2024年8月に、大阪の中之島エリアに開業した「フォーシーズンズホテル大阪」。中之島の街並みと、堂島川の流れを望む絶好のロケーションで、大阪のローカルとラグジュアリーを同時に体験できる魅力的なホテルです。

開業から2か月と少し、中華料理「江南春(ジャンナンチュン)」と両翼を成すメインダイニングとして新たに登場したのが、ミシュラン三つ星シェフとして世界的に有名なヤニック・アレノ氏によるモダンフレンチ&江戸前鮨「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ(Sushi L’Abysse Osaka Yannick Alléno)」です。

「フレンチと江戸前鮨の融合」という、一見意外な組み合わせなコンセプトのレストランへ、今回、Precious.jpライターが実際に訪れてみました。

2024年8月開業。利便性と絶景を兼ね備えた「フォーシーズンズホテル大阪」

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梅田駅から徒歩圏内。周囲の飲食店やレトロな地下街も魅力的

「フォーシーズンズホテル大阪」は、歴史と文化が息づく水都・大阪に誕生した、京都に続き関西で2軒目となるフォーシーズンズホテルです。和のエッセンスを取り入れた175室の客室、7つのレストラン&バー、温浴施設、スパなどを備え、大阪の新しいラグジュアリーを象徴する存在として注目を集めています。

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「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」と同じ階には夜景を一望できる「バー・ボタ」も

階によってデザインやコンセプトが異なり、ホテル内を移動するごとに新たな気持ちになれる斬新な設計。高階層からは、大阪の風景を一望でき、時間によって移り変わる街の姿を楽しむことができます。

 フランスと日本が織りなす、新しい食体験「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」

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左から安田至氏、ヤニック・アレノ氏

「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」は、ミシュラン三つ星レストランを2軒持つ有名シェフ、ヤニック・アレノ氏による新感覚の鮨レストランです。

注目すべきは、料理長に就任した寿司職人として30年以上のキャリアを持つ安田至氏の存在。フランス料理の技法と日本の伝統鮨の技を見事に融合させています。

目の前で繰り広げられる職人技と、斬新な発想から生まれる一品を目でも堪能できるカウンターを中心とした店内。今回はプレス向けの体験会にて、おまかせコースを実食しました。

新しい体験!おまかせコース実食レポート

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「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」店内

カウンター席中心の店内からは、大阪市内を一望できる贅沢なロケーション。夜になれば、煌めく夜景が広がります。目の前に立つのは、フレンチのシェフと和食の板前。そして、ソムリエが食事に合わせたお酒を次々とおすすめしてくれるという、食だけでなく雰囲気も含めて楽しめる空間です。

日本酒だけでなくワインも揃えており、日本食と洋食の融合に合うお酒がずらり。ペアリングでは、お魚の持つミネラルとお酒のミネラルをうまく合わせることを意識しているといいます。

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エンダイブとトレビスのサラダ

おすすめコースはランチ(¥20,000)とディナー(¥35,000)ともに、「エモーション」「握り」「甘味」という三部構成になっています。

「エモーション」では、トレビスを剥ぎにしたものに洋梨、ブラウンマッシュルームを挟み、イタリアンパセリの色と香りだけを抽出したドレッシングがかかった「エンダイブとトレビスのサラダ」からスタート。お寿司のように手で食べるスタイルが楽しめる一品です。

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アーティーチョークの豆腐
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牡蛎  あおのり、米のクリーム

ほかにもフレンチ料理らしいあつらえながら、和の食材を使用した品の数々が、目の前で調理されて運ばれてきます。

「アーティチョークの豆腐」では、優しい豆腐の食感とトッピングのはっきりとした食感のふたつが一口で楽しめ、「牡蛎  あおのり、米のクリーム」では、とろける牡蠣にうっとり。果実の酸味もあって、爽やかな一皿でした。

どのメニューも洋食ながら、このあと登場する握りへのスムーズに繋がる品揃えとなっています。意外な食感や味の組み合わせに、周囲の人と思わず会話が弾みました。

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刺身

米麹を使った刺身などを挟んで登場するのが、にぎり寿司コレクション。素材の鮮度と質にこだわり、料理長自ら特別なルートを活用して質のよい魚を確保しているとあって、味は絶品です。

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にぎり寿司コレクション

あじ、ひらめ、かますなど次々に握りが登場。一つずつ丁寧に握られた寿司は、どれもコレクションと呼ぶにふさわしいものばかり。口の中でとろけていきます。

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七輪で炙られる海老

中にはちょっと変わった演出のお寿司も。

カウンターの中、七輪の上で炙られている海老。どのように出てきたかというと、なんと手巻き寿司!

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ボタン海老とパリパリ海苔の直火焼き
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握りにはとろけるトロも

目の前でくるりと巻いて手渡しされました。これまでとは違うコミュニケーションに、笑顔がこぼれます。ふと見ると、他のお客さんも楽しそう。巻きたてのパリパリ海苔と、温かい海老の食感が絶妙な逸品です。

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イチゴの砂糖焼き、ウイキョウ
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白味噌アイスクリームと麦のキャラメリゼ、すだちゼリー

スープを挟んで、最後は「甘味(あまみ)」が登場します。この日はイチゴの砂糖焼きや白味噌アイスクリームなど、馴染みがある食材に一工夫加えたものばかり。あっという間に食べ終えてしまうのも惜しいほど。

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海藻のパイとジャスミンクリーム、水出しコーヒー

最後は、カウンターの奥で時間をかけてドリップしたコーヒーとパイで〆。丁寧に抽出されたコーヒーは、雑味がなく飲みやすさ抜群。パイと合わせて、あっという間に胃袋へと消えてしまいました。

食事の満足度の高さだけでなく、ヤニック・アレノ氏や安田料理長をはじめとしたスタッフのみなさんが随所で見せてくれるサービス精神の高さも印象に残る時間に。舌だけでなく、気持ちも満たされる時間でした。


概念的フュージョン料理の領域を超え、新しい食文化の創造に挑戦している「鮨 ラビス 大阪 ヤニック・アレノ」。フランスの技法と日本の伝統、そして大阪という土地柄が織りなす味わいは、グローバル化が進む現代だからこそ生まれた、かけがえのない食の経験ができる場だと感じました。

2025年には大阪・関西万博を控えています。大阪の新しい魅力を象徴する場所として、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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WRITING :
ミノシマタカコ
EDIT :
小林麻美