唾液の驚くべき役割とは? 口腔ケアから脳の活性化まで
唾液は消化を助けるだけでなく、脳の活性化にも効果があるということがわかっています。けれどもストレスや加齢、生活習慣によって唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥するだけでなく、集中力の低下や認知機能の衰えにもつながる可能性あり。唾液の分泌を促進するためには、食事の際によく噛むことが当然大切なのですが、忙しい大人の場合は、加えて「唾液腺マッサージ」を取り入れるのがおすすめです。

唾液について改めて解説すると、口の中を潤し、食べ物の消化を助けるだけでなく、口臭やムシ歯の予防、さらに飲み込む力をサポートして誤嚥(ごえん)を防ぐ働きがあります。つまり唾液が不足して口の中が乾燥するということは細菌が繁殖しやすくなり、さまざまな口腔トラブルを引き起こすので、唾液をしっかり分泌させることは健康維持に欠かせないのです。
さらに、唾液に含まれる神経成長因子が脳神経の修復を助け、認知機能の低下を防ぐ働きがあるといわれていますし、唾液の分泌が増えると自律神経のバランスが整い、メンタル面に良い影響を与えることもわかっています。
このように重要な役割を果たしている唾液ですが、私たちは1日に約0.5~1.5リットルも分泌しています。つまり、多いときは500mlのペットボトル3本分の量が分泌されるということ。そして、この唾液は「唾液腺」という器官から分泌されています。この唾液腺には、耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)の3種類があり、それぞれ性質の異なる唾液を分泌しているのです。
今回紹介するのは、顎下腺のマッサージ。指で優しく刺激することで、サラサラの唾液とネバネバした粘液性の唾液がバランスよく分泌されます。これにより、口腔の健康を保つだけでなく、集中力の向上にもつながりますよ。仕事の合間にも、ぜひ試してみてくださいね。
■ 唾液腺のひとつ、顎下腺をマッサージする
顎下腺はあごの側面の下に左右1つずつ対称的に存在し、あごの骨の内側の、触ると柔らかい部分に収まっています。ここを人さし指を使い、軽く押したまま、前後に動かします。これを30秒行いましょう。これだけで唾液が出やすくなります。

【まとめ|ドライマウスは老化が進む!? 脳の活性化にも効く唾液腺マッサージ4か条】
1)唾液は消化を助けるだけでなく、活性酸素減少や脳の活性化に効くなど、実は重要な役割あり。
2)加齢やストレスや、生活習慣の乱れなどで唾液の分泌は減少する。
3)口内の乾燥は虫歯リスク、口臭の悪化に加え、集中力の低下や免疫力の低下、エイジングにもつながる。
4)忙しい大人やドライマウスの自覚がある人は「唾液腺マッサージ」を取り入れるのがおすすめ。
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以上、「ドライマウスは老化が進む!? 脳の活性化にも効く唾液腺マッサージ」を教えていただきました。
アンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。
次回は2月8日の更新です。お楽しみに!


- PHOTO :
- 松原敬子
- EDIT&WRITING :
- 荒川千佳子