目の前に広がる青い海と空を眺め、波の音に耳を澄ませながら、ゆったりと温泉に浸かる…。息をのむほど美しいオーシャンビューは、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
そんな贅沢な時間を過ごせる宿を、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんが厳選! 短期集中連載でご紹介します。今回お届けするのは、和歌山県白浜町にある「海椿葉山」です。

公式サイト
客室・浴室から太平洋を一望!岸壁に建つ隠れ宿で海と一体化する
和歌山・紀伊半島南端の入り江に位置する椿温泉。江戸時代には湯治場として栄えた歴史ある名湯ですが、現在はわずか数軒の宿が点在する静かな温泉地です。


その断崖絶壁に建つ「海椿葉山」は、 1日3組限定のデザイナーズ旅館。周囲の自然と溶け込みつつ斬新な佇まいが目を引く建物は、建築家・竹原義二氏の設計によるものです。目の前には太平洋が広がり、その絶景を最大限に満喫できるよう設計された宿は、訪れる人々に忘れられない感動を与えてくれます。

「こちらの宿は、全室が海に向かい、大きな窓からまるで額縁に収められた絵画のように、刻々と表情を変える太平洋のパノラマを眺められるのが魅力。朝はきらきらと輝く朝日が海を照らし、昼はどこまでも続く青い海と空が広がり、夕暮れ時には燃えるような夕焼けが水平線を染め上げ、夜には満天の星空と波の音だけが響く静寂な時間が訪れる…。この絶景をひとり占めできるのは、ここを訪れてこその贅沢だと思います」(植竹さん)



「宿の回廊の奥、岸壁の先端に設えた大浴場からの雄大な眺めも圧巻です。海に面した浴室に浴槽が2つ。源泉かけ流しの約32度の浴槽と加温した浴槽があり、異なる湯温で椿温泉の魅力を余すことなく堪能できます」(植竹さん)

「泉質は、海辺の温泉としては珍しい単純硫黄泉。硫黄泉は別名“シミ消しの湯”ともいわれ、メラニン生成を抑制する効果が期待できる湯です。pH9.9のアルカリ性の湯は肌にとろりとまとわりつくような心地よさもあります。潮騒をBGMに、空と海が溶け合う絶景を眺めながら湯に浸かるのは、日々の喧騒を忘れさせてくれる至福のひとときで、心と肌の両方のデトックスを叶えることができました」(植竹さん)

潮の香りと波音がスパイスに!海と向き合い紀州の滋味を堪能
食事は、夕食も朝食も客室でのんびりといただくスタイル。夕食は、熊野灘で揚がる新鮮な魚介類や、和歌山の豊かな大地で育まれた野菜など、地元の旬を尽くした会席料理です。素材のよさを生かしつつ、創造性も感じられる見た目にも美しい品々が舌を喜ばせます。

朝食は、焼き魚や小鉢料理が並ぶ王道の和食。シンプルながら丁寧に作られた料理は優しい味わいで、朝の目覚めを心地よくサポートしてくれます。海の絶景をお供に紀州の豊かな滋味に満たされる非日常体験は、五感を刺激する旅の思い出として記憶に深く刻み込まれることでしょう。

以上、「海椿葉山」をご紹介しました。海と空を眺めながら温泉に浸かり、心と体のデトックスを図りたい人は次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。
問い合わせ先
- 海椿葉山
- 住所/和歌山県西牟婁郡白浜町椿1063-20
客室数/全6室 ※宿泊は1日3組限定
料金/朝夕2食付き 2名1室¥29,850~(税込) - TEL:0739-46-0909
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生(Precious.jp)