Dior(ディオール)の新アイコンバッグとして、2018年春夏コレクションに登場したのが、見た目に懐かしさも感じさせる「ディオール オブリーク」ロゴが敷き詰められた「BOOK TOTE(ブック トート)」です。今回は、かつて一斉を風靡したアーカイブから着想を得て、モダンに生まれ変わった新作バッグの制作秘話を、Precious.jp編集部が独占してご紹介します。

Dior(ディオール)ロゴが復活!現代に蘇ったバッグの制作秘話を公開【動画】

 

アーティスティック ディレクターに着任以降、メゾンのアーカイブを現代に蘇らせるべく、探求し続けるマリア・グラツィア・キウリ氏。そんな彼女が、2018年の春夏コレクションで新たに着目したのが、1967年にマルク・ボアンによって生み出された、グラフィカルな「オブリーク キャンバス」でした。

メゾンを象徴するロゴが全面に敷き詰められた、アイコニックなキャンバス地が大胆に使用されたバッグや小物は、かつて爆発的なヒットを記録。ファッション史に残るほどの影響力を与えました。

そんな、往年の名アイコンが、今シーズン、マリア・グラツィア氏によって生まれ変わりました!

タイムレスな素材を使用しながらも、現代人のライフスタイルに寄り添ったモダンなスタイルへと変化させることを得意とする彼女は、PCもすっぽり入る大きめサイズのトートバッグ「BOOK TOTE(ブック トート)」を考案。一見シンプルに見えますが、キャンバス地を制作するだけでも150万以上のステッチを要し、37時間以上もかかるという、こだわり抜かれたバッグの制作秘話を、今回は特別に教えていただきました。

ロゴ制作にかかる制作時間は、なんと、37時間以上!妥協を許さない職人たちのこだわりとは?

デザイナーによって手書きされるスタイル画
デザイナーによって手書きされるスタイル画

メゾンを象徴する歴史あるテキスタイルを現代に蘇らせる上で必要不可欠なのが、熟練の職人技術です。

刺しゅうの工程
刺しゅうの工程

バッグ全体に敷き詰められているブランドロゴの刺しゅうですが、よくよく見ると、3段階で立体的に仕上げられていることが分かります。

まず初めに、全面にグレー地を刺しゅうした後、ミシンの動きを慎重に注視する職人たちの手元で、ベージュのモチーフが描かれます。最後に、ナイトブルーの糸でブランドロゴが配されます。

刺しゅうが施されたキャンバス地
刺しゅうが施されたキャンバス地

完成へと近づいていくに連れて徐々に浮き上がってくる、バイアス状に綴られた「Dior」のブランドロゴは、互いに引き立て合う3つの色のコラボレーションによって、立体的な表情を奏でます。

細部の縫製まで、一切手を抜かない熟練の職人たち
細部の縫製まで、一切手を抜かない熟練の職人たち

キャンバス地の制作だけで37時間以上、150万以上のステッチを要するシグニチャーテキスタイルは、超過した糸をレーザーで取り除き、生地の端をミシンで縫うなど、細部の処理工程まで手抜きは許されません。

「BOOK TOTE(ブック トート)」
「BOOK TOTE(ブック トート)」

このようにして、メゾンが誇る職人たちの手により完璧に仕上げられるバッグは、耐朽性にも優れており、荷物の多い現代人のライフスタイルにも最適。PCなどを持ち歩きたいデイリースタイルから、週末の小旅行まで重宝しそうです。

生活に溶け込むようデザインされたバッグは、早くも海外セレブに愛用者が多いと評判の様子。売り切れ必至のアイテムを続々と世に出していくマリア・グラツィア・キウリ氏により、新たに綴られていく歴史的クリエーションの数々に、さらなる注目が集まります。

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EDIT&WRITING :
石原あや乃