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苦手な人や嫌いな人と話すとき、態度に出さないように気を使っている、という方は多いのではないでしょうか? しかしながら、実は多くの人が態度に出していないつもりでも「サイン」を出してしまっているのです。今回は、そうしたあなたの無意識が教えてくれている所作について、心理カウンセラーの大嶋信頼さんに教えていただきました。これをさえ知っていれば、たとえ苦手な人と相対していても、危機回避が可能になります。会話中に意識してみましょう。

■1:背中を丸める

人は理解者の前では背筋が伸びる
人は理解者の前では背筋が伸びる

大嶋さんによると、背筋の伸び方が「自分の魅力をわかってくれる人バロメータ」になるそうです。

「背中が伸びていればいるほど、“この人は私の魅力をちゃんとわかってくれる!”というサインになります。丸まっていると、“この人はちっとも私の魅力をわかっていない!”というメッセージになるんです」(大嶋さん)

話しているうちに、背中が丸まってしまってはいないでしょうか。そんなときは、相手に対して苦手と感じているということなのです。話しながら、自分の姿勢も意識してみましょう。

■2:左肩だけが前に出る

批判的なときは右肩より左肩が出る
批判的なときは右肩より左肩が出る

背中だけでなく、肩にも心理は表れるようです。

「相手と話をするときに、左肩だけが前に出ていると、“相手に対して批判的”というサインになります。座る位置なども関係あるのですが、左肩が右肩よりも前に出ていると“あなたの意見には賛成できないです”という気持ちを表していて、無意識でそのポーズになってしまうのです」(大嶋さん)

まさに「斜に構える」という言葉の通り。意識では賛成していてもあなたの本心は賛成していないのです。

■3:目を触る

恥ずかしい相手を前にすると手が目に行く
恥ずかしい相手を前にすると手が目に行く

相手と話しているとき、知らず知らずのうちに「目を触る」という仕草をしていることはありませんか?

「それは“あなたのことを恥ずかしいと思っています”というサインになります。“目が疲れているから”とか“目がかゆかったから”と自分では思うのですが、実は相手の話を聞きながら目を意識したときというのは、無意識に“あなたのことが恥ずかしい!”と感じてしまっているのです」(大嶋さん)

ドキッとした人は気を付けた方がよさそうです。

■4:手をグーにする

握りこぶしは期待できないときのサイン
握りこぶしは期待できないときのサイン

相手と話をしているとき、自分の手はどんな形になっているか意識していますか?

「手がグーになっているときは“あなたには期待していない”というサインになります。パーだと“あなたに任せる”というサインなんですが、グーは“これは賭けだな”という確率が高いサインなんですね」(大嶋さん)

確かに、緊張していたり、何か相手に対して意見をしたり、説得するときなど、つい力が入って手を握っているのではないでしょうか。自分の本当の気持ちもわかるし、相手の本当の気持ちもわかり、言葉に振り回されなくなりますね。

■5:唾を「ゴクッ!」と飲み込む

唾を飲む所作は危険信号
唾を飲む所作は危険信号

自分では「苦手」とは一切思っていないけれど、その人と話しているとき、唾を「ゴクッ!」と飲み込みたくなってしまうことってありますよね。

「唾を飲み込むというのは、無意識に“この相手は脅威だ!”と感じているサインになっています。このサインが出たら“気が付かなかったけど、自分はこの人が苦手なんだ!”と認識して、その人とは適度な距離感をもった方が安全です」(大嶋さん)

■6:手を胸元に置く

苦手意識は手によく表れるそうです。

「相手を目の前にして、手を胸元に置いたり、ネクタイを触ったりしたら“この人は苦手”という無意識のサインになります。実際は何も問題がないのに喉が詰まるように感じるヒステリー球という症状がありますが、怒りが溜まっている人がそのような症状になります。

ヒステリックな人の前に立つと、そのサインが出るので、“この人はヒステリックで危ない人なんだ”ということを無意識に感じ取って、体が“苦手”というサインを出しているのです」(大嶋さん)

自分の手が胸元にいったら、相手の怒りが爆発する前に、その人とは距離を保ったほうがよさそうですね。

■7:お腹を押さえるような体勢になる

相手に苦手意識があるときは手がお腹に行く
相手に苦手意識があるときは手がお腹に行く

相手を目の前にしていて腕組みすることはあると思いますが、その手がお腹のほうに行くと良くないそうです。

「お腹を押さえるようなポーズになったら、“この人は苦手”というサインです。不安だと腸が自然に動きます。相手に対して“この人は不安でいっぱいで頼りない人”と感じると、無意識に腸をカバーするポーズになるんですね」(大嶋さん)

そういう場合も関わると相手の不安に巻き込まれてしまうので、やはり適度な距離を取ったほうが良いようです。

無意識のうちにしている仕草の数々、思い当たるところがあったのではないでしょうか? 重要なのは、無意識が教えてくれる本当の自分の気持ちに気づくこと。苦手な相手とは上手に距離を取って、ストレスを溜めないようにしていきましょう。

大嶋信頼さん
心理カウンセラー
(おおしま のぶより)米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研修生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所原宿相談室長を経て、アイエフエフ代表取締役として勤務。現在はインサイト・カウンセリング代表取締役。ブリーフ・セラピーのFAP療法(Free from Anxiety Program)を開発し、トラウマのみならず多くの症例を治療している。カウンセリング歴25年、臨床経験のべ8万件以上。著書に『支配されちゃう人たち』(青山ライフ出版)、『サクセス・セラピー』(小学館)、『児童虐待〔臨床編〕』(共著・金剛出版)、『消したくても消せない嫉妬・劣等感を一瞬で消す方法』(すばる舎)、『リミットレス! 』(飛鳥新社)、『いつも「ダメなほうへいってしまう」クセを治す方法』(廣済堂出版)など多数。
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この記事の執筆者
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WRITING :
あわいこゆき