イタリアのロンバルディア州の中央部に位置する地域で生産されるフランチャコルタ。氷河に削り取られた岩石などが土手のように堆積したこの地域は、豊富なミネラルを含みブドウ栽培に古くから最適な地とされています。ローマ時代から既に栽培されていたこの地域のブドウは、20世紀に本格的なフランチャコルタとして知られるようになりました。

近年ではフランチャコルタは、ミラノファッションウィーク(Camera Nazionale della Moda Italianaとのパートナーシップ)、ミッレミリア、ポルシェ、ミシュランガイドなどのファッションやモータースポーツ、食の華やかな場のセレブレーションの場にもお目見えしています。

フランチャコルタ協会会長シルヴァーノ・ブレシャニーニ氏。
フランチャコルタ協会会長シルヴァーノ・ブレシャニーニ氏。

「Franciacorta Day 2024」に合わせて来日したフランチャコルタ協会会長シルヴァーノ・ブレシャニーニ氏にフランチャコルタの昨今の潮流を伺うと…

「有機栽培やサステナビリティへの関心は引き続き高いですね。また、加糖が少ないワインも各地域で作られています。ぜひこのような場でもフランチャコルタの素晴らしさが伝わっていくといいですね。それぞれの
ワインのストーリーや、ワインに向き合う真摯さ、情熱などとお届けしたいのです。フランチャコルタの品質の高さ、そして透明性や信頼を大切にしています。日本での人気も、そういったところが伝わっているからではないでしょうか」とのこと。

「軽めの楽しみやすいワインも多いのでぜひ気軽に、お食事に合わせて取り入れてみてください」と楽しみ方もフレンドリーに指南くださるシルヴァーノ会長。

ご自身が作っている「バローネ・ピッツィーニ」が今年のPrecious.jpのおすすめの銘柄であったことをお伝えすると、はにかみつつも嬉しそうに奥様も気に入っていると教えてくださいました。


会場には数多くの 今年もワイナリーからの様々な性格のフランチャコルタが集結。本記事では、ぜひ年末年始のホリデーシーズンに取り入れたいフランチャコルタの銘品をご案内します。

フランチャコルタデーで出会った…2025年マークしたいワインは

■1 ベラヴィスタ  Bellavista Grande Cuvee Alma Brut

 

フランチャコルタを1980年年代からけん引してきたワイナリー「ベラヴィスタ」。ミラノ・スカラ座の公式サプライヤーとしても選ばれています。フランチャコルタの全生産地の7%をも占める自社畑の広さは圧巻。

その中でも「GRANDE CUVEE ALMA BRUT」は細かい泡と果実味や酸のすべての要素がバランスよく完全な調和を描く一本に。シャルドネ79%、ピノ・ネロ20%、ピノ・ビアンコ1%をそれぞれの区画から厳選、ブレンドし、前年までのリザーブワインとあわせることで、このハーモニーが生まれます。

洋ナシなど甘く熟した果実とバニラの華やかなアロマが特徴的。きめ細かい泡を心ゆくまで楽しんで。フルーツの甘さや酸味、バニラ、イーストなど表情豊かで非常にバランスのよい仕上がりでし。温度が上がっても味わい深いので、ぜひおしゃべりに花が咲きそうな集いにも。お料理は、クリーム系のパスタやムニエルをはじめ幅広く相性がよさそうです。

※輸入元:エノテカ|購入サイトはこちらからご覧ください。

■2:フェルゲッティーナ SATEN Brut 2020

 

フェルゲッティーナはベラヴィスタの栽培・醸造責任者を務めたロベルト・ガッティ氏のもと、1991年設立されたワイナリー。哲学でもある「エレガンスとフィネス」が最大限に表現されたワインは、すぐさま食通たちから火が付きました。

特徴的なのは、四角形のシンプルなボトルデザインと低炭酸の“サテン”。サテンは繻子のような、光沢のある、絹(伊語=Satinato)を形容する言葉から、この名がついたとか。フランチャコルタのみのカテゴリで、 白ブドウのみで造られ、ガス圧を通常の5気圧より低いため、クリーミーでなめらか、穏やかな口当たりになります。

蜂蜜や酵母の香りに、洋ナシや白い花の華やかな香りもプラスされ優しさが。泡立ち上品で繊細です。和食や特に天ぷらのようなフリットのサクサク感には堪らない組みあわせになりそうです。また、低炭酸で飲み続けやすいので小皿のコース料理で食中通していただくのもぴったりです。

※輸入元:モトックス|購入サイトはこちらから。

■3:マイオリーニ Majolini  Pas Dosé Aligi Sassu

 

 

マイオリー二の特徴は、見たら忘れないインパクトのあるラベルデザインと、その深いミネラル分の味わい。メドーロと呼ばれる純粋な石灰岩質の地層が、この地に生育するブドウに豊富なミネラルを与えています。マイオリー二の名前も、土着の黒ブドウ“マイオリーナ”に由来するとか。

