大人の最愛カラーである「グレージュ」は、優しい印象のベージュと知的なグレーとの中間色。どんな色にもしっくりとなじみ、しなやかなハーモニーを醸し出す魔法の力をもっています。
ただ、コーデにどのように取り入れたらいいのかわからない女性は多いはず。そこでこの最愛カラーの汎用性の高さをもっと生かすために、コーディネートの核となるベーシックカラーとして、さまざまな色と合わせてみました。
コクのあるボルドーから、くすんだイエローまで……。わかりやすいポップなきれい色というよりも、ちょっと渋みを感じさせる旬の5色がパートナー! 絶妙なニュアンスをもつグレージュとの鮮度の高い配色に、思わずだれもが「色合わせが素敵!」と思うはずです。
色合わせが素敵だとほめられる「魔法のグレージュ配色」5選
■1:ドライなグリーンが辛口シックな印象を与える「グレージュ×オリーブグリーン」
これは深い森を連想させるカーキがかったグリーンを、辛口グレージュがシックになじませる色合わせ。男前な配色で、シンプル服を大人に魅せます。主役のグレージュは、チャコール×サンドベージュが織り込まれた英国調ツイード。
(1)英国調ツイード柄に辛口グリーンが溶け込んだ、「甘さゼロの小粋さ」が魅力のコーデ
陰影を描く太畝ヘリンボーンの織り地が、絶妙なグレージュ感を印象づけるチェスターコートを主役に。ニット&バッグで投入したカーキ系グリーンとも相性抜群。トラッド調の着こなしを、キャメルのスエードブーツが盛り上げます。ニットとバッグに投入したカーキ系グリーンはこの秋の注目色です。
(2)深いグリーンでつなげたIラインの上下を、グレージュが優しく包み込むコーデ
リブニットのトップスとタイトスカートを、上下オリーブグリーンでつなげることで、セットアップ風に着こなした上級テクニック。グラデーションとなったネックレスが、グレージュアウターとのつなぎ役に。上下でトーンを合わせて縦ラインを強調すれば、スタイルアップして見えます!
(3)配色とシルエットのバランスが生み出す「こなれ感」が理想的なコーデ
カーキグレージュのカシミヤニット×カーキブラウンのパンツというカーキ系の濃淡に、引き締め役の黒タートルをレイヤード。渋い配色がむしろ心地よい大人のカジュアルに。新鮮なトリコロール配色が、シックな着こなしのアクセントに!
■2:みずみずしい透明感の新鮮配色でセンスアップできる「グレージュ×アイスブルー」
グレーみのあるアイスブルーと淡いグレージュとの配色は、知的なクールさと、ほんの少しの甘いニュアンスが女心をくすぐります。
(1)きれい色のコートが、遠目からでもハッとする印象派美人のコーデ
アルパカ混ウールのエアリーなコートは、少しくすんだアイスブルー。肌になじむグレージュの濃淡で、インを辛口に仕上げれば、甘さのあるコートもしっくりなじみます。アクセサリー代わりのブルーのクラッチが、リッチ感をもたらすアクセントに。アイスブルーと起毛素材のふんわり感が着こなしを盛り上げます!
(2)アイシーなグレージュ×白パンツのグラデーションに、知的ブルーの差し色効果を加えたコーデ
ピュアな白を生かしたグレージュワントーンは、大人世代にとって、もはやお手のもの。今年なら、淡いトーンはくずさずに、ほんの少し色で変化を加えるのが気分。例えば、アイシーな水色のニット。シンプルな薄軽チェスターコートがフレッシュによみがえります! クールパステルのタートルニットはフィット感のいいリブできりっと。
(3)ハイトーンのグレージュに、色味はバッグだけというフレッシュな遊び心のあるコーデ
パールがかったグレージュの、気品漂う淡色グラデーションに、メタルの装飾をあしらったブルーバッグが、ワンポイントの差し色アクセントに。足元は、グレースエードのフラットシューズで軽快に仕上げるのがコツです。グレーがかったブルーのバケツ形に、メタルモチーフのバッグが楽しげな印象に。
■3:しっとりとした秋に似合う格調高いフェミニン配色「グレージュ×ボルドー」
シックなグレージュに合わせるなら、赤やピンクより、茶色に近いディープボルドーがおすすめ。深まる秋にふさわしい大人配色に。
(1)リラックスしているのにエレガンスが漂うクラシカルな色合わせのコーデ
ラグランスリーブのタートルニットにケープをレイヤードしたかのようなデザインニットは、カシミヤ100%のうっとりするほどの肌触りが自慢。細身パンツとのグレージュの濃淡に、さらなる品格を与えるのがこくのあるボルドーのワンハンドルバッグです。上品な配色、クラシカルな小物使いで、ワンランク上のリッチカジュアルが完成。部分的なライトブルーの配色に、モダンなセンスが宿ります。
(2)ボリュームニット×ひざ丈タイトが導く「こなれたかっこよさが魅力」のコーデ
ドロップショルダーのボリューミーなリブニットと、センタースリットがセクシーなタイトスカートを合わせて、憧れのヴィクトリア・ベッカム風のこなれ感を。ボルドー配色だからこそ、カジュアルなローゲージニットもぐっと女らしく演出できます! 首からのぞかせたボルドーのスカーフで、顔周りをきりっと引き締め効果も。センターに入った深めのスリットが、センシュアルな印象を与えます。
(3)シックなグレージュ×ボルドーの大人配色が甘いコートに品格を宿すコーデ
シックなニュアンスカラーが美しいムートンにボルドーのラムレザーを施したノーカラーコートは、起毛面とスムース面の両面が楽しめるリバーシブル仕様。胸元につけた大ぶりのブローチが大人かわいいワンポイントに。グレージュ×ボルドーの配色の妙と、質感の違いも楽しめます。
■4:グレージュと調和する大人好みのビビット色「グレージュ×ブラッドオレンジ」
濃厚なブラッドオレンジは、膨張して見えがちなグレージュの効果的な引き締め役に。メリハリをつけ、ビビッドな色のパワーを味方に!
(1)淡いグレージュの全身に、オレンジ×黒の小物が大人の迫力を導くコーデ
淡いグレージュのロングジレは、着心地のいいカシミヤジャージー。同色の細身パンツを合わせれば、セットアップ風の着こなしが完成。インナーをハリのあるコットン100%のブラウスにすることで、緊張感が生まれ、よりシャープな印象に。オレンジは、バッグの部分使いで、最小限にぴりっと効かせるのがコツ! パイソンにオレンジ×ブラックの配色が、華麗な迫力を醸し出します。
(2)オレンジワンピースの派手さを緩和する、グレージュの品のよさが秀逸なコーデ
ヘリンボーンのツイードコートは、クラシカルなマキシ丈。周囲の人を元気にするほどのパワーをもつオレンジ色とのメリハリ配色で、フレッシュ感を印象づけられます。足元は一段ダークなグレージュのパンプスで引き締めるのが正解。コンサバなタンクワンピースもコクのあるオレンジで鮮度アップします!
(3)バッグまで鮮やか色をリンクさせて、カジュアルをリフレッシュするコーデ
肩から袖にかけて、優しいブラウンのミンクファーが贅沢なラインを描くタートルニットを主役に。素材はカシミヤ100%。濃密なオレンジの細身パンツとのカラーコーディネートが、新たなグレージュの魅力を引き出してくれます。ベーシックなアイテム同士の組み合わせに、トリコロール配色のバッグで遊びの要素をオン。余裕あふれるリッチなカジュアルが実現。濃厚なオレンジの細身パンツが着こなしを盛り上げます!
■5:渋みを加えたイエローが遠目からでも印象的な「グレージュ×マリーゴールド」
イエローにブラウンみを加えたマリーゴールドは、グレージュと抜群の相性。グレーやキャメルで濃度を増せば、さらに奥行きが生まれます。
(1)イエローのマフラーがコクと深みを授ける休日カジュアルスタイルのコーデ
厚地のグレージュカーディガンに、ピンストライプのグレーパンツ。メンズライクなこの組み合わせに似合うのは、ブラウンがかったイエローのマフラー。モヘア混のフワフワを、首元にグルグル巻けば、ミラノ風の小粋なカジュアルに。空気を含んだようなふわもこの感触が渋いイエローを可憐に見せてくれます。
(2)ブラウン系となじむシックな派手色が、ベーシックで今年らしいコーデ
肌なじみのいいライトグレージュのニットは、肩の部分にボタンが施されたデザイン。同系色のスティックパンツを合わせ、縦ラインをつなげたら、マリーゴールドのチェスターコートをサッとはおって。コニャックブラウンのバッグが、秋配色を盛り上げます。落ち着いたイエローだから、抵抗なく取り入れることが可能です。
(3)華やかなプリント柄のセットアップで無難なカジュアルを脱却できるコーデ
シルクにプリントが施されたブラウス×マリーゴールド色のカーディガン。個性あふれるセットアップも、グレージュのスキニーパンツを合わせれば、抵抗なく、色と柄とが取り入れられます。パンツの素材はストレッチ加工が施されたフェイクスエード。グレーの濃淡配色がおしゃれなローファーを組み合わせて、足元まで手を抜かないコーデに。鮮やかイエローをリンクさせたプリント×カーディガンはセットで着るのがおしゃれです。
グレージュは装いを圧倒的な洗練に導く存在感と、どんな旬カラーとも相性のいい懐の深さが魅力。今年はぜひ、上記の配色を参考にグレージュスタイルをつくってみてください!
- PHOTO :
- 水田 学(NOSTY)
- STYLIST :
- 青木貴子(ホワイトボックス)
- HAIR MAKE :
- 川原文洋(UM)
- MODEL :
- RINA
- EDIT :
- 竹市莉子(HATSU)、喜多容子(Precious)