老舗喫茶店に加え、ここ数年は海外や東京からのコーヒーショップの参入や、自家焙煎のコーヒー専門店の出店も多く、コーヒー激戦区と呼ばれる京都。今回は、そのなかでも異彩を放つ「walden woods kyoto(ウォールデン ウッズ キョウト)」を紹介します。

テーブルやイスもない真っ白な空間が広がる、京都発のコーヒーショップ「walden woods kyoto(ウォールデン ウッズ キョウト)」

外壁や階段、カウンター、ベンチも真っ白。カウンター内に置かれたブラックボディの大型焙煎機がひときわ目を引く
外壁や階段、カウンター、ベンチも真っ白。カウンター内に置かれたブラックボディの大型焙煎機がひときわ目を引く

コーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」は、京都の細道に突如として現れる

昔ながらの民家が並び、京都の日常が広がる細道に突如として現れる真っ白の建物。1階はコーヒーの注文カウンターになっていて、コーヒーを受け取った後に2階に上がるとイートインスペースも真っ白な空間に。しかもテーブルやイスはなく、3面の壁にひな壇があるのみ。

こちらは、アメリカの哲学者、ヘンリー・D・ソローが孤独な生活のなかに自由を求め、ひとりで暮らしたウォールデンの森がイメージソースに。寝っ転がって本を読んだり、物思いにふけったり・・・自由に過ごせる”白い森”になっています。

コーヒーはエスプレッソ系とハンドドリップ、どちらも楽しめる
コーヒーはエスプレッソ系とハンドドリップ、どちらも楽しめる
テーブルやイスもない2階のイートインフロア。店前には公園が広がり、窓の外には緑が望める
テーブルやイスもない2階のイートインフロア。店前には公園が広がり、窓の外には緑が望める

自由に過ごせる”白い森”、京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」

一見するとシンプルな空間ながら、洋館風の窓枠や天井の梁など、大正時代に建てられた建築の面影を感じる造りに。また、”白い森”らしく真っ白な壁に見えてカモフラージュ柄になっていたり、ランプや食器、トレーなどもアウトドアを意識し、フランスのヴィンテージや古いミリタリーものが使われています。

2階の照明は60年代製、フランス軍のランタンで統一されている
2階の照明は60年代製、フランス軍のランタンで統一されている

■京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」の看板メニューは、自家焙煎コーヒーとチャイ

1966年式の半熱風式焙煎機。ブレンドはエスプレッソ用と季節替わりの2種類、シングルオリジン2種類を常時ラインアップ
1966年式の半熱風式焙煎機。ブレンドはエスプレッソ用と季節替わりの2種類、シングルオリジン2種類を常時ラインアップ

サードウェーブコーヒーの魅力が存分に楽しめる、京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」

1階のカウンター内で目を引くのが、日本では珍しいドイツ・プロバット社製1966年式の半熱風式焙煎機。「温度や風量を均一に保てる最新式の焙煎機より手がかかり、コントロールも難しいのですがそこが良さです」と、マネージャーの梅田考也さん。梅田さんは、西海岸発コーヒーショップ「ヴァーヴコーヒーロースターズ」出身で、こちらの店でもサードウェーブ系のスペシャリティコーヒーを中心に。それぞれの豆の特徴に合わせて焙煎し、サードウェーブコーヒーの魅力である良質な酸味やさわやかなフレーバー、クリアな後味を楽しめます。

ラテ \450、パウンドケーキ・プレーン \300
ラテ \450、パウンドケーキ・プレーン \300

スパイシーで香り高いチャイもオススメ、京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」

コーヒーに加え、チャイにも力を入れ、アンコールワットやベトナムなど、スタッフが旅先で探し出会ったスパイスを独自でブレンド。かなりスパイシーで香りもよく、時期によって調合がかわるのも面白いポイントです。

削りたてのスパイスは香りが格別。スパイスが効いたチャイ \600
削りたてのスパイスは香りが格別。スパイスが効いたチャイ \600
ヴィンテージのアウトドアグッズやミリタリーアイテムも販売されている 
ヴィンテージのアウトドアグッズやミリタリーアイテムも販売されている 
パウンドケーキは自家製でそれぞれ \300
パウンドケーキは自家製でそれぞれ \300

■京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」をプロデュースするのは、ファッションと食のプロフェッショナル

テイクアウトカップも用意。一つひとつ違うスリーブのワードも注目
テイクアウトカップも用意。一つひとつ違うスリーブのワードも注目

「nº44 」アーティスティックディレクター・嶋村正一郎さんと、レストランを運営する西村雄次さんが手掛ける、京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」

このカフェを手掛けるのはアパレルブランド「nº44 」のアーティスティックディレクターとして活躍する嶋村正一郎さんと関西エリアでレストランを運営する西村雄次さん。ファッションと食のプロが目指したのは海外や東京の模倣ではなく、これまでにないお店。

あえて京都駅と河原町の間に位置する、京都のコーヒーショップ「ウォールデン ウッズ キョウト」

場所もあえて街中ではなく、京都駅と河原町の間に。「ヨーロッパを旅行していたら、京都駅から河原町までぐらいの距離は歩くでしょ。この辺は、ゲストハウスも多いし、通りすがりの海外のツーリストも多いですね。京都駅の北側には数年後、京都市芸術大学も移転してくるし、ここからムーブメントをつくれたら…と思っています」。

アイスラテ \450。夏限定で水出しアイスコーヒー(\400)も楽しめる。
アイスラテ \450。夏限定で水出しアイスコーヒー(\400)も楽しめる。

京都駅から徒歩10分強。京都らしくはないですが、京都に来ないと味わえないオンリーワンなコーヒーショップに訪れてみてはいかがでしょうか?

※価格はすべて税込です

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この記事の執筆者
女性情報誌の編集を経てフリーランスに。エディター・ライター歴15年以上。生まれ育った京都を拠点に、女性情報誌やファッション誌、グルメ誌に寄稿。京都特集や京都でのファンションロケのコーディネートも行う。
公式サイト:"映える!" なにそれ、おいしいの?
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WRITING :
天野準子