学生時代の新学期やアルバイトの出勤初日など、新しいコミュニティに加わる瞬間は、いくつになってもドキドキするものですよね。素敵な仲間ができそうという期待と、うまく馴染めるだろうかという不安で、少なからず緊張した記憶がある人は多いはず。大人になってからも、就職先の職場や転職先、習い事やPTA、サークル活動など、既存のグループに新しく加わるというシーンはたくさんあります。

そこで、コミュニケーション・コンシェルジュの吉田正美さんに、新しいコミュニティに入るときのNG&OK対応を伺いました。人は、ビジュアルの第一印象で評価が決まってしまいがち。新しいコミュニティで心地よく活動するために、組織の輪に自然に馴染む術を身につけましょう。

新しいコミュニティに入るときにNGな対応4選

■1:派手な服装で参加する

初日は気合いを入れすぎないように

初対面の人と会う日のコーディネートに迷ってしまった、という経験がある人は多いことでしょう。「ファーストコンタクトのイメージは大事だから」と気合いを入れるのはよいことですが、装飾過多になってしまうのも、困りもの。自分をよく見せようと気負うあまり、いつもより派手な服装を選んでしまっていませんか?

吉田さんによると「まず押さえておきたいのは、第一印象からやたらと目立ってしまうのは、安全ではないということ。女性の場合は特に、華美な服装や露出の多い服装は避けるのが無難です」とのこと。

露出の多い服装を好む女性は、自己中心的でプライドが高く、他人との関係を持ちたがらない傾向があると言います。同性同士の目線があることを考えると、初めのうちは露出の少ない、落ち着きのある服装が好ましいでしょう。

「清潔感のある身だしなみを心掛けることも、重要です。特に男性の場合、相手が女性なら不衛生な印象を持たれた瞬間から『生理的に無理』という評価を下されてしまいます」(吉田さん)

一度貼られたレッテルは、なかなか払拭できないものです。外出前の身だしなみのチェックを念入りに行なうようにしましょう。

「人は見た目がほとんどです。地味か派手か、明るいか暗いか、清潔感があるか、不潔に見えるか……。服装がOKなら、さらに笑顔を添えて、表情やジェスチャーも取り入れましょう。また、落ち着きのなさは手に出ます。やたらと髪を触る、といった無駄な動きには注意しましょう」(吉田さん)

服装や身だしなみをチェックして問題がなければ、プラスαで表情や動作の印象にも気を配りたいところですね。

■2:目立ちたがる

規模の大小を問わず、グループにはリーダーとなる人物が必要です。リーダー向きの人とそうでない人がいるのは当然ですが、むやみやたらと仕切りたがり、自分が話題の中心にいないと気が済まないというタイプの人、あなたの周りにもいませんか? 新しいコミュニティに加わろうというとき、「私が、私が」と目立ちたがるのは考えものだと吉田さんは言います。

「他人の話を遮る人、Look at meの態度で自分の話ばかりする人は、周囲から引かれてしまいます。自慢話も快く思われないので、なるべく控えるようにしましょう」(吉田さん)

仮にも、既存のコミュニティに新しく入る新参者です。自分ではコミュニケーションを取ろうとしたつもりでも、結果的に周りから引かれてしまっては、元も子もありません。

吉田さんは、「目立ちたがりの人よりも大人しい人のほうが、周りが気にかけてくれて自然に輪に加われる、というケースは多いです」と言います。本来は目立つのが好き、おしゃべりが大好きという人も、まずは前に出たい気持ちをグッと抑えて、周囲の様子を窺うのが無難です。

■3:あざとい言動をする

お目当ての人にだけ媚びるのはNG!

相手によって声色を変える人は、どこのコミュニティにもよくいますよね。特定の相手と話すときだけ声のトーンが上がったり、猫なで声で話したり……。そういった切り替えが上手な女性が好みだ、という男性も少なからずいるのは事実ですが、傍から見ていると、あまり気持ちのよいものではありません。

「女性同士で話しているときと男性相手に話しているときで、声のトーンが変わる人はよくいます。たとえ自分も余所で同じように声色を変えていたとしても、女性はほかの女性のあざとい態度に、とても敏感です」(吉田さん)

もし新しく入るコミュニティの男女比が、男性が多く女性が少ない場合、特に注意が必要です。新入りのあざとい言動は、少数派の女性たちから反感を買う可能性大。相手によって声のトーンやしゃべり方がなるべく変わらないよう、意識することをおすすめします。

■4:いきなり遅刻する

待ち合わせに必ずといっていいほど遅刻してくる知人や友人、いませんか? ビジネスシーンでは、時間を守れない人とは、できる限り関わらないようにするのがよいと言われています。時間にルーズな人と付き合うとこちらまで巻き添えをくい、結果的に損をしてしまうケースがあるからです。これはビジネス以外にも当てはまります。

「普段の活動や会合などには、決して遅刻しないこと。いつも遅刻する人は、性格的にもルーズに見られてしまい、信頼されにくくなってしまいます」(吉田さん)

どうしても時間に間に合わないというときは、なるべく早めに「今どこにいて、何分くらい遅れる」などと、メンバーに連絡するのがマナー。同じ遅刻でも事前に連絡があるだけで、印象が大きく変わるはずです。


新しいコミュニティに入るときに望ましいOK対応4選

■5:各々の立ち位置を見極める

役割を見極めると馴染みやすい

「郷に入っては郷に従え」ということわざがあるように、会社やアルバイト先、サークルなどのコミュニティにはそれぞれルールがあるもの。グループにうまく馴染むには、組織内の雰囲気や各人の役割を見極めることが必要です。吉田さんによるとこの見極めのポイントは、(1)その集団の中心人物は誰か? (2)歴史が深い人は誰か? (3)各々の立ち位置を観察すること、が大切なのだとか。

「(1)の中心人物は、発言力があり、みんなに平等で人気があるリーダー資質の人です。(2)の歴史が深い人は、サブ的な立場で場を温め、サポートしている人。質問したいことなどがあれば、リーダーよりもこのタイプの人のほうが聞きやすく、集団にも受け入れられやすいはずです。

(3)の各々の立ち位置については、女性が多いコミュニティでは、派閥ができやすい傾向があります。初めはどこにも属さないリベラルなポジションを心掛け、気の合う人を見つけることです」(吉田さん)

ちなみに、女性が多いコミュニティで、チャットやLINEなどで連絡を取っている場合、個別に届いた連絡には気をつけましょう。一方の派閥に属する人が、別の誰かに不満があると、味方をつくりたいがために個別に連絡をし、共感を求めることもあるためです。

初めはあくまでリベラルなポジションを維持しつつ、(2)タイプの人のような話しかけやすい人を見つけて、雰囲気を掴むことからスタートしましょう。

■6:周りをよく見てアシストする

組織の中では、決して目立つ存在ではなくても周囲から信用され、必要とされる「縁の下の力持ち」タイプの人が1人や2人いるものですよね。表立って発言をするのではなく、集団から一歩引いた位置で周りをよく見て、アシストをするタイプの人です。男女を問わず、新しいコミュニティに入るときは、そうした気配りができると、スムーズに馴染むことができるのだと言います。

「女性が、男性の多いコミュニティに加わる際は、細やかさを大切にしたさりげない気配りを心掛けることが大事です。ただし、少数派の女性から嫉妬されないよう、目立ちすぎには注意しましょう。女性の多いコミュニティなら、自分の話ばかりしてはいけません。人は、自分の話をしっかり聞いてくれる相手に好印象を抱きます。まずは”傾聴力”を養うことです」(吉田さん)

大人になってから加わるコミュニティでは、各々の年齢がバラバラということも往々にしてあります。そこで、年齢別の対応についても伺いました。

「年上が多いコミュニティでは、お互いに共感できるポイントを探すとよいでしょう。無理に媚びる必要はありませんが、相手が話しているときは、適度なタイミングで頷くといったアクションをしっかりすると好感度がアップします。同年代が多いなら、同世代ならではの仲間意識を大切に。いかに味方を増やすかがポイントになります。年下が多いときは、相手が話しかけやすいような雰囲気を醸し出すことです」(吉田さん)

