普段の電話、どのように意識していますか? もちろん、相手に気を遣い、聞き間違いや言い間違いがないか、マナー的には大丈夫かといったことは気にしていることでしょう。ただ、そこからさらに意識を変えることで、「ワンランク上の心地よい電話」が実現するのです。

なぜか、素敵な女性と電話で話していると、声のトーンや雰囲気が上質な感じがしませんか? いったい、どのような意識やポイントがあるのでしょうか。

そこで今回は、プレゼンスコンサルタント®の丸山ゆ利絵さんに、相手に心地よいと思ってもらえる電話術を教えていただきます。

ラグジュアリーな女性が実践している「電話で話すときの心がけ」7つ

まずは、今回丸山さんに教えていただく「ラグジュアリーな女性」の定義を教えていただきました。

ワンランク上のラグシュアリーへ

「ラグジュアリーな女性とは、声や話し方にエレガントさや気品があること、態度に思いやりや余裕があることに加えて、物事の進め方に才覚がある人と考えます。やはり仕事や社会の中で、ある程度の責任あるポジションにいる人のイメージだからです。そのイメージをベースに、ラグジュアリーな女性が心がけていると考えられる、電話での話し方のコツをご紹介します」

■1:少し低めの声で話す

「電話のときは、意識的にやや低めの声からスタートするほうが、相手にも聞きやすい声になるでしょう。電話を通すと通常、声はやや高くなるので、素の声のままで話をすると、やや耳障りであったり聞き取りにくくなったりすることがあるためです。また、低めの声で話そうとすると、話すスピードにも落ち着きが出やすく、大人の品性ある女性のイメージにも合う話し方になります」

■2:ほがらかな声で話す

「上品な女性に必要なのは、喜びや明るさを感じる声、抑揚や表情のある声、そんな豊かな感情を感じる声。普段よりも少しテンションを上げて話したほうがいいでしょう。話すときは口角を上げて微笑みながら、話すことで声にも明るい表情がつきます。一方、抑揚のない声は感情が感じられなかったり、あるいは不機嫌さに思えたりして、不安や不信感を感じさせます。表情が見えない電話ではなおさらです。そのような声はまったくラグジュアリーではありません」

■3:ゆっくり話す

「電話では、普段の会話よりゆっくりとした話し方が必要です。電話の声は万人にとって聞き取りにくいものです。また、面と向かった会話のときは、表情や手振りなど、周囲の視覚情報などの『非言語要素』に理解を助けられますが、電話は聴覚のみを使うコミュニケーション方法ですので、理解するための情報が限定的なのです。また、普段よりはっきりと発音することも必要です。

情報の提供や確認、特に数字や時間に関することは、さらにゆっくりはっきりと話すことも大切です。しっかり状況に合わせた工夫ができる人は、才覚だけではなく、堂々とした品格が感じられます」

■4:相手の名前を呼びかける

「相手の名前を意識して呼びかけましょう。自分からかけたのであれば『○○さん、こんにちは。△△です』と呼びかけ、次に自分の名前をはっきり言います。相手からかかってきたら、相手が名乗った後『○○さん、お電話うれしいです』と、あらためて相手の名前を呼びかけます。

小さなことですが、自身の名前を呼ばれることは、呼ばれないことと比べて『十分に認識されている』『尊重されている』という意識が働きます。それは相手への思いやりの表現になりますし、相手のこちら側への好意や関心も引き出す方法になります」

■5:用件をあらかじめ説明する

「はじめに、電話の目的や話したい時間を伝えておきます。例えば『今日お電話したのは、○○の件です。文章だと細かいニュアンスがわからないので、直接お話ししながら、次回のことを決めたいと思ったのです。5分くらいお話しさせていただいていいですか?』など。

SNSなどのメッセージやチャットの機能に比べ、電話は相手を「時間的にも空間的にも拘束する可能性が高いコミュニケーション方法」です。最初にちょっとした挨拶や近況報告をするのはいいと思いますが、その話からいきなり『あのね』と続けて、相手が用件をよくわからないまま、話に巻き込んでしまうようなことをするのは、社会人としてふさわしくありません。相手が電話を続けるかどうかを、選べる機会を奪っているからです。

もちろん、相手の都合が悪そうであれば、喜んで日時を改めるというニュアンスも初めに伝え、相手を思いやりましょう」

■6:自分ばかりが話さない

「品のある女性には、一方的に話すイメージは似合いません。自分が話したら、相手の意見を聞いたり、いったん待って相手の発言を促したりするようなリズムを大切にしてください。一説によると、人が電話で相手の話に集中できるのは20秒くらい、長くても30秒とのことです。それくらいの心づもりで相手と会話をスイッチしていったほうがいいでしょう」

■7:最後に「まとめ」をしておく

「用件があって電話をしたなら、その用件があらかた片付いたと思えた時点で、相手にそれを伝えます。例えば『ありがとう、おかげでお話ししたかったことが話せました。では、アドバイスいただいたとおり、今度○○することにしますね』という言い方です。いわゆる『話のまとめ』です。話の流れや結論がわかることで、相手も気持ちがすっきりします。そんな気持ちを相手に与えられるのが、上品な女性ではないでしょうか」

以上、電話で上品にコミュニケーションする際の心がけに関して、7つのポイントに絞り込んでお伝えしました。あなたにはできていること、これから心がけたいことはいくつありましたか? 続いてより実践的な「発声テクニック」を見ていきましょう。


電話の印象をガラリと変える「第一声」と「最後の一声」のコツ4つ

電話の相手に心地よい、電話をしてよかったと思ってもらうためには、電話の第一声と最後の一声が非常に重要となります。

最初と最後が肝心

■8:最初の一声で、相手の名前を呼びかける

「○○さん、こんにちは。△△です」
「○○さん、△△です。お電話うれしいです」

「前項の繰り返しになりますが、相手に『尊重されている』ということが伝わりやすいのは名前の呼びかけです。大事なのは感情がこもっていることです。朗らかな声で言いましょう」

■9:最後の一声でも、相手の名前を呼びかける

「○○さん、お話しできて楽しかった。ありがとうございます」
「○○さん、お話し助かりました。またご連絡しますね」

「最初の一声と同じように名前の呼びかけをすると、あらためて感謝や喜びの気持ちが伝わります。相手と電話で話ができたことが本当によかったという感情や、役に立ったというフィードバックがさりげなく、しかし確実に伝わるようにします」

■10:プラスαで試したい上級テクニック

次に、丸山さんに、プラスαでやるとより相手に心地良く感じてもらえる上級テクニックを教えていただきました。

少しの心がけに、少しの努力でより相手に好印象を

■11:腹式発声で話す

「腹式呼吸で話すとよいでしょう。肩や胸で呼吸せず、横隔膜を使って、肺に空気を取り込む発声方法です。良く通る、響く声を出しやすく音量も調節しやすいので、俳優さんやシンガーの方が使っています。鼻から息を吸って、口から吐くのが基本で、息を吐くときに声を出します。

『口呼吸』だと電話では息遣いが伝わりやすく、耳障りであったり、余裕がなく感じられてしまったりしますが、腹式呼吸なら声も良くなり余裕のある話し方に役立ちます」

■12:復唱する

「復唱とは相手の言った言葉を繰り返すことです。『○○なんですよ』に対して『○○なんですね』と単純に繰り返す方法もあれば、『○○してしまったので困りました』に対して『○○が困る原因ということですね』と一部を繰り替えしながら要約する、という方法まであります。心理学では『バックトラッキング』と言い、相手から信頼や好意を引出し、話に引き込むことに有効なテクニックであることが知られています」

以上、電話での心がけと発声方法によって、相手に上品な印象を与える方法を12の項目にまとめました。

ひとつひとつは、誰でも意識すればすぐに実践できることばかり。今日からすぐに始めたくなりますね。ひとりの大人の女性として、日々の電話ではぜひこれらの振る舞いを心がけるようにしていきましょう。

丸山ゆ利絵さん
プレゼンスコンサルタント®
(まるやま ゆりえ)五つ星ホテルや一流ビジネスクラブ等での要職を歴任、数千人の財界人との交流を通じ、「エグゼクティブプレゼンス」=一流を目指す人に必須の立居・振る舞いを分析・体系化。企業研修や個人コンサルティングを行う。
http://www.attainments.co.jp/
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利
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