連載「Tomorrow Will Be Precious!」明日への希望をアクションに変えるPrecious People
明日への希望をアクションに変える方たちの活動に注目し、紹介する『Precious』連載【Tomorrow Will Be Precious!】では今回、ニューヨークで世界中の多様な女性たちとつながり合うためのネットワーク「Visible Women Agency」を設立したステーシー・ヤエルさんにインタビュー!
ネイティブアメリカンの伝統的な対話の方法となる「トーキング・サークル」をヒントに、対話によって女性たちをエンパワーしようと活動を続けるステーシーさんに、詳しくお話しをうかがいました。
【New York】深い対話を生むカードゲームで世界中の女性たちをつなげたい

ステーシーさんが’21年に設立した「Visible Women Agency」は、世界中の多様な女性たちとつながり合うためのネットワークだ。女性のリーダーシップをテーマに、「トーキング・サークル」を開催している。
「トーキング・サークルは、ネイティブアメリカンの伝統的な対話の方法です。集まった人たちが輪になって座り、ひとりずつ想いを語る。ほかの人が意見したり、問題解決のための議論をしたりすることはありません。話す人の言葉を遮らず、敬意をもって耳を傾ける。そうすることで、聞き手は他者を鏡として自分を知ると同時に、他者を理解することもできるようになります。私は、3人の子供の子育てを経て、仕事に復帰し模索中だったときに、フェミニズムを学ぶことを通じてこの手法に出合い、『これが私の進む道だ!』とひらめきを得ました。従来のキャリア・ネットワークとは違う、もっと根本でつながる方法で、女性たちをエンパワーしようと」
対話をさらに広げるためにステーシーさんが考案したカードゲームがある。家族で楽しめるアメリカではおなじみの人気ゲーム「Totto」をベースに開発した「tuttO」。使われるカードにはさまざまな質問が書かれていて、引いた人がその質問に答えていく。
「最前線で活躍するクリエイターや起業家との対話で気付いたのは、彼らの言葉は刺激的であると同時に、パターン化してしまうことが多いということ。そんなとき、『目を閉じたとき見えるものは何?』『あなたをクスクス笑わせるものって?』『最もワイルドな欲望は?』といった、思いもよらぬカードの質問が、本音で語るきっかけになる。フラーティング(軽い気持ちで声をかけること)のように始まる、即興的なコミュニケーションの楽しみを取り戻したいとも思っています」
対話によって自分を表現する喜びを知る。それが、社会のなかで被るさまざまなマインドセットから自らを解放する力になるのだ。
◇ステーシーさんに質問
Q. 朝起きていちばんにやることは?
目をつぶったまま、自分の体を感じ、今いちばん自分に大切なことは何かと自らに語りかける。携帯電話を見る前に!
Q. 人から言われてうれしいほめ言葉は?
「あなたはマジカルで素敵な空気を振りまいている」
Q. 急にお休みがとれたらどう過ごす?
海辺に行って心の洗濯をする。
Q. 仕事以外で新しく始めたいことは?
新しい食への挑戦。食とカルチャーはつながっているから。
Q. 10年後の自分は何をやっている?
旅をして人同士をつなげていると思う。
Q. 自分を動物にたとえると?
鳥。いつも飛んでみたいと思っていたから。好きなときに好きなスピードでどこにでも飛んでいく。
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- PHOTO :
- Hiroshi Abe
- 取材 :
- Junko Takaku