日本全国に温泉宿は数多あれど、情報の海のなかから本当に満足度の高い一軒を見つけ出すのは至難の業。そこで、本連載では、国内外の温泉を巡りその神髄を知り尽くした温泉ジャーナリスト・植竹深雪さんに、自ら足を運び五感で確かめた上質な宿をピックアップしてもらいました。

極上の湯に癒されるのはもちろん、その土地ならではの美食やホスピタリティで心ゆくまでリフレッシュしたい! そんな大人の女性のニーズに応える至福の旅をナビゲートします。今回ご紹介するのは福島県・磐梯熱海温泉にある「守田屋」です。

植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の4000スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『おとな「ひとり温泉旅」のススメ』(三笠書房)、『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

客室露天と3つの貸切風呂で自由気ままに湯浴みを満喫

福島県郡山市の西部、磐梯山に程近い山間部に湧く磐梯熱海温泉。平安・鎌倉時代にこの地を治めた領主が、故郷の伊豆・熱海温泉を偲んで名付けたとされ、開湯から約800年の歴史を誇ります。

そのなかでも、大人のための上質な宿としてリピーター客が多いのが「守田屋」。清流のせせらぎを感じる静かなロケーションに佇み、全10室の客室すべてに源泉かけ流しの露天風呂を備えています。さらに館内には3つの貸切風呂があり、周囲を気にせず、自分のペースで温泉三昧できるのが醍醐味です。

外観
「守田屋」の外観。宿泊は12歳以上限定で、“大人がゆっくり寛げる宿”をコンセプトとしている。
ラウンジ
ロビーラウンジ。
客室露天風呂
客室露天風呂の一例。

「こちらの湯は、pH9.3のアルカリ性単純温泉。浴槽に浸かると、化粧水のようなトロンとした浴感が心地よく感じられ、アルカリ性の石鹸が皮膚表面の角質や皮脂を除去するように、肌をなめらかに整えてくれる効果が期待できます。そんな美人の湯を客室の露天風呂や貸切風呂でひとり占めできるのが実に贅沢です。3つの貸切風呂はそれぞれ趣が異なり、湯巡り気分を満喫できるのも格別でした」(植竹さん)

3つの貸切風呂は「川音の湯」、「森のかくれんぼ」、「漆塗りのお風呂」。「川音の湯」は、もともと大浴場だった施設を貸切にしたもので、ゆったりとした広さが魅力です。「森のかくれんぼ」は、間近に五百川のせせらぎを聞きながら湯浴みできる開放的な空間。そして、「漆塗りのお風呂」は、木と漆の温もりに包まれた静謐な空間で、じっくりとお湯と向き合うのに好適です。

川音の湯
川音の湯。
森のかくれんぼ
森のかくれんぼ。
漆のお風呂
漆のお風呂。

「守田屋」では湯上りのサービスも充実。1階のカフェラウンジは北欧風のインテリアでまとめられ、高品質なオーディオから流れるジャズを聴きながら過ごせる空間です。自家製のゆずジュースなど、湯上りの体に染み渡るこだわりのドリンクが用意されているほか、時間帯によっては地酒「会津娘」や「国権」の提供もあります。

誰にも気兼ねせず、美人の湯を堪能したあとは、ご当地の一杯で喉を潤す。湯の余韻に浸りながら、ゆったりと流れる時間を楽しめるのも「守田屋」ならではです。 

ラウンジ
カフェラウンジ。

福島の味覚を盛り込んだ季節を感じる会席料理

食事処
食事処。

ディナーは、伝統とモダンが融合した創作和食会席。会津産の馬肉、ブランド地鶏の川俣シャモ、うまみの強い阿武隈川メイプルサーモンなど、土地の恵みを生かしたお料理が会津漆器やこだわりの陶器に盛り付けられ、目でも楽しませてくれます。

2026年秋のメインメニューは福島県産・えごま豚の朴葉味噌焼き。その名のとおり、えごまを食べて育ったブランドポークは、脂身がとてもさっぱりとしていて甘みがあり、香ばしい朴葉味噌との相性も抜群です。そのほか、お祝いの席で振る舞われる具沢山の汁物「こづゆ」、にしんの山椒漬けなど郷土料理の数々が旅情を高めてくれます。

夕食一例
夕食一例

朝食は、程よいボリュームでおいしいものを少しずつ集めた王道の和朝食。ふっくらとした焼き魚、温泉卵、湯豆腐、福島名物の「いかにんじん」をはじめ滋味深い里山のおかずが丁寧に盛り付けられ、炊きたての会津米と共に旅の朝の始まりを穏やかにサポートしてくれます。

朝食一例
朝食一例。

以上、磐梯熱海温泉「守田屋」でご紹介しました。客室露天と3つの貸切風呂を湯巡りし、肌も心もリフレッシュしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

問い合わせ先

  • 守田屋
  • 住所/ 福島県郡山市熱海町熱海5-271
    客室数/全10室
    料金/朝夕2食付き 2名1室1名 ¥25,300~(税込)
  • TEL:024-984-2620

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WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生(Precious.jp)