけづらいものですよね。そのため、まずは上記のNGマナーを、仕事やプライベートの場面で意識するところから始めてみましょう!

松澤 萬紀さん
ホスピタリティー・マナー講師
(まつざわ まき)日本ホスピタリティー・マナー研究所・代表。幼少期よりCA(客室乗務員)に憧れ、8回目の試験で念願のCAに合格。ANA(全日空)のCAとして12年間勤務する。在職中に、「社内留学制度」に合格し、西オーストラリアに留学。現地学生とともに「ホスピタリティー」を学ぶ。ANA退社後は、ホスピタリティー・マナー講師、CS(顧客満足度)向上コンサルタントとして活動。総受講者数は、2万人以上。「礼法講師」資格、「日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラー」資格も持ち、「笑顔と思いやりからはじまるマナー」を、「3つのK(行動・気づき・心)」ですぐに行動化できることを目的とした人財育成を行う。『100%好かれる1%の習慣』が11万を超える大ベストセラーとなり、台湾、韓国でも翻訳本が出版される。読売テレビ「ミヤネ屋」乃木坂46の番組である日本テレビ「NOGIBINGO!5」TBSテレビ「はなまるマーケット」などメディアでも活躍中。
『100%好かれる1%の習慣』松澤萬紀・著 ダイヤモンド社刊
『【図解】100%好かれる1%の習慣』松澤萬紀・著 ダイヤモンド社刊
『1秒で「気がきく人」がうまくいく』松澤萬紀・著 ダイヤモンド社刊
この記事の執筆者
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WRITING :
カネコシュウヘイ