ちょっと凝った盛り付けの料理が登場すると、「これ、どうやって食べればいいの?」と内心焦ってしまうことはありませんか?

そこで、マナー本ではあまり見かけない料理の食べ方マナーをお届けします。今回は、丼物料理の食べ方マナーを、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教わります。

丼物の基本の食べ方マナー

仕事で上司とお食事処に同行するとき、高級店に行くときにも、牛丼や海鮮丼、天丼などをいただくシーンは訪れるでしょう。この丼物、できるだけエレガントにいただくにはどうすればいいのでしょうか?

まずは丼物の食べ方の素朴な疑問を解消しておきましょう!

Q. 丼ぶりを持って食べてもいいの?
A. 基本はいいです。その丼ぶりが手で持てる大きさや重さ、やけどをしない温度であればOKです。ただし、女性は丼ぶりを持つより、利き手ではないほうの手を添えて食べるほうが美しいです。
Q. 丼のふちに口をつけてすするように食べてもいいの?
A. それはNGです。丼のふちの口をつけて、お箸でかき込むようなことはせず、きちんとお箸にのせて口に運びます。

よくある丼物!牛丼・海鮮丼・天丼それぞれの食べ方マナー

では、牛丼・海鮮丼・天丼のそれぞれの食べ方マナーをみていきましょう。

■1:牛丼

牛丼
Q. いつも食べているうちに丼ぶりの中が汚くなりがち…。どうすればいい?
A. 基本は左手前から食べていきます。丼ぶりの中が卵やつゆで汚れてきても、それは気にすることはありません。ただし、食べ終わるときに丼にご飯粒をつけっぱなしなどにはしないように。
上に半熟卵がのっている場合は、黄身が丼につかないようにするときれいに食べることができます。そのためには、お箸で黄身の箇所を少し割り、左手前の牛肉をお箸でもち、黄身をつけて、元の位置に戻してごはんと一緒に食べると丼を汚さずに済みます。
Q. スプーンで食べてもいいの?
A. もしスプーンがついてくれば、それは「スプーンで食べてもいいですよ」というお店側の意向や配慮ですので、スプーンを使用して食べてもかまいません。

■2:海鮮丼

海鮮丼
Q. 食べる順番は決まっているの?
A. 一般的には、淡白な味のものから食べるのがマナーといわれています。淡白な味のものとは、海鮮丼でいえば、白身魚やイカなどでしょう。どんな具がどのように盛られているかで、食べ方やその順番も変ってきます。基本的には、左手前のものから食べていくと美しいです。左手前側を食べたら、次は右奥を食べるというような食べ方はエレガントではありません。
Q. 殻が汚くなりがちな甘エビは手でつかんでもいいの? 先に食べるべき?
A. 大きな甘エビであれば、手でつかむしかありません。その際、手が汚れたらタオル地のお手拭きでは拭かないように気をつけましょう。手が汚れたら紙ナプキンか、持参している懐紙(かいし)などを使用します。懐紙とは、懐(ふところ)に入れて携帯するための和紙で、食事のときには口や指、箸先の汚れを拭くときなどに使用するものです。女性のたしなみのひとつとして携帯しておくと便利ですし、素敵です。
淡白なものから食べていき、食べるタイミングが来たら甘エビを食べましょう。頭は他に小皿があれば、そこに乗せたり、汁物の蓋があれば、その蓋を小皿代わりにして置いておいたりします。丼物を食べ終わったら頭を丼の中に入れて、汁物の蓋はお椀に元通りに蓋をします。もし小皿などがなければ、懐紙を持っている場合、懐紙の上に置いておき、食べ終わったら丼ぶりの中にいれます。懐紙がないときには、お店にある紙ナプキンを代用させてもらうとよいでしょう。
Q. 大葉はいつ食べるの? 残してもいいの?
A. 大葉はお口直しや消化作用を促すといわれているので食べるとよいでしょう。ただ無理をして食べる必要はありません。

■3:天丼

Q. どれから食べればいいの?
A. こちらも基本は左手前から食べていきましょう。
Q. エビをひと口食べて、次はナスをひと口、次はサツマイモをひと口など、ひと口ずつ食べるのはOK?
A. それはNGです。天ぷらの食べ方として、本来、エビをひと口食べて、それを一度戻すこともNGです。とはいえ丼物の場合は、ご飯と一緒に食べたいものですので、一度置いてご飯をいただきたいですよね。
丼の中で天ぷらをひと口大に切ることはむずかしいと思いますので、噛み切るしかないのですが、噛み切ったらそれを丼には戻さずに食べ続けるのが本来のマナー。しかし、そうするとごはんと一緒に食べることができませんから、噛み切ったものを丼に戻す必要があります。
このときの注意点、マナーとしては、噛み切った箇所を自分のほうに向けて置くということです。また歯型がつかないように「しのび食い」といわれる食べ方をします。しのび食いとは、一度、噛み切った箇所の歯型をなくすために、リスが小さな口で可愛く食べるように、少しずつかじって周囲を配慮したマナーとしての食べ方です。一度噛み切ったら、しのび食いをして食べかけの天ぷらを丼に戻し、ご飯を食べるとよりエレガントになるでしょう。
Q. エビを先に食べると殻の置き場に困る…
A. 海鮮丼と同様に、まずは左手前から食べていき、食べるタイミングになったらエビを食べるといいです。また殻も懐紙かナプキン、お椀の蓋を利用して置いておき、最後は丼ぶりの中に戻します。

丼物は女性にとって少々食べにくいものですが、今回教わった基本マナーやワザを用いて、ぜひ最後までエレガントにおいしく味わい、楽しい会食の場にしましょう。

西出ひろ子さん
マナー講師
マナーは相手の立場にたつ『相手ファースト』という真心マナー®とおもてなし礼法®を伝える第一人者。和食、洋食などの食べ方のマナーの書籍やテレビ出演など多数。企業での人財育成やコンサルティングをはじめ、NHK大河ドラマや映画などで、多くの俳優や女優たちにマナー指導もおこなうマナー界のカリスマ。その教えを学びにすでにマナー講師として活躍している人々などが世界中から訪れ、マナー講師の育成指導もおこなっている。近年は、マナー評論家・マナー解説者としてのメディア取材や出演依頼も多数。著書・監修本は国内外で80冊以上。http://www.hirokomanner-group.com

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