神奈川県・箱根湯本にあるスモールラグジュアリーホテル「はつはな」は、豊かな自然に包まれたこの地で、静けさと上質さが調和した滞在を叶えてくれるホテル。2022年に「心と五感が満ちる静かなとき」をテーマにリニューアルされました。


ロゴマークに描かれた桜の5枚の花びらは、湯坂山の雄大な風景、風や鳥・虫の音、草花の香り、料理の味わい、そして肌で感じる美肌の湯など、五感で楽しむ世界観を表現。
また、「初花(はつはな)」という名には、「その年最初に咲く桜」という意味があり、“桜が咲くのを待つ心で、お客様をお迎えしたい”という想いが込められているそうです。


館内にはふたつの大浴場と、趣の異なる4つの貸切風呂を備え、湯めぐり気分で温泉を楽しむことができます。




また、全室に自家源泉の露天風呂が完備され、桜風味のクラフトエールやお茶、コーヒー、茶菓子なども自由に味わえるなど、心地よいくつろぎを演出するおもてなしが随所に。

そんな「はつはな」に、2025年7月12日(土)より、北海道・余市の「平川ワイナリー」のワインを堪能できる期間限定プランが登場します。
三方を山に囲まれた余市は、北海道の中でも比較的温暖で、果樹栽培に適した土地。「平川ワイナリー」では、この土地ならではの個性を生かし、ワインやスパークリングワイン、シードルなどを多彩に展開しています。
創設者である平川氏は、世界各地のワイナリーでブドウ栽培と醸造を学び、一流レストランでのソムリエ経験も持つ、「つくる」と「サービス」の両面を知り尽くしたプロフェッショナル。今回のプランでは、そんな平川氏が厳選した北海道産ワインと料理とのマリアージュを、コース仕立てで楽しめる特別な夕食が用意されています。
Precious.jpライターが実際に宿泊し、ひと足早くプランを体験。本記事ではその魅力を詳しくご紹介します。
ペアリングワイン付きの豪華夕食!はつはなの「平川ワイナリーコラボレーションメニュー」
■1:旬の地元野菜を味わう「御付き」

コースのスタートに提供される「御付き」。主役となるのは、地元・箱根西麓の枝豆です。土壌の影響で味が凝縮しており、シンプルな塩茹ででその力強い旨みを堪能できます。

合わせるワインは、平川ワイナリーのスパークリング「2022 クレマンス メソド・トラディシオネルビンテージ」。瓶内二次発酵による繊細な泡と、すっきりとした酸、ほんのりとしたミネラルの余韻が特徴です。
温かい枝豆の自然な甘さと、シャープな泡のコントラストが絶妙で、口の中で双方が調和。塩味がワインの透明感をより際立たせ、初夏にぴったりの清涼感あるペアリングとなっていました。
■2:海の幸と山の恵みをひと皿に「旬菜」

続いて登場したのは、季節の恵みを少しずつ盛り込んだ「旬菜」。7品が彩り豊かに並び、それぞれの個性が光るひと皿です。こちらも、先ほどと同じスパークリングワイン「2022 クレマンス メソド・トラディシオネルビンテージ」とともに楽しみます。
まず目を引くのが、白瓜に明太子を練り込んだ寒天を合わせ、ごまを種に見立てた遊び心あふれるミニスイカ。見た目の愛らしさはもちろん、口に含むとピリッとした明太子の塩気と瓜の爽やかさが広がり、スパークリングの酸と好相性。
串に刺された合鴨は、スパイスやはちみつをまとわせ、じっくり火入れされたひと品。噛みしめるほどに旨みがあふれ、ワインのコクと調和します。

魚介の品も秀逸。小田原産のあじの握りにはキャビアやしょうがが添えられ、あじの濃厚な味わいと塩味のバランスが絶妙。姫サザエのつぼ焼きや、才巻海老に細いパスタ・カダイフを巻いて揚げたものは、食感のコントラストが印象的で、特に海老の甘さが際立ちます。
さらに、白いとうもろこしを使ったごま豆腐と、天城産あまごの燻製にモッツァレラを合わせた創作的なひと品も。和の枠を超えたアレンジながら、スパークリングの酸味が素材の輪郭を引き立て、グラスが自然と進みます。
■3:ふっくら蒸し牡蠣をライブ感とともに「凌ぎ」