たとえば、年下で大人しそうな人がいたら、こちらから話しやすい話題を振ってみるのも手。そこで話を展開していけば、向こうから心を開いてくれるかもしれません。グループ内の雰囲気を掴んだら、適宜アクションを起こしてみましょう。

■7:耳と目と心を使って傾聴する

傾聴力を高めるには?

自分の趣味の話で気分が盛り上がり、ついつい話し過ぎて周囲の人に引かれてしまった経験はありませんか? 逆に、自分の好きなものについて熱く語る知人・友人に対して、飽きれたような反応をしてしまうこと、ありますよね。誰かに自分の話をきちんと聞いてもらえるのは、誰にとっても嬉しいものです。そこで吉田さんから、相手の話を傾聴するためのヒントをいただきました。

「聴くの漢字を分解すると、耳+目と心=聴く。耳だけでなく、目と心も使って傾聴することを心がけましょう」(吉田さん)

もしあなたが大人しいタイプなら、聞き手にまわることは苦にならないはず。一方、エネルギーのある体育会系タイプならば「情熱だけで突き進むと、浮いてしまいます」と吉田さん。声の大きさに気をつけたり、パーソナルスペースが近づきすぎない程度の”距離感”を保つようにしましょう。

■8:「きどに立ちかけし衣・食・住」を会話の糸口にする

「あの人に話しかけてみたいけれど、どんなふうにきっかけを掴めばいいかわからない」と悩んでしまい、いつまでも声を掛けられなかった経験がある人は、案外多いのではないでしょうか。

あらかじめ話題を用意しておいたものの、いざ話始めてみるとそこから話が広がらず、どぎまぎしてしまった、という苦い経験がある人もいるのでは……。そんなとき、どんな話題が適当なのか、吉田さんに聞いてみました。

「会話の糸口として有用なのは『きどに立ちかけし衣・食・住』という語呂合わせです。き:気候、ど:道楽:趣味・映画・スポーツなど、に:ニュース、た:旅、ち:知人、か:家族、け:健康、し:仕事、衣:ファッション、食:グルメ、住:暮らし・家の11個を覚えておきましょう」(吉田さん)

語呂合わせなら覚えやすいので、仮に最初の話題が空振りでも、二の矢三の矢で当たりがくる確率はグッと上がります。

「笑顔と挨拶は先手必勝、という当たり前のことを凡事徹底しましょう。『こんにちは。初めまして』に続く二の句として『今日も暑いですね』などのプラスαで差がつきます。そして、知っているのと、できるのでは大違い。相手から話しかけやすい、と思ってもらえる印象づくりが大切ですね」(吉田さん)

さらに共通の話題を見つけられれば、親近感が増して距離が近くなります。物は試しで、近くにいる人との共通項探しから始めてみてはいかがでしょうか。

初対面の人だらけのコミュニティにすんなり加わるというのは、大人になってからでも難しいものです。服装や表情、立ち振る舞いなど、ビジュアルの第一印象がファーストステップ。とはいえ、コミュニティでの活動はそのあとが本番ですから、集団の中での自分の立ち位置を確立することも重要になります。吉田さんのアドバイスを参考に、素敵な仲間との出会いを楽しみましょう。

吉田正美さん
コミュニケーション・コンシェルジュ
(よしだ まさみ)大臣、総督クラスのVIPアテンドやナレーターコンパニオン、式典のMCなどを20年にわたって経験。第一印象をアップする面接・婚活指導やマナー講座といった、「すぐに使える」実践型の研修が高く評価されている。著書は『「ぜひとも、あなたに」とお願いされる ハイクラスな人の気配りの習慣』(ベストセラーズ)。
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この記事の執筆者
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WRITING :
上原純