そのミネラル豊富なワインにを、“Pas Dosé”の名の通り、フランス語で言うところの“ノンドサージュ”、つまり、補糖なしで作ったのがこの1本。色は金色がかった麦わら色で、泡立ちがずっと続きます。パンの香りや柑橘系やトロピカルフルーツまで…生き生きとしたミネラル分に背中を押され、食と楽しい集いが弾みそうです。キレのよさは揚げ物とも好相性。

※輸入元:レアーレカンティーナ|購入サイトはこちらからご覧ください。

■4:バローネ・ピッツィーニ Bagnadore 2015

 

1870年から長い歴史をもつワイナリーのバローネ・ピッツィーニ。1989年からいち早く有機栽培に注力、2001年にフランチャコルタでもはじめてのオーガニック認証を受けています。今回は、 ドザッジオ・ゼロ “バニャドーレ”  がお目見え。樹齢20年の単一畑から収穫されたブドウによる5年以上の瓶熟成を経た渾身のヴィンテージ。今回来日のシルヴァーノ・ブレシャニーニ氏率いるバローネ・ピッツィーニ氏のお話にもあったように、近年ではオーガニック認証のみならず、二酸化炭素排出削減への取り組みや、ラベルから読み取れる生産の透明性なども、長いワイナリーの自負が感じられます。

力強さやエレガントさ、そして長い熟成による華やかな香ばしさなど、飲んでいる間も旅をしているかのような深さが味わえる一本になっています。ローストした魚や、白身のお肉や、熟成されたチーズと合わせてみてはいかがでしょう。

※輸入元:アルカン|購入サイトはこちらからご覧ください。

■5:カデルボスコ Ca'del Bosco  Cuvee Prestige Edizione 

 

マウリツィオ・ザネッラ氏率いるフランチャコルタのトップランナー「カ・デル・ボスコ」。言わずと知れた東京の数々の名イタリアンレストランでもおなじみの銘品です。おすすめは王道の、CUVÉE PRESTIGE EDIZIONE 。EDIZIONE(=エディション、版)の名は、ヴィンテージを表しています。
美しいイエローできらきらとした輝きと泡が特徴。イタリアラグジュアリーブランドでもパーティの席でも出会う銘柄です。ミラノのサッカーチームACミランが優勝時に祝杯用にも使われるなど、エピソードにも事欠かない名品。

力強さもフレッシュさも酸味も…すべてにバランスよい王道のフランチャコルタ。乾杯から料理を通して楽しむことが出来そうです。きらめきがより際立つクリアなワインボトルには、遮光のためのオレンジ色のUVカットシートがかけられています。手土産としての話題性や華やかさもあるワイン、ぜひ年末年始の集いの場にご活用ください。

※輸入元:フードライナー|購入サイトはこちらからご覧ください。

■6:BERLUCCHI    ベルルッキ 61サテン

 

ベルルッキは1961年、イタリア・ロンバルディア州で醸造家フランコ・ジリアーニ氏が貴族グイド・ベルルッキ氏と共にスタートさせた老舗ワイナリーです。以来家族経営で、その品質を保っています。「イタリアでシャンパーニュと同じ製法を用いたスパークリングワインを作る」という思いをそのままに、近年もイタリアの料理ガイド『ガンべロロッソ』でも“ワイナリー・オブ・ザ・イヤー”を受賞するなど精力的。

中でも“サテン”は低炭酸で口当たりが優しく、クリーミーな泡が女性好みの一本です。エレガントで重層的な香りが特徴で、桃やアプリコットから、トロピカルフルーツを経て、柑橘類の砂糖漬けまで香りが変化。飲むほどに心地よく包み込まれていきそうです。

リゾットや魚料理、生ハムやチーズ、日本食ならお寿司と相性がよいのもうなづけるところ。優しい泡に抱かれたい際には、ぜひ最強の逸品です。

※輸入元:ミレニアムマーケティング|購入サイトはこちらからご覧ください。

■7:コルテ アウラ フランチャコルタ ブリュット

 

地域に根付いたワインづくりを…との思いを元に、フランチャコルタの中心地であるアルド村に、2009年フェデリコ・フォッサーティ氏が作ったのが、このコルテアウラ。瓶内熟成を36か月以上行う、シャンパーニュを越えた長い熟成によりブドウの本質を引き出そうとする試みが意欲的です。
ワイナリーを代表する、ブリュットは、シャルドネ90%、ピノ・ネロ10%の辛口。麦わらがかった黄色できめ細やかな泡だちです。パンの皮の香りや木の実の香りがほんのり漂い、心地よい酵母の香りが味わい深く食欲を誘います。
魚料理や、冷製ポーク、鶏肉、仔牛のカツレツなど料理との相性は幅広く、楽しめます。

※輸入元:都光|購入サイトはこちらからご覧ください。

問い合わせ先

フランチャコルタ協会

 

この記事の執筆者
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