身長156cmのインテリアエディターが、実際に見て・触れて・座ってレポートする連載企画。今回は、これまでも好評だった機能性の高さはそのままに、人気デザインスタジオ「ガムフラテージ」をアートディレクターに迎えリブランディングした「イクスシー」から、新作『プラトー サイドキャビネット』にフォーカスしました。 

ずっと探していた、睡眠までの時間を少しでもゆったりとした上質なものに整えられるような、機能的なだけではない美しいベッドサイドキャビネット。デザインそのものが振る舞いを変えてくれるようなアイテムの魅力を具体的にご紹介します。 

■ピックアップアイテム:「イクスシー」の『プラトー サイドキャビネット』 

なにかとストレスの多い現代社会。睡眠に問題を抱える方が増えるなか、高機能マットレスやスリープテックなど盛り上がりをみせています。インテリアでできることはないのだろうか? 私自身そんな疑問を抱えながら、分野を超えてさまざまなアイテムや技術を体験しています。

その一つの解答として、ベッドルームのインテリアを整えることで入眠前のルーティーンを見直すことができると思えたのが、今回ご紹介する『プラトー サイドキャビネット』です。

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【ブランド】イクスシー 【商品名】プラトー サイドテーブル 【写真仕様の価格】¥594,000 【サイズ】幅440×奥行き440×高さ350(mm) 【材質】本体:ブラックウォールナット材・ナチュラル塗装仕上・FY革 ULTRA アース、脚端:アジャスター

スマホはリビングに置き、ベッドルームでは本を読んだりその日の出来事を短い文章で綴ってみたりなど、アナログなアイテムでゆったりするのもいいですよね。

とはいえ、メガネや読みかけの本やお気に入りのアロマスプレーなどで、うっかりすると散らかりがちなベッド周り。ベッドサイドに置くテーブルやキャビネットを探そうにもなかなか見つけられず、こちらの連載でもご紹介しそびれていました。

『プラトー サイドキャビネット』は、今年3月、世界的に人気を博しているデザインデュオ「ガムフラテージ」のアートディレクター就任が発表されたばかりの「イクスシー」の新作です。

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2006 年に設立し、コペンハーゲンを拠点に活動する「ガムフラテージ」。

「ガムフラテージ」は、デンマーク人のスティーネ・ガムとイタリア人のエンリコ・フラテージによるデザインスタジオ。デンマークのクラフトマンシップとイタリアの知的アプローチを融合し、伝統を尊重しながら独自のストーリーを持つミニマルな家具を生み出しています。新作6アイテムのなかでも、特にスリーピングエリアは細部まで生活者に優しく美しいデザインで惹かれました。

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ラグジュアリーでありながら心からくつろげるライフスタイルを提案する「イクスシー」のインテリア例

「カッシーナ・イクスシー」と一括りに覚えている方も多いかと思うのですが、「カッシーナ」はイタリアのブランド。「イクスシー」は、"Emotional Minimalism"をデザイン哲学に掲げる日本発のグローバルブランドです。

「イクスシー」は、日本・イタリア・デンマークの異なる文化が触れ合い、境界を超えた新しいデザインが紡ぎ出されているのが大きな特徴。素材を重視したミニマルなスタイリングで人気の“ジャパンディ”にも通ずるブランドとして、これまでの機能性の高さを失うことなく生まれ変わっていました。

■魅力その1:眠りの空間にふさわしい彫刻のような静かな佇まい

革と柔らかな表情のホワイトアッシュ材の取り合わせが美しい『プラトー サイドキャビネット』は、一見するとまるでオブジェのよう。オープン棚もなく引き出しもない美しい台のような佇まいなので、ベッドサイドランプや本やメガネなど全てを天板の上に置くデザインのようにも見えますが、実際には前面が大きな引き出しになっています。

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どこに引き出しがあるかわからない美しいデザイン。シーツ替えしやすいディテールのベッドも、同シリーズの新作。

ベッドに寝たまま手を伸ばして物を手に取ったり、置いたりすることを考えた際に気にしていただきたいのは、お手持ちのベッドとの高さ関係です。距離が遠くなると使いづらくなるので、低めのベッドが合います。

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同シリーズのベッドなら、厚めのマットレスでも自然な姿勢で開けることが可能。

■魅力その2:しまいたいものが綺麗に収まるから、大切なものを飾れる

オブジェのような見た目に反して使い勝手がいいのは、外側の大きめの引き出しを開くと、上の方に浅めの引き出しがもう一段内蔵されているから。ベッドサイドで使う小物を全てすっきりとしまえるので、天板の上にはお気に入りのライトや、写真など大切なものを美しく飾ることができます。

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内側の引き出しのファブリックのような心地よい質感は、暗闇の中でも手触りで外側のレザーと区別できます。
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上の引き出しは単行本がおさまる程度の高さ。下には羽織るものなど分量があるものもしまえます。

人目に触れるリビングや玄関などとは違い、自分にしかわからないものを寝る前に見て幸せな気持ちになるのもいいですよね。

ちなみに小ぶりながら重量はしっかりあるので、ガタつかないのも安心。購入時にフェルトを貼ってもらうなどしておけば、引きずって動かせます。

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持ち上げることは難しいので、滑りやすくするほうが便利!

■ここにも注目!:ベッドリネンの2025年春夏コレクションが入荷! 

掲載した写真のベッドにも合わせているベッドリネンブランド「SOCIETY(ソサエティー)」の2025年春夏コレクションが、5月29日(木)より入荷します。淡いイエロー(Pera=洋ナシ色)のベッドリネン、コットンのベッドスプレッドなど、色味を少し添えるのも気分が高揚するのでおすすめです!


上質なものは私たちの毎日を変え、育ててくれます。これまでの「イクスシー」も大好きでしたが、この静けさのもつ力強さが体感できる世界観は格別! ぜひみなさんもショールームで体感して、理想のベッドルームのイメージを膨らませてみませんか? 

※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM