梅雨から本格的な夏本番へと向かう6月~7月は、アジサイやユリ、ラベンダーなど、目に鮮やかなさまざまなお花が満開を迎える時季。日本の旅先を熟知している旅行会社JTBの広報・鈴木晶子さんに、神戸、鳥取、高知、長崎で、見ごたえのある5つの「花の名所」と、そこでいただけるスイーツや地産地消の美食を教えていただきました。

【関連記事:初夏を彩るビビッドなお花が見頃!フォトジェニックな「東日本のフラワースポット」5つ】

■1:幻と呼ばれる「シチダンカ」も! 六甲高山植物園のアジサイ(兵庫県神戸市)

エレガントな姿のヒメアジサイ。見頃は6月下旬~7月下旬
エレガントな姿のヒメアジサイ。見頃は6月下旬~7月下旬
繊細で美しい花が咲くコアジサイ。見頃は6月中旬~下旬
繊細で美しい花が咲くコアジサイ。見頃は6月中旬~下旬

アジサイの見頃は6月下旬~7月下旬

海抜865mの六甲山頂付近にある「六甲高山植物園」では、自生植物をはじめ、世界の高山植物や寒冷地植物など、約1,500種が栽培されています。6月下旬~7月下旬にかけては、アジサイが見頃。コアジサイ、ヒメアジサイなど、さまざまな種類が次々と開花します。

絶滅したと思われていたシチダンカが六甲山で再発見。見頃は6月下旬~7月中旬
絶滅したと思われていたシチダンカが六甲山で再発見。見頃は6月下旬~7月中旬

中でも注目は、“幻のアジサイ”と呼ばれるシチダンカ。ヤマアジサイの一品種で、花のように変化したがく部分の「飾り花」は八重咲となり、数十枚のがく片が星形になって、重なり合う様子が美しい品種です。

「紫ががったブルーが美しい、可憐なアジサイです。雨上がりに濡れた瑞々しい姿が特にきれいですね」(鈴木さん)。

六甲山で採れたハチミツ入りカレーがおすすめ!

ハチミツと野菜の甘みが特徴的な「六甲山のやまみつカレー」¥1,100(税込)
ハチミツと野菜の甘みが特徴的な「六甲山のやまみつカレー」¥1,100(税込)

美しい草木を愛でたら、東入口から出てすぐの「カフェエーデルワイス」へ。おすすめは、六甲山で採れたハチミツ「やまみつ」を使った甘口カレー「六甲山のやまみつカレー」。やまみつと野菜の甘みが口の中に広がり、後味にはスパイスの風味が残ります。

✔インスタ撮るならココ!フォトジェニックスポット

アジサイが咲く森の中で記念撮影
アジサイが咲く森の中で記念撮影

アジサイ園では、シチダンカ、コアジサイ、ヒメアジサイなどが次々に開花し、珍しいアジサイの仲間の写真を撮ることができます。

問い合わせ先

(画像提供)六甲高山植物園

■2:洋風の背景でフォトジェニック! 神戸布引ハーブ園/ロープウェイのラベンダー&アジサイ&ユリ(兵庫県神戸市)

四季折々で、約200種75,000株の花やハーブが見られる日本最大級のハーブ園。5月下旬~7月にかけては、ラベンダー、アジサイ、ユリが見頃となります。

ラベンダーの見頃は5月下旬~7月上旬

「ハーブの女王」と呼ばれるラベンダーが満開
「ハーブの女王」と呼ばれるラベンダーが満開

ラベンダー園では、色鮮やかな青紫のラベンダーが満開に。園内には癒しの香りが漂います。6月2日(土)~7月1日(日)の土日には、摘み取りイベントも開催。持ち帰ってポプリにしてもステキですね。

アジサイの見頃は6月中旬~7月下旬

林の小径に咲くアジサイ
林の小径に咲くアジサイ

雨の日に、雨水に濡れて輝くアジサイの姿を見に行くのもおすすめです。

ユリの見頃は6月下旬~7月下旬

色鮮やかなピンクのオリエンタルリリー
色鮮やかなピンクのオリエンタルリリー
黄色のオリエンタルリリー。新緑とのコントラストが美しい
黄色のオリエンタルリリー。新緑とのコントラストが美しい

ユリ園では、凛として美しいユリが満開に。上品で甘い香りが華やいだ気分を演出してくれます。

「ドイツのヴァルトブルク城をモチーフにしたレストハウスをはじめ、西洋風の建物やお庭を背景にハーブや花が鑑賞できます。写真映えもバッチリです」(鈴木さん)。

2018年春にオープンしたばかりのテラス&カフェラウンジ「ザ・ヴェランダ神戸」が便利

オリジナルブレンドのハーブティーといただく「季節のクリエーション」
オリジナルブレンドのハーブティーといただく「季節のクリエーション」

2階のカフェラウンジのおすすめは、旬のフルーツなどを使ったスイーツ「季節のクリエーション」。12種のオリジナルブレンドハーブティーとあわせてどうぞ。

「サヴァラン」。オリジナルのクリームでパフェ風に。¥900
「サヴァラン」。オリジナルのクリームでパフェ風に。¥900
ローズとミントのフレーバーが爽やかな「ガーデンソフトクリーム」¥500
ローズとミントのフレーバーが爽やかな「ガーデンソフトクリーム」¥500
ローズマリーやバジルが香る「布引ハーブバーガー」¥1,000
ローズマリーやバジルが香る「布引ハーブバーガー」¥1,000

1階テラスでは、フランスの伝統的な焼き菓子をパフェ風に仕上げた「サヴァラン」、ローズ&ミント風味の「ガーデンソフトクリーム」、ローズマリー&カボチャを練り込んだバンズに国産牛100%のパテを挟み、バジルの入ったソースをかけた「布引ハーフバーガー」などが楽しめます。

✔インスタ撮るならココ!フォトジェニックスポット

ドイツの「ヴァルトブルク城」を模したレストハウスや城門に囲われた広場
ドイツの「ヴァルトブルク城」を模したレストハウスや城門に囲われた広場

ヨーロッパの古城「ヴァルトブルク城」をモチーフにした展望レストハウスを背景に、ウエルカムガーデンのハーブや花々をパシャリ。まるで中世にタイムスリップしたかのような写真を撮ることができます。

問い合わせ先

(画像提供)神戸布引ハーブ園/ロープウェイ

■3:開山1300年を迎える大山を背景に! とっとり花回廊のユリ&ブルーサルビア(鳥取県西伯郡南部町)

ユリの背景に見えるのは開山1300年祭を迎える大山
ユリの背景に見えるのは開山1300年祭を迎える大山

ユリの見頃は6月下旬まで

とっとり花回廊は、標高1,709mの名峰、大山を間近に望むフラワーパーク。ユリをメインフラワーとして通年展示し、日本に自生するユリ15品種すべてがここに。

「今年、開山1300年祭を迎える大山をバックに、季節のお花が楽しめるのがこちらの魅力ですね」(鈴木さん)。

「ゆりまつり」の開催は、6月16日(土)~7月1日(日)

6月16日(土)~7月1日(日)には、「ゆりまつり」が開催され、通常よりも多品種が鑑賞できます。今年は開花時期が早まっているので、開催前から見頃が始まりそうです。開花状況はFacebookなどで随時更新しているので、事前に確認してから向かいましょう。

ブルーサルビアの見頃は6月中旬~8月中旬まで

青々とした花が目にも鮮やかな、「花の丘」のブルーサルビア
青々とした花が目にも鮮やかな、「花の丘」のブルーサルビア

6月中旬~8月中旬までは、「花の丘」エリアで5万株のブルーサルビアが見られます。なだらかに広がる1万平方メートルの広大な花畑が、ブルーパープルのお花のじゅうたんに。

食べられるお花! エディルフラワーのちらし寿司

食べるのがもったいない、花がちりばめられた「花ちらし」
食べるのがもったいない、花がちりばめられた「花ちらし」

レストラン「はなかいろう」では、カニのチラシ寿司の上に、食べられるお花“エディブルフラワー”を飾った目にも舌にも美味しい「花ちらし」が味わえます。

食虫植物やひまわりも楽しめる

ユーモラスな動きから目が離せない食虫植物
ユーモラスな動きから目が離せない食虫植物
背丈の高いひまわり畑は、お花の迷路のよう
背丈の高いひまわり畑は、お花の迷路のよう

7月14日(土)~8月26日(日)の期間中は、ウツボカズラなど様々な食虫植物を展示する「食虫植物展」を開催。毎年恒例のイベントで、お子様の夏休みの自由研究としても人気だそう。昆虫を捕食する様子など、ユリやサルビアにはない独特の動きが見られます。

また、8月上旬頃になると、水上花壇のひまわりが見頃に! 約4,000本のひまわりが花開き、園内を明るく彩ります。花壇の間には通路があり、ひまわりに囲まれながら散策を楽しむことも。

✔インスタ撮るならココ!フォトジェニックスポット

真夏の太陽のような鮮やかなイエローがまぶしいルドベキア
真夏の太陽のような鮮やかなイエローがまぶしいルドベキア

ブルーサルビアやルドベキアが咲き誇る「花の丘」は、大山を背景に写真撮影ができる、絶景スポットです。

問い合わせ先

(画像提供)とっとり花回廊

■4:まるで絵画の中に迷い込んだよう。北川村「モネの庭」マルモッタンの青いスイレン(高知県安芸郡北川村)

水の庭のスイレン。モネの絵画の世界に出合える
水の庭のスイレン。モネの絵画の世界に出合える
ゆらめく水面に浮かぶスイレンに心癒されそう
ゆらめく水面に浮かぶスイレンに心癒されそう

印象派の巨匠、クロード・モネが愛したフランス・ジヴェルニーの庭を再現したのが、ここ北川村「モネの庭」マルモッタン。絵画の世界に浸りながら、四季折々の花が楽しめます。

スイレンの見頃は4月下旬~10月上旬。「青いスイレン」も6月下旬頃から開花

池の周りには、藤や桜、柳などが植えられています
池の周りには、藤や桜、柳などが植えられています

4月下旬~10月上旬は、モネの絵に描かれた、赤や白のスイレンが見頃。絵画作品の中で見たことがある風景がそこかしこに! また、モネがフランスで咲かせようと夢見た「青いスイレン」も、6月下旬頃から開花を始めます。

「モネの家を再現した『カフェ モネの家』でフォトジェニックなランチを食べながら、モネが目にした景色に想いを馳せてみてはいかがでしょうか?」(鈴木さん)。

高知のブランドポークのランチをカフェで

四万十ポーク 焦がしバターソテー ~北川村ゆずポン酢ソース~
四万十ポーク 焦がしバターソテー ~北川村ゆずポン酢ソース~

「カフェ モネの家」おすすめは北川村のユズを使ったメニュー、「四万十ポーク 焦がしバターソテー ~北川村ゆずポン酢ソース~」。肉の旨みたっぷりのジューシーなポークを、爽やかなユズの風味とともにいただきます。

✔インスタ撮るならココ!フォトジェニックスポット

水の庭。モネの作品とスイレンの池
水の庭。モネの作品とスイレンの池

「水の庭」エリアにある、モネの絵画が飾られた場所がフォトスポット。絵画の中の世界が目の前に広がります。空や雲、周りの木々までも映しこむ水鏡が芸術的な美しさです。

問い合わせ先

(画像提供)北川村「モネの庭」マルモッタン

■5:夜には幻想的なライトアップも! ハウステンボスの「あじさい祭」&「ゆり祭」

ガーデンレストラン「アムステルダム広場」が「音楽とあじさいの広場」に
ガーデンレストラン「アムステルダム広場」が「音楽とあじさいの広場」に

アジサイとユリの見頃は6~7月

ヨーロッパの街並みに、四季折々の花が咲く「ハウステンボス」。6~7月は、アジサイとユリが見頃です。

6月2日(土)~7月1日(日)には、約1,250品種が見られる「あじさい祭」。6月23日(土)~7月16日(月)には、約300品種のユリが見られる「ゆり祭」が開催されます。アジサイとユリは日本最多の品種数を誇るといい、期間中は、色とりどりの花弁が園内を鮮やかに彩ります。

