近年、飲む点滴として甘酒がブーム! 情報番組で甘酒の健康効果が特集されたり、甘酒レシピが多数出版されたりして、甘酒市場も拡大しています。

スーパーやコンビニでは、お正月やひな祭りのときだけでなく、通年で楽しめる商品が続々と登場。ただ、中にはどれを選べばいいのかわからなかったり、独特の風味に苦手意識を感じたりしている人もいます。

商品のラインナップが豊富な今、飲まず嫌いのままでいるのはもったいない! 本当に自分に合ったものを見つけたり、飲み方をちょっと工夫したりすれば、甘酒に対する見方やイメージがガラッと変わります。

今回、麹料理研究家の小紺有花さんから、最高においしい甘酒を飲むための条件、および甘酒がよりおいしくなるアレンジ方法を教えていただきました。ぜひ甘酒を買うとき、飲むときの参考にしてみてください。

■最高においしい甘酒を飲むための「2つ」の条件

最高においしい甘酒の条件

甘酒の選び方がわからなかったり、甘酒を飲まず嫌いだったりする人は、まずは次の2点を押さえておきましょう。

(1)原料が「米・米麹だけ」のものを選ぶ

甘酒は大きく分けると、米麹製と酒粕製の2種類に分かれます。このうち、近年の甘酒ブームで勢いづいているのは米麹製。米麹製の甘酒は、カロリーオフで甘いものを摂りたい人たちに人気です。米麹製の甘酒でおいしいものを見極めるには、ラベルで原料をチェックしましょう。

「原料は米・米麹のみのものを選びましょう。甘みを引き立てるための塩は許容範囲ですが、砂糖やブドウ糖などの甘味料が加えられていないものが望ましいです。砂糖、ブドウ糖といった精製された糖分は、甘みがくどく、べたつくような感じがしますし、また代謝するのに体内のビタミンやミネラルが使用されるので、体に負担もかかります。

他方、米・米麹のみでつくられた甘酒は、おだやかで自然な甘みで後味スッキリ。また、米麹そのものにビタミンやミネラルが豊富に含まれているので、代謝がよいというメリットもあります。味の面でも栄養の面でも、原材料はなるべくシンプルなものをおすすめします」(小紺さん)

後味スッキリの甘酒なら、苦手意識もなくなりそうですね!

(2)利き甘酒で自分に合ったものを選ぶ

ただ、米・米麹のみの甘酒と、よりシンプルに米麹のみの甘酒では、後者のほうがおいしいのかと言うと、そうとも言い切れないそうです。

「米麹の配分が大きいと、コクやうまみは増しますが、そのぶんコストはかかります。また、仕込み方によってはクセも出ますので、一概に“米麹のみ”のほうがおいしいとはいえません。“米・米麹のみ”がよいか、“米麹のみ”がよいかは、お好みの問題でしょう。

また、米の品種によっても、甘酒の風味は千差万別。たとえば、コシヒカリをベースとした甘酒はクセがなく、もち米ベースのものなら甘みが強め。また、酒造メーカーが酒米(日本酒醸造に適した米)を用いて造ったものは、すっきりとしたキレがあります。いろいろな甘酒を飲み比べる“利き甘酒”をしてみて、自分好みのものを探すのはとても楽しいですよ」(小紺さん)

甘味料などが添加されたものしか飲んだことがなく、「甘酒なんておいしくない」と思い込んでいる人も少なくないようです。ラベルで原料をチェックしながら、複数の商品を飲み比べて、「甘酒ってこんなにおいしかったの!?」と感動するものを見つけましょう!

■いつもの甘酒がよりおいしくなる「5つ」の飲み方

ただ、どんなに体によくても、甘酒ばかりを飲み続けたりしたら、飽きてしまいますよね。そこで、甘酒好きな人にはもちろんのこと、苦手な人にもぜひチャレンジしてほしい、甘酒をおいしく飲めるアレンジ方法をご紹介します。

(1)牛乳や豆乳で割る

豆乳甘酒

もっとも手軽なアレンジ方法のひとつが、これ。牛乳や豆乳にまろやかな甘みがプラスされ、かつ、甘酒の風味が苦手な人でも飲みやすくなります。

(2)スムージーに加える

スムージー甘酒

野菜やフルーツはビタミンAやビタミンCが豊富。他方、甘酒にはビタミンB群が含まれるので、スムージーと合わせると栄養バランスがとてもよくなります。バナナスムージーなど甘いもの同士では個性が引き立たないため、「苦いグリーンスムージーや酸っぱいベリー系スムージーとの相性がよい」とのことです。

(3)凍らせて「甘酒アイス」にする

そのまま飲んでちょうどよい濃さに薄めてあるストレートタイプの甘酒は、冷凍するとカチカチになってしまいますが、ドロッとしたおかゆ状の原液(濃縮)タイプのものは、凍らせるとアイスクリーム状になります。冷凍する前に抹茶やココアを加えると、抹茶アイスやチョコアイスに!

(4)レモン汁を加える

レモン甘酒

甘酒はレモンとの相性も抜群。原液タイプの甘酒にレモン汁を加えると、驚くことにチーズケーキのような味わいに! さらにそれをお好みの濃さに水で薄めて甘酒レモネードにすると、さわやかな風味で飲みやすくなります。

(5)卵に混ぜる

卵焼き甘酒

卵焼きや卵そぼろをつくる際、砂糖の代わりに原液タイプの甘酒を加えるのもおすすめ。自然な甘みとコクが加わります。現代人は砂糖を摂りすぎる傾向がありますが、さまざまな料理で甘酒を代用すれば、自然と砂糖の摂取量を減らすことができますよ。

最後に、甘酒を自分で仕込みたいという人に向けて、ワンポイントアドアイスもいただきました。

「甘酒作りの適温は、50度台前半です。レシピによってはもう少し高い温度を推奨しているものもありますが、55度くらいが米麹の糖化力がもっとも高まるといわれています。また、温度を約12時間一定に保つことも大切です。保温ポットや魔法瓶ではどうしても温度が下がってしまうので、甘酒メーカーか、もう少し身近なものであればヨーグルトメーカーや炊飯器を使うことをおすすめします」(小紺さん)

まずは、市販の甘酒をいろいろ飲み比べてみて、さらに理想の一杯を極めたくなったら自分で仕込んでみるのもおもしろいかもしれませんね。今回ご紹介したアドバイスを参考に、甘酒ブームをもっともっと堪能しましょう!

小紺有花さん
糀料理研究家、糀と食クリエイター、日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート、唎酒師、DNA栄養学アドバイザー
(ここん ゆか)大阪府出身。金沢市在住。金沢美術工芸大学卒業。 家族の健康のために麹を料理に取り入れ独学で研究を始める。 麹の醸し出すおいしさ、発酵食文化の素晴らしさを伝える料理教室やワークショップ、商品開発などを行う。食育にも熱心に取り組み、金沢から全国、海外へ活動の幅を広げている。雑誌やテレビでも活躍。主な著書に『卵、乳製品、白砂糖なし。塩麹&甘酒で作る、麹のおいしいスイーツレシピ』『塩麹のおつまみとおかず』『しょうゆ麹でもっとおいしい日々のごはん』(すべて河出書房新社刊)がある。
『白砂糖なし、乳製品なし、卵なし 甘酒で作る麹のおいしいおかず&スイーツ』小紺有花・著 河出書房新社刊
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美