続いて「凌ぎ」は、ころんとしたかぼちゃ型の鍋に入って登場。中には、宮崎県産のふっくらとした牡蠣が収まっています。あらかじめ加熱された牡蠣を、岩塩を敷いた蒸し器で温め直し、仕上げにお酒を注いで香りづけ。目の前で仕上がるライブ感ある演出に、目を奪われます。


合わせるのは、「2022 エスペリード テール・ド・ヨイチ」。レモンをかじったようなシャープな酸と、やや塩気を含んだ味わいが特徴で、しっかりとした果実味がありながら、飲み口はきりっと軽やか。口に含むと、涼やかな余韻がスッと通り抜けます。


蒸しあがった牡蠣は、ポン酢と薬味をかけていただくスタイル。ふっくらとした身はぷるんとやわらかく、ひと口で豊かな旨みが広がります。そこにワインの酸が絶妙に寄り添い、まるで生ガキにレモンを搾ったかのような爽快な味わいに。暑さを忘れるようなひと皿と一杯の組み合わせでした。
■4:香りと余韻で味わう和と洋の融合「御椀」

お椀には、鱧(はも)のお吸い物。湯引きして花びらのようにふんわりと広がった「牡丹鱧(ぼたんはも)」は、見た目にも優雅で、白瓜やじゅんさいが涼を添えています。すだちを搾っていただくことで、清々しさが加わり、奥行きのある味わいに。

合わせるワインは「2022 レ・リス テール・ド・ヨイチ」。完熟した白桃や洋梨に、グレープフルーツやライムのような柑橘の香りをまとった、アロマティックな一本です。酸は穏やかで、口あたりはやわらかく、果実のふくらみが心地よく広がります。
お椀にワインという組み合わせに最初は少し驚きましたが、すだちを加えることで生まれる酸味とのリンクが印象的。鱧の繊細な旨みと調和し、和と洋が静かに交差するような、奥ゆかしいペアリングになっていました。
■5:旬魚とワインの相性を味わい比べ「鮮恵」

ガラスの器に繊細に盛りつけられて登場したのは「鮮恵」。この日は、湯引きした鱧に本まぐろ、蒸しあわび、小田原産の地魚・ほうぼうが並び、見た目にも涼やかなひと皿です。

添えられた調味料は、醤油のほか、梅干しを加えたいり酒、そして塩の3種類。どれも魚の持ち味を引き立てるよう工夫されており、素材の繊細な違いが際立ちます。

ここでは、魚の種類に合わせて2種のワインで楽しみます。白身魚には、「御椀」に続いて「2022 レ・リス テール・ド・ヨイチ」。まろやかな果実味と穏やかな酸が、鱧やあわびの上品な風味をやさしく引き出してくれます。
一方、本まぐろには「2022 ローズ・デ・ヴォン テール・ド・ヨイチ」。ロゼならではの奥行きある味わいと赤果実のニュアンスが、まぐろのコクを受け止めます。
それぞれの魚と調味料、そしてワインの組み合わせを少しずつ試す過程は、まさに美食の実験。味覚を探るような楽しさがありました。
■6:香ばしさと香りの余韻を楽しむ「焼肴」

「焼肴」には、甘鯛の雲丹焼きが登場。みしお(旨みのある出汁)に漬けてから塩焼きにし、表面には卵黄やうにを混ぜた「ろう焼き」を塗って、つややかに仕上げられています。さらに、生うにをのせてグリルで軽く炙ることで、濃厚な香りが際立つひと皿に。
周りには、香り高いサマートリュフのスライス、彩りと食感を添えるズッキーニ、とうもろこし、谷中しょうががあしらわれています。

驚くほど豊かな味わいをじっくりと噛みしめながらいただく、この料理に合わせるのは「2023 ブラン・ド・ヨイチ キュベ・ガストロノミック」。
華やかなアロマをまといながらも、芯のあるミネラル感とふくらみのある旨みを併せ持つ白ワインです。うにやトリュフの贅沢な風味に寄り添いながら、それぞれの持ち味を際立たせてくれます。
■7:赤ワインの奥行きを引き出す「炭香」

