身長156cmのインテリアエディターが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載。今回は、1976年にイタリアで創業した世界的なデザインブランド 「マジス」の新作『アンコラ』にフォーカス。

コンクリートの無骨な素材感と特性を生かした純粋な構造美が特徴の小さな建築のようなテーブルです。暮らしに程よい緊張感を添えてくれるその魅力をご紹介します。

■ピックアップアイテム:「マジス」のテーブル『アンコラ』

コンクリートの小さな建築のように、静かな存在感を放つ『アンコラ』。無機質な素材感とミニマルなフォルムが特徴で、インテリアにひとつ置くだけで空間がぐっと引き締まります。

家具_1,イタリア_1
マジス アンコラ ¥133,100 直径350×高さ470mm 材質:コンクリート

木やファブリックなど柔らかな印象の素材が多くなりがちな室内には、こうしたソリッドな質感を取り入れることで程よい緊張感が生まれ、ハンサムなインテリアへと整えてくれる効果が抜群です。

家具_2,イタリア_2
フェミニンなピンクのソファのある空間も『アンコラ』の存在感で静謐な印象に。

■魅力その1:イタリアの建築と造形の伝統から着想を得た現代の名作

“コンクリートの詩人”と称された、イタリアの建築家で構造家の巨匠、ピエール・ルイージ・ネルヴィ(1891~1979)。彼は「構造そのものが美しさである」と考え、コンクリートの流動性を生かしたリブ構造を多用しました。リブとは、重みでたわまないよう板の裏側に設ける突起のことで、この構造により薄くても強い構造体をつくることができます。

一方、「構造的に正しいものこそが最も美しい形である」という信念を貫いたのが、イタリアの建築家兼デザイナーのアンジェロ・マンジャロッティ(1921~2012)。素材の特性を最大限に引き出す設計思想で知られています。

『アンコラ』は、ネルヴィの構造的思考とマンジャロッティの造形哲学を背景に、ロナン・ブルレックが形にした建築的なテーブルです。高精度のリブ構造が薄い天板を支え、繊細さのなかに潜む力強さを際立たせています。

家具_3,イタリア_3
『アンコラ』は、船のいかりという意味。形状がまさにいかりマークに!

ブルレックはこの作品について「これはテーブルのプロジェクトというより、コンクリート建築のプロジェクトだ」と語っています。

世界的に人気のある仏デザイナーのロナン・ブルレック。
世界的に人気のある仏デザイナーのロナン・ブルレック。

■魅力その2:普遍的な構造だから、用途別に複数使いしても美しい

『アンコラ』は構造そのものが美しさを担っているシンプルなフォルムなので、流行に左右されない普遍的な魅力を兼ね備え、使い方に自由度が広いことも魅力です。例えば、ソファ横のサイドテーブル、オブジェやアートブックを飾るディスプレイ台など、さまざまなシーンで活躍します。重みもあるので安心して使用できます。

家具_4,イタリア_4
ひと回り小ぶりな直径285×高さ425mmサイズとの重ね使いすると、空間に動きを演出できる。
家具_5,イタリア_5
植栽と飲み物を異なるテーブルに置くという使い方も素敵。

実際に動かしてみると、想像以上にしっかりとした重量感があります。移動するときは下に毛布や布を挟んで滑らせると、床を傷つけにくくスムーズに移動できます。

家具_6,イタリア_6
カーブ面側に立ち、傾けて布等を挟んで滑らせて移動するのがおすすめ。

■魅力その3:コンクリートの官能性と本物の証であるブランドプレート

『アンコラ』は、“生のコンクリート”をそのまま用いたテーブルです。とはいえ、ただ粗野な素材というわけではありません。コンクリートは、仕上げの磨き方によって大きく表情を変える素材でもあります。

天板やエッジ部分は丁寧に研磨され、内部の骨材(構造的な強度を高めるために混ぜ込まれる砂利や小石)がうっすらと浮かび上がります。思わず触れたくなる滑らかな質感と、ほのかな透明感。デザイナーのロナン・ブルレックは、この魅力を「コンクリートの生の官能性」と表現しています。

家具_7,イタリア_7
面ごとに異なる磨き仕上げが、素材の奥行きを際立たせる。

裏返すと磨かれていないコンクリート本来の肌が現れ、そこには「マジス」のロゴが刻まれたブランドプレートを見ることができます。興味深いのは、「マジス」の製品ではこのプレートのデザインがプロダクトごとに異なること。デザイナーの創造性を尊重するブランドの姿勢が、こうした細部にも表れています。

普段は目に触れない部分ですが、こうしたディテールこそがデザイン家具としての完成度を静かに物語ります。

家具_8,イタリア_8
野趣溢れるコンクリートのざらざら面とステンレスの正規品ロゴプレートの対比が美しい天板裏面。

「マジス」は、最先端の技術とデザインを日常のプロダクトに取り入れ、インテリアデザインに新しい価値をもたらしてきたブランドです。素材や製造技術の可能性を常に探りながら、世界的デザイナーたちと協働し、時代の空気をとらえたものづくりに挑み続けています。その人気の高さゆえに模倣品(フェイク商品)が多く出回っていることでも知られ、ブランドとしても対策に力を入れています。

■ここにも注目!:新生活応援のポイントキャンペーンを実施中

現在「マジス」のプロダクトは、4月末までキャンペーンを実施中。対象商品の購入金額に対して、次回以降の買い物に使える15%分のポイントが付与されるので、ぜひチェックしてみてください。


今回は、イタリアの注目ブランド「マジス」から、彫刻のような存在感を放つテーブル『アンコラ』をご紹介しました。転居や模様替えなど春の新生活が始まるタイミングに、空間にさりげない個性を与えてくれるデザインアイテムを取り入れて、インテリアをハンサムに整えてみてはいかがでしょうか。

※掲載した商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

関連記事

この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM