「百万陀羅」ってなんと読む?ひゃくまん…なに?

明日・4月29日は国民の祝日『昭和の日』ですが、令和7年は「昭和時代が始まって100年目」にあたるとして『昭和百年』という考え方がムーブメントになっていますね。ということで本日は「百」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「百万陀羅」ってなんと読む?

「百万陀羅」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「梵文を翻訳しないまま唱える長文の呪文を、百万回繰り返す」という意味から「同じことをくり返し何度も言うこと」という意味で使われます。

<使用例>

「あの人の嫌味百万陀羅が始まったら、ひたすら聞き流すに限るわよ」

かな7文字です。
かな7文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 百万陀羅(ひゃくまんだら) です。

「陀羅尼(だらに=梵文の長文呪文)を百万回」という構成の言葉です。
「陀羅尼(だらに=梵文の長文呪文)を百万回」という構成の言葉です。

長い呪文を百万回も唱える…というのは、「百万」という回数の点で現実的ではありませんよね。つまり「長々しく同じことを何回も言う」ことの比喩表現で、主に「嫌味」や「文句」などネガティブなことを延々と聞かされるような状況で使う表現です。

「文句百万回」という言い回し、聞いたことがありませんか? これはもともと「文句百万陀羅(もんくひゃくまんだら)…延々と文句ばかりたれる」という言い回しがあり、それが現代風にアレンジされた、という形です。

さて、2問目にまいりましょう。

【問題2】「百舌勘定」ってなんと読む?

「百舌勘定」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「勘定のとき、うまいことを言って、自分は金を出さないで他人にばかり出させようとすること」です。

<使用例>

「あの人、意外とお金に汚いらしくて、幹事を任せたりしたら百舌勘定にもっていかれるんじゃないかしら?」

かな7文字です。
かな7文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 百舌勘定(もずかんじょう) です。

「百舌(もず)」は鳥の名前ですが、なぜこう書くのでしょう?

「百舌(もず)」は、オスが繁殖期に、ほかの鳥の声を模したような、いろいろな鳴き声を出すことで知られる鳥です。「鳴き声のバリエーションが大変多い」ことを示した表記が「百舌」でしょう。

この特徴から、百舌は昔話や民話等で「口がうまいキャラクター」として使われることがあり「百舌勘定(もずかんじょう)」は、民話に登場する百舌の行動から来ている四字熟語です。「鳩と鴫(しぎ)と百舌が買い食いをして、3者合わせて15文の勘定をする際に、百舌は言葉巧みに鳩に8文、鴫に7文出させて、自分は1文も払わなかった」というお話です。

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本日は、4月29日『昭和の日』にちなんで、「百」という字の入った日本語から、

・百万陀羅(ひゃくまんだら)

・百舌勘定(もずかんじょう)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

ILLUSTRATION :
小出 真朱