あなたは今、幸せですか? そう聞かれて、心から「幸せです!」と答えられる人は、どれほどいるのでしょうか。

自分を幸せと感じるのも、不幸だと感じるのも、自分の心が決めるもの。そう思えば、「幸も不幸も自分次第」と言えます。まさにそういう考え方をもった起業家のエリカさんは、新機能レッグウェアを開発して成功を収めるなど、厳しいニューヨークのビジネス界で強くしなやかに生き抜くなかで、自分自身の幸せに気づいたといいます。

そんなエリカさんに、ニューヨークで暮らす日々のなかで、現地の素敵な女性たちから学んだ、強く美しく生きるための考え方の習慣を教えていただきました。エリカさん自身がこの考え方により、本当の幸せをつかんでいます。ぜひ以下の5つを実践してみてください。

■1:ふたつの贅沢バランスをもつ

物質的に満たされているだけではダメ
物質的に満たされているだけではダメ

幸せというと、まず思い浮かべるのは「贅沢な暮らしを送っている姿」だと答える人もいるでしょう。ですが、エリカさんがニューヨークの女性から学んだのは、贅沢には「物質的な贅沢」と「心の贅沢」の2種類があり、そのバランスがとれていることが本当に幸せにつながる、ということでした。

お金持ちがみんな満たされていて幸せかというと、そうではなかったり、お金がなくても心の幸せを得ている人はいますよね。物質的に満たされていても、「心の贅沢」が伴わなければ「充実感、幸せは得られない」とエリカさんは言います。

では、「心の贅沢」はどうやって得られるかというと、「心に響くものを探すこと」です。例えば高級レストランに行くことは「物質的な贅沢」ですが、そこで過ごした家族や友人とのひとときや、忘れられないほどおいしい料理の味わいなどは、「心の贅沢」です。心に響くことを見つける視点をもつことで、「心の贅沢」が味わえるのです。

そして大事なのは、「心の贅沢」は自分の主観や感性に基づくものだということ。美術館に行ってたくさんの絵画を見ることで「ああ満たされた、幸せなひとときを過ごした」と思う人もいれば、「退屈な時間だった」と思う人もいるように、心に響くことは人それぞれ違います。

「心の贅沢」は、自分のものさしでしかはかれないもの。世間一般から見て幸せなことがどうか、ではなく、自分の心の声を聞いてみましょう。ニューヨークの美しい人は、「物質的な贅沢」と「心の贅沢」のバランスのとり方が上手だといいます。自分だけの「贅沢」の定義を見つけてみましょう。

■2:「自分だけ」の記念日を大切にする

記念日というと、誕生日や入学、入社した日、結婚、出産した日などの「人生の記念日」を挙げる人が多いのではないでしょうか? エリカさんは、そういった人生の記念日に加えて、「自分だけの記念日」を新しく設け、大事にしていくことを提案しています。

自分だけの記念日とは、夢のために何かを決意した日や、何かをやり始めた日。エリカさんのニューヨークの友人は、カメラマンになるという夢を持ち、自分に誓いを立てた日を記念日として、ティファニーのキーホルダーに日付を彫り、自分へのプレゼントとしていたそうです。

「自分だけの記念日を大切にすることは、自分の歴史を大切にするのと同じこと」とエリカさんは語ります。起業した人であれば自分の会社を設立した日、フリーランスの人であれば独立した日、そして趣味を始めた日など、自分だけのオリジナルな記念日を設定してみましょう。手帳に書き込んで、その日を忘れないようにするのもいいですね。

人生の記念日は、自分の心の中の節目。自分だけの記念日を大切にすることは、より人生を輝かせるスパイスといえるかもしれません。

■3:転んでもすぐに起きる「起き上がりこぼし」になる

起き上がるたびに成長できます
起き上がるたびに成長できます

誰の人生にも、失敗や挫折はつきものです。まったく失敗したことのない人なんていないでしょう。そこで大事なのが、「起き上がりこぼし」精神だとエリカさんは言います。

ニューヨークの人々は、転んでもすぐに起き上がり前進する、そんな強さとたくましさにあふれているそうです。そして、たとえ起き上がれなくても、ニューヨークという街では誰も手を差し伸べてはくれない、という面もあるそう。なぜなら、「どう生きるかはその人自身が決めること」と、ニューヨークの人々はわかっているから。助け起こさないのは、冷たいからというわけではなく、自分の力で立ち上がってほしいから。

