【目次】
- 旧盆とは? 意味・いつなのかをわかりやすく解説
- 旧盆はいつ? 2026年の日程と「月遅れ盆」の時期
- 旧盆と新盆の違いとは? 地域によって異なる理由も解説
- 旧盆には何をする? お迎え・送り火・お供えなどの風習
- なぜ沖縄や奄美では旧暦のお盆なの? 本州との違いを解説
- 旧盆に知っておきたい豆知識|旧暦・新暦との関係や雑学
【旧盆とは? 意味・いつなのかをわかりやすく解説】
「旧盆」とは、旧暦(太陰太陽暦)の7月15日を中心に営まれるお盆(盂蘭盆会/うらぼんえ)のことです。お盆は、祖先の霊を迎えて供養する日本の代表的な年中行事で、その由来は5世紀前後に中国で成立したとされる『盂蘭盆経』で説かれた「目連救母(もくれんきゅうぼ)」の説話にあるとされています。日本には7世紀ごろまでに伝わり、祖霊信仰と結び付くことで、現在のお盆の行事として広く定着しました。
【旧盆はいつ? 2026年の日程と「月遅れ盆」の時期】
■旧盆はいつ?
日本で新暦が採用される以前の江戸時代までは、旧暦の7月13日から15日(地域によっては16日)までの3〜4日間がお盆期間でした。1872(明治5)年に新暦に移行した際、旧暦7月15日を新暦に換算すると8月中旬ごろになるため、8月13日〜16日ごろに行う風習が広がりました。これを「月遅れ盆(8月盆)」と呼びます。現在では、この月遅れ盆を「旧盆」と呼ぶことも少なくありません。
■2026年の旧盆はいつ?
全国的に多い「旧盆(8月盆・月遅れ盆)」は、2026年8月13日(木)から8月16日(日)です。この時期に合わせて、多くの企業が夏期休暇として「お盆休み」を設けます。
【旧盆と新盆の違いとは? 地域によって異なる理由も解説】
■新盆とは
人が亡くなって、四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆やその供養を指して「新盆(にいぼん・あらぼん・しんぼん)」といいます。新盆には「新盆(初盆)法要」を行い、法要後に集まった方々と会食を行うこともあります。
■地域によって異なる理由
明治政府による改暦後、お盆を新暦の日付に合わせる地域もあれば、従来のお盆の時期を約1か月遅らせて8月に行う地域もありました。これは、農作業の繁忙期や地域ごとの風習など、さまざまな事情が影響したためです。現在では、東京など一部の都市部では「7月盆」が行われる一方、全国的には8月の「旧盆(8月盆・月遅れ盆)」が広く定着し「お盆」と呼ばれています。都市部ではさまざまな地域から人が移り住んでいるため、スーパーなどでは7月と8月の両方の時期にお盆用品が並ぶこともあります。
【旧盆には何をする? お迎え・送り火・お供えなどの風習】
■一般的な「お盆」の風習
旧盆も基本的には、先祖の霊を迎え、供養し、送り出すという一般的なお盆の風習に沿って行われます。地域や宗派によって違いはありますが、代表的な準備や行事を紹介します。
1)仏壇を清める
お盆を迎える前には、仏壇の掃除を行います。仏壇内部まで拭き掃除をしたり、お位牌や仏具を柔らかな布でぬぐったりして、先祖を迎える準備を整えます。
2)お盆飾りやお供え物、盆花などの準備
仏壇や盆棚には、季節の果物や菓子、故人が好きだったものなどを供えます。また、キュウリやナスに足をつけた「精霊馬(しょうりょううま)」や「精霊牛(しょうりょううし)」を飾る風習もあります。これは、先祖の霊が早く帰ってこられるように馬を、帰りはゆっくり戻れるように牛を表したものとされています。なお、四十九日を終えて初めて迎えるお盆は「新盆(にいぼん・しんぼん)」または「初盆(はつぼん)」と呼ばれ、白い盆提灯を飾る習慣があります。
3)初日の迎え火・最終日の送り火
お盆の初日には「迎え火」を焚き、最終日には「送り火」を焚いて先祖の霊を見送ります。迎え火や送り火には、皮をむいて乾燥させた麻の茎「おがら」を使う地域もあります。近年では住宅事情などから、火を使わず提灯を飾るなど、地域や家庭の事情に合わせた形も増えています。
■盆踊りや墓参りも旧盆の風習
旧盆の時期には、墓参りをして先祖を供養するほか、地域によっては盆踊りも行われます。盆踊りは、もともと先祖の霊を慰めるための行事でしたが、現在では地域交流や夏の風物詩として親しまれています。また、僧侶が各家庭を訪れて読経する「棚経(たなぎょう)」が行われる地域もあります。
【なぜ沖縄や奄美では旧暦のお盆なの? 本州との違いを解説】
■沖縄・奄美で旧暦のお盆が続く理由
