「惨憺」ってなんと読む?「さんげん」ではありませんよ!
明日・2月26日は『レ・ミゼラブル』の作者としても有名な、フランスの小説家で劇作家であるヴィクトル・ユーゴーの生誕日です。『レ・ミゼラブル』の和訳として有名な邦題は『ああ無情』ですが、「ミゼラブル」には「悲惨な」「哀れな」「みじめな」などの意味もございます。『レ・ミゼラブル』は社会の底辺で生きる人々を描いた物語で、政治家・思想家としても活躍し、死刑廃止論者でもあったユーゴーのヒューマニズムが、読者の胸を打つ名作です。
本日は「ミゼラブル」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。
【問題1】「惨憺」ってなんと読む?
「惨憺」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「いたましいこと」「見るも無残なさま」などを意味する言葉です。
<使用例>
「現場は、筆舌に尽くしがたい惨憺たる状況でした」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 惨憺(さんたん) です。

「惨」は「惨(みじ)め」とも読む字ですね。「憺」のほうは難しい字ですが「惨憺(さんたん)たる」という言い回しは、現代でも大人の会話や文章によく登場しますので、読めるようにしておきたい熟語です。
さて、2問目にまいりましょう。
【問題2】「熾烈」ってなんと読む?
「熾烈」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「勢いが盛んで激しいこと。また、そのさま」を言う言葉です。こちらも季語にもなっています。
<使用例>
「家族の餓死を避けるためにパンを盗まなければならない…彼にとって、生きることそのものが熾烈な戦いであったわけです」

…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は… 熾烈(しれつ) です。

『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・バルジャンは、子どもを含む家族のためにパンを盗んだことがきっかけで投獄され、思い罪を科されます。まさに、生きるだけで「熾烈(しれつ)」な戦いに直面しているような状況です。この「熾烈な戦い」という言い回しも、大人の会話や文章で、しばしば見かけますね。こちらも難しい字が入っていますが、教養の観点から、読めるようにしておきたい言葉です。
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本日は、2月26日、ヴィクトル・ユーゴーの生誕日の話題から、
・惨憺(さんたん)
・熾烈(しれつ)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