人は転んで、起き上がるたびに成長し、より強くなります。転んでも起き上がり続ける「起き上がりこぼし」になって、生きる強さや逆境を乗り越えるたくましさを身につけましょう。助けを待っているのではなく、自分で起き上がることが、強く美しい人になるための一歩です。

■4:人生を輝かせてくれる「メンター」を持つ

メンターとは、良き助言者、指導者という意味の言葉です。最も身近なメンターは、親でしょう。産まれたころからそばにいて、言葉はもちろん、社会のルールや人生を歩むための大切なことを教えてくれて、困難にぶつかればときに手助けしてくれる大切な存在です。学校で出会った友人や恩師、会社でお世話になった先輩や上司がメンターとなることも多いでしょう。

また実際には会ったことがない人でも、メンターになりえます。その人の生き方を知ることで、学び、成長につながるような存在、たとえば偉人などです。エリカさんは、大切なメンターのひとりとして、ハリウッド女優のグウィネス・パルトロウさんを挙げています。彼女と会ったことはなくとも、彼女のビジネスや強く美しく生きる姿勢から、たくさんの学びをもらっているといいます。メンターの存在は、学びや自己成長をもたらしてくれるのです。

ですが、もっと大事なのは、グウィネスさんがインタビューで語ったという「メンターは自分自身。人生の舵取りをするのは自分である」ということ。人の意見を聞いたり取り入れるのは、あくまで自分自身の評価や判断によるもの。自分の人生の指針は、きちんと自分で見定めていないといけません。

素晴らしいメンターたちに恵まれたとしても、究極のメンターは自分自身。内なる声に耳を傾け、自分を信じて突き進むことが、人生のゴール=幸せではなく、その人生の過程すべてが幸せであるための生き方です。

■5:自尊心を磨く

自分を信じることが重要
自分を信じることが重要

失敗が怖くて一歩が踏み出せない経験、誰にでもあると思います。失敗を恐れるのは、周囲の評価を気にするから。ですが、「失敗は過程であり、この世の終わりではありません。失敗は経験と学びという財産であり、ポジティブなこと」とエリカさんは言います。

人生において、「選択し決断すること」と「一歩前に出ること」は、間違えたら失敗を伴うために勇気がいることです。そこで大切になってくるのが「自尊心」だといいます。自尊心とは、自分を信じる心。ニューヨークの美しい人に共通していることは、「自尊心が高い」ことだそうです。

自尊心とはどういうことか、エリカさんがまとめた言葉をご紹介します。

・自分を大切にする
・自分と同じくらい、相手を大切にする
・自分がどこから来た誰なのかを知っている
・自分の言動や行動に自信を持っている
・自分は自分の最大の理解者である
・自分とは異なる他人の意見に落ち込まない
・周りの視線や中傷などに揺らがない
・誰がどう思おうと、何を言おうと、気にしない
・天狗になることなく、非常に謙虚である

いつも周囲の評価が気になってしまい、自分ではない他人の意見に凹んだり傷ついたりしがちな人は、今挙げたことを心に留め、自尊心を磨くことから始めましょう。そうすることで、肩の力が抜け、自分だけの人生を自分らしく楽しく生きることができるようになります。

以上、本当の幸せを手に入れるための思考習慣をご紹介しました。自分の人生に自信を持ち、「自分は幸せだ」と心から感じられるようになったら、素敵ですよね。そのためにも、今回ご紹介した強く美しいニューヨークの女性の考え方の一部を、取り入れてみてくださいね。

エリカさん
起業家
(えりか)日系、外資系企業にてビジネスの土台を築き、ボストンに留学。2003年にニューヨークに渡り、2010年に現地にて起業。ファッションと経営の仕事に携わる。日米にて意匠権を3つ取得し新機能レッグウェアを開発、グローバル展開を果たす。『ニューヨークの女性の「自分を信じて輝く」方法』、『ニューヨークの美しい人をつくる「時間の使い方」』(大和書房)など、著書多数。
『ニューヨークの女性の「強く美しく」生きる方法』エリカ・著 大和書房刊
この記事の執筆者
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WRITING :
Mami Azuma
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