全国では8月15日前後の「月遅れ盆」が一般的な「旧盆」として定着していますが、沖縄や奄美地方では現在も旧暦の7月13日〜15日を中心にお盆を行う地域が多くあります。その背景には、沖縄独自の祖先崇拝の文化があります。沖縄では、先祖の霊を迎えて供養する「祖先祭祀(そせんさいし)」が生活のなかで大切に受け継がれてきました。また、旧暦に基づく行事が多く残っていることも、旧暦のお盆が続いている理由のひとつです。
沖縄のお盆は「沖縄盆」とも呼ばれ、先祖を迎える盆の入りを「ウンケー」、中日を「ナカビ(ナカヌヒ)」、先祖を送り出す最終日を「ウークイ」と呼び、3日間にわたって執り行われます。2026年の「沖縄盆」は、旧暦7月13日〜15日にあたる新暦8月25日〜27日までの3日間※です。
※地域によっては16日(送りの翌日)まで行事を行うところもあります
■沖縄の旧盆を代表する「エイサー」
沖縄の旧盆で特に有名なのが「エイサー」です。旧盆の最終日にあたる「ウークイ(送り日)」の夜、地域の青年たちが太鼓を打ち鳴らしながら踊り、先祖の霊を送り出します。エイサーはもともとは念仏踊りを起源とする盆踊りの一種ですが、現在では沖縄を代表する伝統芸能としても知られています。
■奄美地方にも残る旧暦のお盆文化
奄美地方でも、旧暦を基準としたお盆の風習が受け継がれています。地域によって呼び方や行事内容には違いがありますが、祖先を迎え、供養し、送り出すという考え方は共通しています。旧盆には、地域ごとの歴史や信仰、暮らしのなかで育まれてきた文化の違いが映し出されています。
【旧盆に知っておきたい豆知識|旧暦・新暦との関係や雑学】
■お盆の由来となった『盂蘭盆経』とは?
お盆の正式名称は「盂蘭盆会」といい、先祖の霊を迎えて供養する仏教行事です。その由来となっているのが、『盂蘭盆経』に説かれる「目連救母」の説話です。これは、釈迦の弟子である目連が、餓鬼道に落ちて苦しむ母を救うため、僧侶への供養を行ったところ、その功徳によって母を救うことができたという話です。この故事がもととなり、亡き人を供養する行事として日本にも広まりました。日本には7世紀ごろまでに伝わり、古くからあった祖先を敬う風習と結び付くことで、現在のお盆の形へと発展していきました。
■お盆の時期は地域によって3つある
日本のお盆は、地域によって主に「7月盆」「旧盆(月遅れ盆・8月盆)」「旧暦のお盆」の3つにわかれます。現在、全国的に最も多いのは8月13日〜16日ごろに行う「月遅れ盆」ですが、東京など一部地域では7月に行う「7月盆」が残っています。また、沖縄や奄美地方などでは、旧暦の日付に合わせた「旧暦盆」が現在も続いています。同じ「お盆」でも、地域によって時期が異なるのは、明治時代の改暦後、それぞれの土地で異なる形で受け継がれてきたためです。
■「盆提灯」には先祖を迎える意味がある
お盆の時期に飾られる盆提灯(ぼんちょうちん)は、先祖の霊が迷わず家に帰ってこられるよう、目印として灯すものとされています。特に、四十九日を終えて初めて迎える「新盆(初盆)」では、白い提灯を飾る地域や宗派があります。これは故人が初めて帰ってくる道を照らすためのものと考えられてきました。地域や宗派によって飾り方には違いがありますが、盆提灯には「故人や先祖を迎える」という意味が込められています。
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明治時代の改暦によって、お盆を迎える時期は地域によって異なるようになりました。近年では、お盆時期の交通集中を避けるために、夏休みをお盆の時期に限定しない企業も増えています。とはいえ、「旧盆」や「新盆」、そして「旧暦のお盆」に共通しているのは、先祖を迎え、供養し、家族の絆を見つめ直すという日本の伝統的な心です。「お盆には実家に帰ってお墓参り」という習慣も、できるだけ受け継いでいきたいものですね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /『日本大百科全書 ニッポニカ』(小学館) /『世界大百科事典』(平凡社) /『国史大辞典』(吉川弘文館) /『日本民俗大辞典』(吉川弘文館) /国立天文台「暦Wiki」(https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/) /沖縄観光情報WEBサイト おきなわ物語(https://www.okinawastory.jp/) :

















