新幹線、飛行機移動でぐったり…。三半規管が弱っている可能性あり

三半規管とは、耳の奥にある平衡感覚を司る器官です。私たちがまっすぐに立つ、方向を変える、揺れに対応する――こうした日常の動きは、すべてこの感覚の働きによって支えられています。

2人の女性。トレーニングの指導をしている
 

しかし、この感覚は年齢とともに鈍っていきます。ふらつきや軽いめまいを感じやすくなる、長距離移動で疲れやすくなる、というのも、三半規管が弱っている証拠。新幹線や飛行機での移動も、若いころはなんでもなかったのに、今では到着後に頭が重く感じる。これは身体のバランス感覚がうまく働いていないサインかもしれません。

三半規管が弱ると、姿勢にも影響が現れます。というのも、三半規管は、頭の動きや体の傾きを感知し、体のバランスを保つための重要な役割を担っています。この感覚が鈍ると、身体の位置情報が正しく脳に伝わらなくなり、無意識のうちに姿勢がくずれてしまうことに。その結果、重心が不安定になるため背中が丸まり、首が前に出る、さらに長時間のデスクワークやスマートフォンの使用といった現代的な習慣が重なることで、その崩れた姿勢が定着してしまうのです。

そこでエイジングデザイナーの村木宏衣さんが提案するのが、ペンを使った三半規管のトレーニング。
動きはシンプルですが、バランス感覚を整える効果があり、姿勢の改善にもつながります。体の軸が安定することで、階段の上り下りがスムーズになったり、長時間の移動も以前より楽に感じられるはずです。日常に取り入れやすいトレーニングなので、ぜひ試してみてくださいね。

■Step1:右手に持ったペンを見ながら、首を左右に振る

右手にペンを持ち、体からなるべく遠くに離すように腕を伸ばします。このとき、腕は下がらないようにまっすぐ前に伸ばしましょう。そして、このペンに視線を合わせたまま、首を左右に10回振ります。

右手に持ったペンを見ながら、首を左右に振る
 

■Step2:ペンを見たままの状態で首を縦に振る

Step1の基本姿勢のまま、ペンに視線を合わせたままで首を縦に10回振りましょう。

ペンを見たままの状態で首を縦に振る
 

■Step3:ペンを見たまま、頭を右上から左下に斜めに動かす

ペンに視線を合わせたまま、次は頭を右上から左下に動かすように、斜めに10回振りましょう。今度はペンを左手に持ち変えて、同様にStep1〜3を行いましょう。

ペンを見たまま、頭を右上から左下に斜めに動かす
 

【まとめ|「乗り物疲れ」と「猫背」を防ぐ!三半規管が目覚めるトレーニング4か条】
1)長距離移動で感じる疲れやすさは、三半規管の衰えが関係している可能性あり。
2)三半規管の機能が低下すると、重心がブレやすくなり、体のバランスが取りにくくなる。
3)無意識のうちに姿勢がくずれ、猫背などがクセになりやすい。
4)ペン1本を使った簡単なトレーニングで、平衡感覚が整い、体の軸が自然に安定していく。

以上、「乗り物疲れと猫背を防ぐ!三半規管が目覚めるトレーニング」を教えていただきました。

アンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。

次回は6月7日の更新です。お楽しみに!

村木宏衣さん
エイジングデザイナー
(むらき・ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)は24万部を突破し、『10秒で疲れが取れる 奇跡の目元ほぐし』(主婦の友社)も好評。 また、ご自身がプロデュースした美顔器「アメージングローラー」も発売中。「村木式整筋」メソッドのテクニックをセルフケアで簡単に再現できると話題に。ほかにも『10秒で10歳若返る 奇跡のたるみリフト』(主婦の友社)。 Instagram
体験者:北 真実さん
メーカー勤務
「初めてやったとき、フワーッと軽いめまいのような感覚がありましたが、これも三半規管が弱っているサインと聞いて納得。長時間の移動で感じる疲れや、猫背気味になるのもそのせいかもしれないと気づけました。シンプルな動きなので続けやすいですし、継続すれば、体の軸が整っていく感覚が得られそうです」
PHOTO :
松原敬子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子