「生熟れ」ってなんと読む?「なまうれ」ではありませんよ!
明日、10月9日は『熟成肉の日』です。109(じゅく)せい、の語呂合わせです。温度や湿度、風などを厳しく管理して美味しく熟成させる熟成肉、ここ数年、グルマンの話題にのぼっておりますが、皆さまはもう楽しまれましたか? 本日は「熟」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「生熟れ」ってなんと読む?
「生熟れ」という日本語の正しい詠み方をお答えください。
ヒント:「まだその道に熟達していないこと。また、そのような人」「果物などの、まだ充分に熟していないもの」などを意味する言葉です。
<使用例>
「剣道を始めて十年になりますが、まだまだ私などは生熟れです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 生熟れ(なまな-れ) です。
「熟」の表外読み(常用漢字表に掲載されていない詠み方)に「熟(な)れる」がございます。「う-れる」とも読む字ですが、「う-れる」と読む場合には「果物などが食べごろになる」ことを言いますね。「熟(な)れる」は「熟(う)れる」と同じ意味のほか「熟し、発酵するなどして味がよくなる」「腐敗する」などの意味ももち、後者のほう「熟度」が進んだ状態です。そして、今回の問題にした「生熟れ」は「その道に熟達していない」という意味ももつ言葉なので、より深い熟度を表す「熟(な)れる」のほうの詠み方を使います。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「腹熟し」って何と読む?
「腹熟し」という日本語の正しい詠み方をお答えください。
ヒント:「食後に軽く運動などをして消化を助けること」という意味です。
<使用例>
「腹熟しに散策でもしましょうか?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 腹熟し(はらごな-し) です。
「熟(こな)す」の意味は「消化する」「技術などを習得して自由に使う」「細かく砕く」などです。「腹熟し」は「消化する」という意味で「熟す」が使われているというわけですね。
「熟す」という表記には「じゅく-す」「こな-す」と2通りの詠み方が、「熟れる」という表記には、「う-れる」「な-れる」「こな-れる」と3通りの詠み方がありますので、文脈に沿って読み分けられるようにしましょう。
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本日は、10月9日『熟成肉の日』にちなんで、「熟」という字の入った日本語から、
・生熟れ(なまな-れ)
・腹熟し(はらごな-し)
の詠み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/日本気象協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