「振り放く」ってなんと読む?「ふりほうく」ではありません!
明日、10月30日は『マナーの日』です。これは、接客サービス研修や、マナー関連の検定試験、認定資格の発行などを行う日本サービスマナー協会の設立日にちなんで制定された記念日で、この日をきっかけに、ビジネスマナー、一般マナーなど、あらゆるシーンでのマナーを見直し、生活に役立ててほしい…との目的が定められています。マナーといえば、主に振る舞い方…ということで、本日は「振」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「容体振る」ってなんと読む?
「容体振る」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「体裁を取り繕う。もったいぶる」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「彼女の、何かにつけて容体振った話し方が、鼻につくのよね」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 容体振る(ようだいぶ-る) です。
「容体振る」という言葉で注目すべきは「容体(ようだい)」の表記と読み方です。まず表記については「容体」のほかに「容態」も同じ意味で使われるのですが、現在、放送や新聞・通信社では、自覚の少ない「容体」に統一される慣例になっています。読み方については、辞書によっては「ようたい」も採用しているケースがまれにございます。しかし、放送では「ようだい」に統一され、こちらのほうが一般的ですので、「ようだい」を使うのが無難です。ご病気見舞いのメッセージなどでも「ようだい」を使用するとよいでしょう。
さて、2問目にまいります。
【問題2】「振り放く」ってなんと読む?
「振り放く」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「遥かに仰ぎ見る。振り仰ぐ」という意味です。
<使用例>
「故郷の山々を振り放き見れば、あのころの思い出が蘇ってまいります」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 振り放く(ふ-り-さ-く) です。
現代においては、「放く」が単体で使われることは、ほとんどありませんが、「振り放く」で、遠くにある大きなものなどを仰ぎ見る…という動作を表し、おごそか、かつ抒情的なシーンなどで使われます。「ふりさく」と読みますので、誤読のないよう、気を付けましょう。
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本日は、10月30日『マナーの日』の情報をご紹介しながら、「振」という字の入った日本語から、
・容体振る(ようだいぶ-る)
・振り放く(ふ-り-さ-く)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/NHK放送文化研究所ホームページ/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