その静かな眼差しを通して何を思い、どこへ向かうのか
──まずは“グッチ”のブランドアンバサダーとして伝統と美学に触れるなかで、感じたことをお聞かせください。
「“グッチ”の服はどう見せたいかという意識を少し変えるだけで、空気がガラッと変わるような感覚があります。ストリート風に見せることも、エレガントにもなれる。身に纏うことで、自分の可能性を引き出せる服だと思います。そしてどの時代でも、意志のある女性像がありますね。ブランド側も、そういった“強さ”を私のなかに見出してくださったのだと感じています」
──戸田さんにとって、“強さ”とは何だと思いますか?
「多様なものを受け止めながらも、自分の軸をもっていることだと思います。私も芯はブレずにもっています。若い頃から、自分が何を求め、何を大切にしたいのかという指標は、迷うことなく、心にずっとありました」
──仕事に対してのスタンスも、昔から一貫していたのでしょうか?
「やりたい作品には一直線に進むという極端なところもありました。若い頃は、そんな自分を守るために、自らに鎧を着せていたのかもしれません。ただ、年齢を重ねるごとに柔軟性が少しずつ出てきて、いろいろなものを受け入れられるようになった気がします。フラットでいたほうが物事はうまく進むということを経験から体得して、『気張らなくていいんだ』と気付きました。キャリアと自信が積み重なるのと同時に、人として柔らかくなれたのだと思います」
──人生の充実期を迎えた今、今後どのように年を重ねていきたいですか?
「“諦めない人生”を生きていきたいです。クリント・イーストウッド監督作品を観て、そう感じました。彼自身からも、何歳になってもつくり手として、表現者として、活躍し続ける姿に勇気をもらいましたね。年齢を重ねたからこそ描ける美しさがある、と気付かされました」
──結婚・出産でライフステージが変わり、仕事とのバランスのとり方に変化はありましたか?
「撮影期間中は常に“オン”の状態ですが、家では台本を開かないと決めています。ただ、思考は止まらないので、完全に“オフ”にはなりきらないのですが。行き詰まったときは以前は海に潜っていました。今は自然のなかに身をおくことでリフレッシュしています」
──最後に、最近心が動いた瞬間について教えてください。
「『地獄に堕ちるわよ』で瀧本智行監督と出会えたことは、私の宝物です。一緒に役と向き合い、演者と同じ側の世界を生きてくれた監督の姿に、心から感銘を受けました」
──ゆくゆくは、ご自身で監督主演作品をつくられていそうな気もします。
「そういう気持ちが芽生えたときもありましたね。最近も、『絶対撮ったほうがいいよ』と言っていただいたことも。子育てが落ち着いて、やるべきと思える機会に巡り合えたら…? 可能性はあるかもしれませんね(笑)」
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
関連記事
- 【鈴木保奈美さんに独占インタビュー】気になる10の質問にお答えいただきました|連載中の人気フォトエッセイが単行本に!『中途半端な旅人は語る』発売
- 俳優・坂口憲二さんインタビュー「人生を拡げるその先に」――俳優、焙煎士、経営者。“異なる時間”を生きることで手に入れた役者としての第二幕
- 【音楽家 岡村靖幸さんインタビュー Vol.1】デビュー40周年!孤高の天才音楽家の現在地
- PHOTO :
- 伊藤彰紀(aosora)
- STYLIST :
- 髙橋リタ
- HAIR MAKE :
- ヘア/芝田貴之(SIGNO) メイク/Haruka Tazaki(H studio)
- EDIT&WRITING :
- 下村葉月、福本絵里香(Precious)

















