日本にもタイ料理屋さんは多く、女友達との食事はタイ料理、なんて女性も多いのではないでしょうか? そんなタイ料理屋さんにいざ訪れてみると、どう注文すればいいのか、どのように料理をいただけばいいのか、ふと疑問に思うことも。実はタイ料理には「特有の食べ方マナー」があるのです。

そこで今回は、タイ料理の食べ方マナーと注文方法を、タイ料理に詳しい、手作りの本格タイ料理教室を主宰する、みもっと先生に教わります。

●タイ料理の種類と、注文する基本的な「順番」

タイ料理

タイ料理にはどんな種類があり、注文の順番はどのようにするのが一般的なのでしょうか? みもっと先生によれば、西欧料理のように提供される順番はないけれど、バランスよく頼んだようがいい4種類のお料理があるのだとか。

「タイ料理には、フレンチ、イタリアンなど同様に、アペタイザー、サラダ、アラカルトメニュー、スープ、メイン、ご飯、麺もの、デザートなどの種類があります。注文の順番は特に決まっておらず、カジュアルな食堂ならすべての種類を食べる必要もなく、必要な物を選べばよいですし、足りなかったら足せばよいという感じです」

意外と自由なのですね。ただ、ちょっと正式なレストランでは知っておくべきことがあるようです。

「正統派のタイレストランに行ったとき、ある程度知っているといいのは、次の4種類のお料理をバランスよく頼むのが一般的である、ということです」

■1:ナムプリック(ディップ形式のアペタイザー)
■2:サラダ、和え物
■3:揚げ物、炒め物、煮物など一品料理
■4:カレーかスープなどの汁物

「これにプラスしてご飯を注文する、という感じです。デザートは頼んでも頼まなくてもよいです。タイ人はおやつにスイーツをたくさん食べていますから、食事とは別物と考える人も多く、スイーツ屋さんはご飯屋さんとは別にあることも多いです」

テイスティングコースが用意されていることも

「最近、流行りのタイ料理のファインダイニングでも、アラカルトを注文する場合は、この原則にのっとれば問題ありませんが、テイスティングコースが用意されている場合が多いので、何を頼んでよいかわからない場合は、テイスティングコースを試すのもよいかと思います」


●意外に知らない、タイ料理の「食べ方マナー」8選

タイ料理にも当然、いただき方のマナーがあります

うまくタイ料理を注文できたら、次は食べ方のマナーについても知っておきましょう。特に正統派のタイレストランに行ったり、タイの方と食事をする際には参考になる、目から鱗のNGマナーがありました。

■1:食器を手で持ち上げてはいけない

「日本人がいちばん陥りやすいマナー違反かもしれません。タイ料理では、食器を手で持ち上げてはいけません。どんな料理でも、食器は置いたままいただきます」

■2:食べ物をフォークに刺して食べない

「スプーンとフォークが供されていたら、右手にスプーン、左手にフォークを持ち、スプーンの上にフォークで食材を乗せて食べます。またフォークは、スプーンで食べ物を切る際に押さえるのに使うのがメインで、食べ物を刺したりはしません。基本、フォークで食べ物を刺すのはお子様だけ、といわれています」

■3:麺類はすすってはいけない

タイ料理

「すするのはNGです。麺類の場合は、右手にお箸、左手にレンゲを用意します。右手のお箸で麺をつまみ、左手のレンゲをスープがたれないような補助として使い、少しずつ麺を静かに口に入れていきます。レンゲに一度置いてもいいですが、お箸でつまんだ麺をそのまま口に持っていけば、問題ないです」

■4:汁物もすすってはいけない

「食器を持ち上げることがNGですので、汁物はスプーンやレンゲですくうことになります」

■5:魚や肉など大きなものは、かぶりついてはいけない

タイ料理

「外食のマナーとしては、かぶりつくのはNGかもしれません。通常、家族で食事をする場合は、かじるのはOKですが、知らない人と食べる場合はNG、という感じです。フォークで押さえてスプーンで身を外していき、小さくしていただきます」

■6:もち米の「カオニャオ」は手で丸めてひと口大にして食べる

「タイ料理では、おかずを手食する場合に、手で丸めていただきます。右手で小さくちぎったカオニャオとおかずを一緒に手でつかみ、口に運びます。カオニャオだけの場合でも手で食べます。ただ、手にベタベタついたものを、舌でなめたりはしません。自信のない方は、スプーンに一口ずつ乗せて食べるといいでしょう」

■7:音を立てないように食べる

「異常に気にするほどでもないと思いますが、食器とシルバーが触れ合うキーキーとした音を嫌がる人もいるので、あまり“かつかつ”音を立てないようにしたほうがいいでしょう。通常の食べ方であれば、そんなに気にする必要はないと思います」

■8:外食店では卓上調味料があれば、自分で調味する

「麺料理屋さんなどに行くと、自分で好みの味に調味できるように卓上に唐辛子、酢、ナンプラー、砂糖の4つが置かれていることが多いです。普通のカジュアルなレストランでも、基本的にこれらの調味料は置いてあるので、もし味が足りないと思えば、これらで調味すればよいでしょう。

味がついていないということではなく、自分好みの味に調整することができるよ、ということです。個人的には、麺料理屋さん以外であまり味が薄いと思ったことはないので、調味料を使わないことが多いですが、本当に人によります」

以上、正統派のタイ料理をいただく際のおすすめマナーをご紹介しました。

麺類をすすらない、かぶりつかないあたりは、ほかの飲食店のマナーでも共通していますが、フォークで刺さない、食器を持ち上げないあたりは、日本人の感覚からすると不思議ですよね。食に関するルールは同じアジアでも実は違うということ、非常に楽しい発見です。


●タイ料理で「辛すぎる」ときの対処法

ところで、タイ料理の魅力はスパイスにあるといわれます。でも、辛すぎるときには、どのようにお口直しをするものなのでしょうか?

「タイ人がよくやるのは、料理にお砂糖を加えることです。それと、タイ料理には、甘い炭酸飲料が合うようで、コーラやスプライトを一緒に飲んでいるタイ人をよく見かけます。

私の場合は、もち米や、ご飯を食べて、辛さを調整しています。牛乳はタイ料理店にはないと思うので、辛くなったら、ココナッツミルクの入ったデザートなどの甘いものを頼むといいかもしれません。牛乳と同じように、口内に膜をつくってくれる気がします」

タイ料理に関する意外な知識を知ると、ちょっと実践してみたくなりますよね。次にタイ料理屋さんにみんなで出かけるときには、ぜひみんなに教えてあげましょう。

みもっと先生
東京都目黒区でペーストから手作りの本格タイ料理教室「おいしみ研究所」を主宰。ELLE gourmetフードクリエイター部メンバー。地方での出張料理教室も人気で、関西での定期開催も。ケータリングや、レストランとのコラボイベント多数、フードコーディネート、フードスタイリストの実績あり。
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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利