肉料理「炭香」には、相州牛フィレ肉の炭火焼きが登場。しっとりとした赤身の旨みを活かしたひと皿で、ソースにはペアリングの赤ワインが使用されており、調和のとれた味わいが楽しめます。
ワインは「2023 レスプリ テール・ド・ヨイチ」。ブラックチェリーやカシス、プルーン、煮詰めたいちごといった凝縮感のある果実香に、チョコレートや甘いスパイス、ミント、黒胡椒、湿った森を思わせるような奥行きが重なり合う表情豊かな赤ワイン。脂の少ない肉質と好相性で、フィレ肉の上品な旨みを引き立ててくれます。

付け合わせも絶品です。静岡県産のアメーラトマトは、衣をつけて揚げたベニエ仕立てに。高糖度のトマトは加熱することで甘さがさらに際立ち、バジル黄身酢ソースを添えることで、味にまろやかさとコクが加わります。
さらに、香ばしく焼き上げられたアスパラにたっぷりと振りかけたからすみの塩気も絶妙で、主役の肉料理に華を添える存在でした。
■8:ふっくら鰻と地元米で締めくくる「御食事」

締めは、神奈川県小田原産のブランド米「はるみ」を使った「御食事」。はるみは、キヌヒカリとコシヒカリを交配して生まれた品種で、つぶ感のあるしっかりとした食感と、ほのかな甘みを感じる粘りが特徴です。
その上には、鹿児島県産の鰻をふっくらと焼き上げてのせています。品よく盛られた小さなお椀が、コースの締めにぴったりのボリューム感。赤だしの味噌汁とともに、最後まで丁寧な味わいが楽しめます。

ここで再び登場するのが、「鮮恵」でマグロと合わせたロゼワイン「2022 ローズ・デ・ヴォン テール・ド・ヨイチ」。ごはんと鰻の優しい甘みに寄り添い、ほんのりとした果実の余韻が心地よく広がりました。
■9:涼を誘うフルーツの彩り「水菓子」

デザートの「水菓子」は、メロン、スイカ、いちじく、サクランボ、シャインマスカットなど、彩り豊かな旬のフルーツと桃のシャーベットで、目にも涼やかなひと皿です。

締めくくりのワインは、「2019 シリマ ロゼ メトード・トラディショネル」。ピンクグレープフルーツを思わせる繊細な酸が心地よく、やわらかな泡とともに広がるフルーティな香りが、食後の時間をすっきりと整えてくれました。
旅気分を高めてくれる、寄木細工の朝食

プランに含まれる翌日の朝食は、和食と洋食の2種類から選ぶことができ、筆者は和食をチョイス。箱根らしさを感じさせる寄木細工の二段重には、上段に種類豊富なお惣菜、下段にサラダやフルーツなどが美しく盛られています。
そのほか、なめらかな温豆腐や焼き魚、ビタミンカラーのジュースも並び、朝の体を優しく目覚めさせてくれる内容に。夕食でもいただいた、小田原米「はるみ」のごはんと味噌汁はおかわり自由なのもうれしいポイントです。

夕食と同じダイニング「はなゑみ」でしたが、朝食をいただいたのは大きな窓から景色を望める個室。雄大な自然を眺めながらのひとときは、格別の心地よさがありました。


この日、筆者は人気の貸切風呂「川音(かわと)の湯」で朝風呂を満喫したあとの朝食タイム。心身ともに温まり、穏やかな気持ちで味わうゆっくりとした朝ごはんは、旅先ならではの贅沢。おすすめですよ。
この夏は、箱根「はつはな」で味わうワインと美食の旅を。心に残る特別なひとときを、ぜひ体験してみてください。
問い合わせ先
- はつはな
- 1泊2食ペアリングワイン付き期間限定「平川ワイナリーコラボレーション」プラン
予約期間/~2025年8月27日(水)
宿泊期間/2025年7月12日(土)~8月31日(日)
プラン料金/コンフォートtype1室2名利用時 1名あたり ¥89,150~(税・サービス料、入湯税込み) - ※プランの予約受付は宿泊日4日前まで
- ※2025年8月9日(土)~19日(火)はプランの対象期間外
- TEL:0460-85-7321(10:00~19:00)
- 住所/神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 篠原亜由美
- EDIT :
- 小林麻美