6月2日(土)~7月1日(日)は「あじさい祭」

斜面の遊歩道「あじさいロード」をお散歩
斜面の遊歩道「あじさいロード」をお散歩
夜になると「あじさいロード」がライトアップ!
夜になると「あじさいロード」がライトアップ!

「あじさい祭」では、宮殿の並木道沿い800mが「あじさいロード」に。夜になるとライトアップされて幻想的な雰囲気になります。

ホテルヨーロッパのロビーもカラフルなアジサイに彩られます
ホテルヨーロッパのロビーもカラフルなアジサイに彩られます

クラシックな雰囲気のホテルヨーロッパのロビーもアジサイ一色に。

「パレス ハウステンボス」前では「あじさいマーケット」を開催
「パレス ハウステンボス」前では「あじさいマーケット」を開催

鑑賞するだけでなく、お気に入りを買って帰れる「あじさいマーケット」も。珍しい品種のアジサイも並んでいます。

「【新緑】世知原茶と彩り団子」
「【新緑】世知原茶と彩り団子」

「あじさい祭」期間中には、限定メニューも登場。「【新緑】世知原茶と彩り団子」は、紅白のお団子に、世知原茶・白餡・紫いも・あずき・茂木ビワジャムの5種類の餡を使ったカラフルなお団子。長崎県の銘茶・世知原茶とともにどうぞ。

6月23日(土)~7月16日(月)は「ゆり祭」

「アムステルダム広場」がゆりの広場に
「アムステルダム広場」がゆりの広場に
夜になるとゆりの広場がライトアップされます
夜になるとゆりの広場がライトアップされます

「ゆり祭」では、花と音楽に溢れる「アムステルダム広場」が色とりどりのユリいっぱいの「ゆりの広場」に。妖艶にライトアップされる夜の風景も見逃せません。

「パレスハウステンボス」は、ユリが織り成す空間装飾が圧巻
「パレスハウステンボス」は、ユリが織り成す空間装飾が圧巻

「種類の多さはピカイチ! カラフルな写真が取れること間違いなしです」(鈴木さん)

✔インスタ撮るならココ!フォトジェニックスポット

ブルーやピンク、ホワイトと、カラフルに彩られた「あじさいの壁」
ブルーやピンク、ホワイトと、カラフルに彩られた「あじさいの壁」

「あじさい祭」のフォトスポットは、「パレス ハウステンボス」の「あじさいの壁」。高さ2m長さ10mの壁一面にアジサイが!

生花に包まれて写真が撮れる「ゆりのドレス」
生花に包まれて写真が撮れる「ゆりのドレス」

「ゆり祭」では、アートガーデンの「ゆりのドレス」がフォトスポット。まるでユリの生花のドレスをまとったかのような写真撮影が可能になります。

問い合わせ先

(画像提供)ハウステンボス(C)ハウステンボス/J-18482

以上、西日本で初夏におすすめしたい「フラワースポット」でした。週末にお出かけしたいスポットは見つかりましたか? お花の見ごろは、ほんのひととき。気になったらためらわずにご友人やパートナーを誘って、足を運んでみてくだいね。きっと素敵な初夏の思い出ができること請け合いです。

なお、各スポットのお花の見頃は、気候や天候などにより前後する場合があります。お出かけの際は、事前にホームページなどで確認しましょう。

取材協力

初夏を彩るビビッドなお花が見頃!フォトジェニックな「東日本のフラワースポット」5つ

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。